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ノート:英米法

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日本法への影響

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はじめまして。標記の件、貴殿の編集した「日本法への影響」の節ですが、この内容はアメリカ法に記載されるべき事項ではないでしょうか?広くは英米法でも間違っていないと思うのですが、最近はイギリス法とアメリカ法は別の法原理に基づくことが認識され、区別される傾向があるものと思います。ご検討いただけば幸いです。--Pirosiki 2009年8月21日 (金) 04:59 (UTC)[返信]

Pirosikiさん、こんにちは。ウィキ豊です。おっしゃることは、英国法とアメリカ法は異なるという視点だと思います。しかし、英米法は大陸法と対の概念であり、英米法は司法府の判例法を重視する法文化で、立法府制定の成文法重視の仏独の大陸法と異なります。昭和憲法公布・施行により、明治憲法下の戦前の大陸法のみの法体系から、英米法の法体系が入ったという視点は欠かすことはできないと思います。司法権重視の視点はアメリカ法独特のものではなく、アメリカ法が英国法の判例法重視の「強い司法府」の法文化を継受したことが原因です。最高裁判所以下の司法府による違憲審査制は司法権の強い英米法的なものであり、ローマ法を原点とする司法府の弱い大陸法ではありません。やはり英国法的法文化に原点があることを考えますと、英米法の中の記述で良いと思います。--ウィキ豊 2009年8月21日 (金) 05:39 (UTC)[返信]

ウィキ豊様。早速のご回答ありがとうございます。貴殿のお考えは理解いたしました。私の考えは以下のとおりです。 英国は米国と異なり国会主権をとっているので、同じ法の支配をとっていても違憲立法審査制を導入する余地がありません。日本国憲法が違憲審査制をとっているのは、源流は英国法にあってもやはり米国法を継受したからです。また、日本は民法・商法・民事訴訟法・刑法は大陸法、憲法、会社法、刑事訴訟法は英米法でしかも解釈運用は大陸法流に従っている変な国なので、○○法系のところで書くことに違和感があります。二人だけで議論しているのはもったいないので、貴殿に異存がなければ以上の議論は英米法のノートに転記したいのですが、いかがでしょうか?--Pirosiki 2009年8月21日 (金) 06:44 (UTC)[返信]

こんにちは。おっしゃるとおりですが、わたくしが申し上げたいのは英米法の影響が有ると言うだけです。英米法のノートに移しましょう。但し、それほど議論するほどのことではと思うのですが。--ウィキ豊 2009年8月21日 (金) 06:55 (UTC)[返信]

以上の経緯で転記しました。英米法の影響があることは何ら否定しません。が、かつて日本が英米法の名の下に両者をひとくくりにしたことの問題点を考えるとやはり区別したほうがよいと思います。--Pirosiki 2009年8月21日 (金) 07:25 (UTC)[返信]

ウィキ豊です。改めて英米法の日本法への影響を入れた趣旨は、終戦後、憲法以下、さまざまな諸法令が英米法の影響を受けたからです。確かに直接にはアメリカ法です。但し、判例法を重んじるのは英国法以来の伝統です。現行法の裁判所法10条但書3号は最高裁判所の法解釈適用の判例の変更は大法廷へ回付する規定ですが、これは上級審判例の変更を難しくするためです。日本法に判例法文化が明文で導入された例と言えると思います。これもアメリカ法の影響ですが、この判例法文化は明らかに立法府が制定した成文法ではない法(判例法はこれに該当すると思われる)も法として認めるルールオブロー(法の支配)の世界の英国法が源流です。大陸法的な法治主義とは異なりますね。ただ、英米ではコモンセンスとも言える判例法に明文の規定を必要とすることそのものは大陸法的であると言う皮肉も有り得ますが。また、英米法か大陸法かの対立は明治以来、明治時代の法律学校の表にあるように諸大学が対立した点でした。この表では、大陸法をフランス法とドイツ法に分けていますが、英米法を分けていません。ここの大学の英米法の大半は大英帝国の衰退以前の時代背景を考えると英国法であると思いますが、この表の作成された方は英国法と米国法を分離していません。アメリカ法を英国法と分離する必要性を感じなかったのでしょう。--ウィキ豊 2009年8月21日 (金) 08:47 (UTC)[返信]
ウィキ豊です。このほかにもアメリカ法ではなく英米法に入れたい理由が有ります。それは日本国憲法の1章天皇の規定、すなわち、1条乃至8条の規定です。アメリカ法には国王や皇帝についての規定が有りません。アメリカ合衆国が共和国だからです。連合国軍総司令部はアメリカ法に基づいて天皇制の規定を作ることができませんでした。憲法1条の象徴という言葉は、連合王国(イギリス)の王(現在は女王)をsymbolという単語で表現する英国法文化の影響でしょう。憲法4条1項の「国政に関する権能を有しない」とは、ハノーヴァー朝のグレートブリテン王国で「君臨すれども統治せず」という慣習法が成立したことがルーツでしょう。また、現在、総選挙の真っ只中ですが、麻生太郎総理は憲法7条3号に基づいて天皇の国事に関する行為として衆議院を解散したからですね。内閣総理大臣の衆議院の解散の法は英国法には有ります。連合王国首相が王の解散権の行使を願い出ることにより庶民院を解散するそうですね。アメリカ法には大統領が連邦議会を解散する法(成文法・不文法を問わず)は無いでしょう。この日本国憲法における天皇制の規定は、アメリカ法では有り得ず、英国法の影響が色濃く見えます。また、これはかつてのドイツ帝国やフランス王国(ブルボン朝ボナパルト朝を問わず)の大陸法ではなく、北欧の国王の規定でもありません。やはり英米法の影響で良いと思われます。--ウィキ豊 2009年8月21日 (金) 12:46 (UTC)[返信]

