ノート:凍豆腐
どちらも正しい名称ですが高野豆腐の方が人口に膾炙しているので高野豆腐への統合に賛成です。ただし、高野豆腐とは異なる「凍り豆腐」も実は存在しています。文字通り豆腐を凍結させた冷凍食品で、私の知る限り20年ほど前までは北海道の一部の地域で市販されていました。高野豆腐は凍結と解凍(および脱水)を繰り返し乾物としますが、凍結後解凍せずにそのまま冷凍食品として流通させたものです。食感や味は高野豆腐とまったく同一(若干ふっくらと柔らかい)のものと考えて頂いて結構です。現在も市販されているかは分かりません。伝統的な製法の高野豆腐は戻すのに一晩もかかり、ふっくらと煮あげるのは難しいものでした。冷凍の凍り豆腐は熱湯につけると10分ほどで戻り、誰が作っても柔らかく煮あがるというものでした。インスタント高野豆腐とでもいうべきものですね。大手の食品会社が製造していたものでは無いように記憶しているので、知っている方はほとんどいないと思います。
>現在は、アンモニアを利用した製造方法が確立されたことから…
誤解を招く表現ではないかと思います。アンモニアは、高野豆腐を水で戻す際の戻りを良くする為に添加しているだけで、生の豆腐を乾燥豆腐に加工する製造過程で使われているわけではありません。高野豆腐の製造にはまったく必要の無いものですし、製造効率が上るわけでもコストカットにつながるわけでもありません。アンモニアは親水性(吸湿性という方が正しいのかも)が非常に高いので、アンモニアガスを使ってスポンジ状の高野豆腐の内部にアンモニアを染み込ませておくと、水に入れたときに急速に内部まで水分が入り込み極めて短時間に柔らかく戻すことができるという効果を狙ったもので、単なる食品添加物です。なお、アンモニアは現在ほとんど(皆無に近いほど)使われておらず、現在は重曹を膨軟剤として用いるのが一般的です。
重曹の方はアンモニアと異なり利用が製造工程の内部に組み込まれています。一般的には凍結後重曹入りの水につけて解凍し脱水後に乾燥させるという製法を取っているようです。豆を煮るときに重曹を使うとたんぱく質が一部破壊されるために柔らかく煮上りますが、高野豆腐についても同様の効果を期待して利用されています。なお、重曹を使用したものと伝統的な高野豆腐は別の食品といっても良いほど性質が異なるもので、調理した後の硬さを比較すると前者は後者の1/3~1/4の歯ごたえしかありません。味は大差ないのですがこれほどまでに食感が違うと同じ食品というのがはばかられます。
と、ここまで書いて気づきましたが、冷凍の凍み豆腐と重曹添加の高野豆腐は食感的に極めて近いものだったような気がします。乾物の方が遥かに流通に便利ですから、重曹添加の高野豆腐が一般的になったため冷凍の凍み豆腐は駆逐されたのかもしれませんね。
アンモニアと重曹の話は後ほど高野豆腐の方に書いておきます。冷凍の凍み豆腐についてご存知の方がいたら情報をお待ちしております。--Nyango 2005年1月26日 (水) 17:51 (UTC)