ノート:冷却CCDカメラ
2008年1月7日現在の本文の書き出し部 「CCDを用いた一般的なデジタルカメラなどで長時間・高感度の撮像を行う場合、撮像素子のPN接合部でゼーベック効果により電荷を生じる。この際に熱雑音(熱ノイズ)が発生し、画像のS/N比が低下してしまう。」 この文章(以下「原文」という)は、CCD素子での暗電流発生の説明としては疑問があります。
次に下記参考文献の p.14, 2-7 暗電流の項から引用します。
「CCDでの暗電流の主な発生原因は、以下の3点です。 (1)空乏化していない領域での熱励起とその拡散 (2)空乏層内での熱励起 (3)界面での表面準位による熱励起 これらのうちでは(3)が最も支配的です。」
熱雑音の発生原因として、原文に言う「ゼーベック効果」と関係する現象はあるのでしょうか。 (3)の界面とは、空気に触れる表面のことで、PN接合部とは無関係でしょう。
したがって、原文の該当個所を次のように差し替えることを提案いたします。
「CCDカメラでは、光入力のない状態でも信号出力があり、これを暗電流と言う。目的とする画像取得にとっては、雑音(ノイズ)の原因の一つとなり、特に天体観測など低照度長時間露出の場合に問題となる。これは、温度が高いほど大きな影響があるため熱雑音とも呼ばれる。 その原因としては、主に次の3点が考えられる。 (1)空乏化していない領域での熱励起とその拡散 (2)空乏層内での熱励起 (3)界面での表面準位による熱励起 これらのうちで、最も支配的なのは(3)である。」
合わせて、下記を参考文献として表示することを提案します。
参考文献
浜松ホトニクス 技術資料 SD-25「FFT-CCDエリアイメージセンサの特性と使い方」
http://jp.hamamatsu.com/resources/products/ssd/pdf/tech/fft_ccd_kmpd9002j06.pdf
--o2 2008年1月12日 (土) 00:43 (UTC)Osm2