Pirosikiです。前提となる法的知識について説明させていただきます。まず、英米法という法体系は存在しません。英米法というのは、正確には英米法「系」という英国法とか米国法とかオーストラリア法とかニュージーランド法とか南アフリカ法というレベルの特定の法体系を大陸法と比較した場合の共通項をくくりだした抽象的な類概念なのです。>「この表では、大陸法をフランス法とドイツ法に分けていますが、英米法を分けていません。」のはそのとおりですが、それが学問として間違っていたというのが現在の通説で戦前の日本の英国法・米国法の研究は遅れていて両者を同じように考えていたことのが誤りだったと伊藤正己・木下毅「アメリカ法入門」に書いてありますので、ご確認ください。つぎに、>「判例法を重んじるのは英国法以来の伝統です。現行法の裁判所法10条但書3号は最高裁判所の法解釈適用の判例の変更は大法廷へ回付する規定ですが、これは上級審判例の変更を難しくするためです。日本法に判例法文化が明文で導入された例と言えると思います。」とありますが、日本法の歴史で判例が事実上の法源とされるきっかけをつくったのは、大正期に米国に留学した末弘厳太郎です。貴殿の博識には尊敬の念を禁じ得ませんが、少なくとも法的知識に関する限り専門とはいえないかと推測される次第です。以上を前提に判断しますと「国家の根本規範が英米法化したため、一部の法律は英米法風に改正がなされた。代表的なものに刑事訴訟法がある。」という記述に出典はだせない可能性が高いと思います。実際に現在の日本の刑事訴訟法は、明確に米国法を継受しているのですが、実際の運用は大陸法系に従った運用がなされています。このことは渥美東洋先生の刑事訴訟法に書いてあるのでご確認ください。私が英米法ではなく、米国法で書くべきでないかというのは上記の限りの意味です。従いまして、貴殿の指摘される日本国憲法の議院の解散権が英国法を継受した、したがって、現在(貴殿の言葉でいう)英米法の影響を受けているという文献があれば、英米法に残すことは何ら異存がありません。ただ、私は、そのような文献を知りませんので、ご教示いただければ幸いです。--Pirosiki 2009年8月21日 (金) 16:32 (UTC)[返信]

