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ノート:小型自動車

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1960年車両法改正以降の小型自動車の範囲について

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1960年の道路運送車両法改正以後の小型自動車の範囲について調べていたら、いくつかの相矛盾する記述がみつかりました。正確な事実関係(道路交通法による規定と道路運送車両法による規定の相違、および、その相違が生じた経緯についても)を出典付きで確認できる方がいらっしゃいましたら補筆を願います。

本記事の記載

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本記事の「区分の歴史」の項で、1960年9月1日の道路運送車両法改正のところから次のことが読み取れます。

  • 「内燃機関を原動機とするものは2,000cc以下(ディーゼル機関は排気量無制限)」となったと書かれています。
  • 電気自動車の定格出力については言及がなく、この時点で定格出力無制限になったと読めます。
  • 最大積載量・車両総重量・乗車定員については特に制限がないと読めます。

以上の内容は、本記事の「概要」のところで引用されている現行の道路運送車両法施行規則別表第一の規定とも基本的に一致します。唯一の食い違いは、現行規定に「天然ガスのみを燃料とする自動車」も排気量無制限とする規定があることです。

道路交通法の規定

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日本における道路交通法規の変遷というサイトで1993年までの主要改正が追いかけられます。

2016年11月現在、道路交通法施行規則の別表第二には、免許証に記載される略号の定義として、次のように書かれています。

小四車
長さが四・七〇メートル以下、幅が一・七〇メートル以下、高さが二・〇〇メートル以下の普通自動車(内燃機関を原動機とする自動車にあつては総排気量が二・〇〇リツトル以下のもの、内燃機関以外を原動機とする自動車にあつては定格出力が七・五〇キロワツト以下のものに限る。)

この定義による「小四車」には、本記事の記載に加えて、次のような制限が加わります。

  • ディーゼル車・天然ガス車もガソリン車と同様に排気量2000cc以下
  • 電気自動車については定格出力7.50kW以下
  • 「普通自動車」とあることから、現在は車両総重量5000kg未満・最大積載量3000kg未満(2007年の中型免許制度導入前は、車両総重量8000kg未満・最大積載量5000kg未満)
  • 同じく「普通自動車」とあることから、現在は乗車定員10名まで(1970年の制度改正でマイクロバスが普通車から大型車に区分替えされる前は、29名まで)

この定義は、先頭に書いた道路運送車両法改正の直後の1960年12月20日に道路交通法・同施行令・施行規則が施行され、小型自動四輪車免許が普通免許に統合されたことに伴う移行措置のはずなので、統合直前の「小型自動四輪車免許」の範囲が問題になります。4つめの乗車定員の制限については現実問題として4ナンバーサイズの車両に運転手を含めて30名以上が安全に乗り込むことは不可能、3つめについても当時の技術では(あるいは現在でも)4ナンバーサイズで総重量8000kgの車両を走らせることは不可能もしくは極めて困難と考えられるので、この2点については当時としては特に気にしなかったのでしょうが、排気量・定格出力について道路運送車両法と齟齬をきたしているのは不可解です。

なお、この統合時の移行措置は次の通りです。

  • 1960年の公布当時の道路交通法の附則第3条第2項・第3項によると、それまでの小型自動四輪車免許は「審査未済」のついた普通免許に移行しました。(一種のみの措置。小型自動四輪車二種免許は審査未済でない普通二種免許に移行。)
  • この移行措置規定で「旧令」と呼んでいる道路交通取締法施行令(昭和28年政令第261号)の第7条では「小型自動四輪車」の定義は道路交通取締法施行規則(昭和28年総理府令第54号)に丸投げしていますが、その本文はGoogleで検索した限りでは見当たりませんでした。

最大積載量を2t以下とする記述例

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Wikipediaの他の記事ページやその他のウェブサイトなどには、「4ナンバー車の最大積載量は2t以下」という記述をしているものがままあります。

  • Wikipediaの「限定免許 (運転免許)#審査未済」には、「小四車審査未済」は「排気量2000cc以下・最大積載量2t以下の普通自動車に限り運転可能」の意味であると書かれています。
  • 実際、市中で見かける4ナンバー車で、「最大積載量2000kg」と表示したものはいたるところで走っていますが、それより大きな最大積載量を表示した4ナンバー車は、私自身の経験では「最大積載量3000kg」となっているものを一度だけ見かけただけです(出典を示せなくて申し訳ありません)。
  • 上記の2つの「未満」はいずれも「以下」の誤りです。上述の通り、「最大積載量2000kg」と表示された4ナンバー車はいたるところに走っていますし、排気量についても、上に示した2つの定義(道路運送車両法施行規則、道路交通法施行規則)では2000ccちょうどまで可とされています。とはいえ、排気量については、エンジン製造時の工作誤差を考慮して定格1950cc程度に設計することが通例だと思います。
  • また、このベストアンサーの結論「2007年の改正時にそのまま『中型1種・小四未済』ですよ」も誤りだと思います。(道路交通法の平成16年6月9日法律第90号による改正附則第6条第9号を参照。改正法施行前に小型四輪自動車に該当していて運転できた4ナンバー車であっても、改正法で中型車(8t)となった車は運転できなくなったと解します。)
  • 従って、このベストアンサー自体はかなり信憑性の低いものであると考えます。あくまでも、「2t」という数字が出ている例としてご参照ください。

--HDI 2016年11月22日 (火) 01:43 (UTC)