こんにちは。ウィキ豊です。建設的議論ならば大切にしたいと思います。>「大陸法と比較した場合の共通項をくくりだした抽象的な類概念」についてですが、まさにこれが帰納法をとる英米文化です。独仏文化は演繹法ですので体系になっています。しかし、連合王国は演繹法文化の中ではなく帰納法文化の中にありますので、英国法・米国法・豪州法・ニュージーランド法などをひとつの体系でくくって英米法体系と呼ぶことの問題だけでなく、体系の無い英国法そのものも法体系と呼ぶには無理があると思います。英米の法律を体系化することに無理が有りますが、ローマ法以来の大陸法の系統ではない西洋法の法の世界を英米法というと言っても過言では無いと思います。アメリカ法のみならず英国法の法文化も同時に流入したという認識に誤りが有るのでしょうか。わたくしは大学に在籍しておりませんので伊藤正己・木下毅「アメリカ法入門」は目にできる環境にありません。>末弘厳太郎先生の件ですが、これはあくまでも法学の学界の内部問題です。末弘先生は判例法を生きた法として日本の学界に紹介された方で偉大な方でしょう。しかし、法の運用の世界では制定法の規定が大きいと思います。偉大な学者の説で学界は動きますが、実務の世界は明文の規定が無ければなかなか偉大な法理論も運用されません。裁判所法10条但書3号を国会が定めたのは昭和憲法が英米法文化の中で制定されたと国会が判断したからではないでしょうか。もちろん、制定法が無ければ納得できないと言う意見こそ大陸法文化に染まっていると連合王国や合衆国では皮肉を言われるかもしれませんが。>刑事訴訟法は確かにアメリカ法の影響の制定でしょう。英米法系の制定法の例として裁判所法10条但書3号を持ち出すことと異なり、刑事訴訟法は例としてはアメリカ法の所へ置くべきかもしれません。>日本国憲法の議院の解散権が英国法を継受したかの点ですが、芦部信喜「国家と法Ⅰ」憲法 財団法人放送大学教育振興会によりますと第13章統治の機構(2)—内閣 3議院内閣制 『議院内閣制の本質』の項目にイギリスの政治形態の「主要な特徴」として②に「元首の議会解散権」という議会への抑制手段が「議会の内閣不信任決議権」という内閣への抑制手段とともに記述されております。次の『日本国憲法における議院内閣制』の項目には均衡を重視するイギリス型か民主的コントロールを重視する(第三共和制)フランス型かは憲法上は明確ではないと書かれています。運用の実態からイギリス型としているだけで、フランス第三共和国型の解釈も可能としております。これでは答えにならないとおっしゃる向きもお有りとは思いますが、なまじ、英国法では明文の規定はそれほど重要ではなく運用による慣習法の形成を認めますので、イギリスの「元首の議会解散権」を内閣が事実上行使する英国法と同じく、憲法7条3号を「天皇の議会解散権」を内閣が助言と承認により行使する規定と解釈する慣習法は事実上できていると言う見方も有ると思います。憲法 (芦部信喜)のベースになった本ではあってもこの芦部先生の薄っぺらい本では文献としてはご不満でしょうか。かつては司法試験受験生の基本書とされた本ですが。--ウィキ豊 2009年8月22日 (土) 03:11 (UTC)[返信]

こんにちわ。ウィキ豊様。週末は田舎に帰っていたので若干返事が遅れました。すみません。アメリカ法入門は一般書籍で3000円程度の安い本ですので、お手元一冊にあってもよい本だと思います。アメリカ法入門に併せて本文を修正しましたので、ご確認ください。なお、英米法は極めて誤解の多い法分野で法律実務家でも理解していない人が大勢いますので、今後、編集なさる方のために若干補足説明させてください。大陸法系というのも、英米法と比較した場合の、ドイツ法とか、フランス法の共通項をまとめた類概念です。英米法、正確にはコモンローの法域では、その法域に属する判例が一つの矛盾のない体系性を有しており、制定法がこれを補充するという役割を有しています。裁判所法は英米法流の判例拘束力を規定したものだという学説はなく、日本では、判例は事実上の法源にすぎず、拘束力も事実上のものにすぎないというフランス法と全く同じ結論をとるのが通説です。--Pirosiki 2009年8月23日 (日) 04:53 (UTC)[返信]

こんにちは、Pirosiki様。ウィキ豊です。英米法の理解の進まれたお方の修正は快く受け入れます。あまりに学界(訂正--ウィキ豊 2009年8月25日 (火) 09:07 (UTC))の動向を知らぬ者の数々の発言、どうぞお許し下さい。これを機会に勉強させて頂きます。--ウィキ豊 2009年8月23日 (日) 08:26 (UTC)[返信]

統合提案

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日本で伝統的に、「シビル・ロー」を「大陸法」と呼ぶのと同じように、「コモン・ロー」を「英米法」と呼んで来ました。
両者は、基本的に同じ概念であり、Wikipedia英語版の記事も「Common law」1つだけですから、「エクイティ」のことを視野に入れても、
Wikipedia日本語版で2つの記事に分かれているのは、不合理です。
他どの言語版を見ても、そんなことをしているのは、日本語版のみです。
よって、英米法ノート / 履歴 / ログ / リンク元の、コモン・ローノート / 履歴 / ログ / リンク元への統合を提案します。--240F:111:D94F:1:B98D:A966:CEF8:8599 2020年6月25日 (木) 09:50 (UTC)[返信]

反対 現在の英米法は、大陸法との対比及びコモン・ローとエクイティからなるという概説です。ここにコモン・ローだけ統合して、エクイティは別項目というのバランスを欠きます。コモン・ロー及びエクイティをエクイティを英米法に統合して、全体の集大成という提案ならまた考慮します(主として分量の問題になります)--Customsprofesser会話2020年6月29日 (月) 01:38 (UTC)[返信]