ノート:調音方法
KAWARAGI Takehisaさんの編集で大幅な改訂がなされましたが、いろいろ疑問に思う点がいくつかあります。まず中線的と側面的は摩擦音と接近音での対立と思っていましたが(前の版まではそうなっている)、KAWARAGI Takehisaさんの編集ではそれが鼻音以外の全般に当てはめられました。そこにある側面破裂音といった音が本当にあるのでしょうか?見たことのない述語がたくさん並んでいますので、それについて調べられるよう参考文献を挙げていただけるとありがたいです。222.149.166.21 2006年1月20日 (金) 00:52 (UTC)
- 222.149.166.21さん。ご指摘ありがとうございます。ご指摘の通り、中線的・側面的という用語は、一般的には、舌の先を上顎部に接し、気流を舌の側面を通過させる側面音‐側面接近音や側面摩擦音‐の存在する接近音、摩擦音における対立概念として使用され、その他については言及されないのが通例であると思います。ただ、ここでは調音方法を分類する指標の1つとして、それが中線的(気流が口腔内の中線あるいは全面を通過する:中線接近音、中線摩擦音はこれに相当する)か側面的(気流が上顎部に接した舌の側面を通過する)かを区別するために用い、対立概念が存在するか否かは問題にしませんでした。
- 側面破裂音は側面開放音というほうが一般的かも知れませんが、例えば、英語のsettleとかmiddleの-tl-や-dl-を発音するとき、舌先を上顎部につけたまま舌の側面のみを開放する調音方法に現れ、最後の部分は側面接近音になります。似たような調音法がchannelの-nel-の部分に現れますが、これは側面破裂鼻音とでも言うのでしょうか。
- 最後に参考文献ですが、恥ずかしながら参考文献はほとんど読んでおりません。ここにある内容は、ほとんどがWikipediaで得られた知識を基にしております。内容、用語などについて問題があれば、より適切なものに改定してくださるようにお願いします。なお、内容が重複していますが、後半の節「調音方法の分類と命名」も参考になるかもしれませんので、こちらもご覧下さるようお願いします。
- KAWARAGI Takehisa 2006年1月20日 (金) 06:31 (UTC)
参考文献が提示できない以上、内容が適当か判断できないため、「より適切なものに改定」しようにも手のつけようがありません。「一般的には…ここでは…」と言われますが、なぜ一般的でない使い方をわざわざするのでしょうか?その用語や定義などが既存の文献で確かめられ、ある程度、市民権を得ているかといったことが検証できないかぎり、その編集に正当性があるとはいえないでしょう。KAWARAGI Takehisaさんが勝手に用語や定義を作っているのではないかと思われてしまいますよ。また全体に渡る大胆な改訂をなさいましたが、それまでの執筆者もちゃんとした意図があり、何らかの根拠をもって書いているはずです。編集方針を大きく変換するのなら、ノートなどで間違いを指摘したうえで改訂すべきで、自分の編集方針に合わないからといって勝手に削除すれのはそれまでの執筆者を無視することになるでしょう。また何度も改訂を繰り返していらっしゃいますが、問題があるものは最初から記載すべきではなく、最初から根拠があって適当なものを記載すべきではないでしょうか。
一旦、「2005年11月22日 (火) 13:05 の版」へ差し戻すことを提案します。222.149.166.21 2006年1月21日 (土) 02:14 (UTC)
- 222.149.166.21さんへ
- 参考文献の提示がなければ内容が適切かどうか判断できないとは、信じられません。この記事は特定の文献の内容について書いているわけではありませんから、文献の提示がなくても、読む方が多少の音声学についての知識があれば、それなりの内容の理解と判断は可能であると思います。
- 「一般的には…」といったのは、用語の使われ方、現れ方の頻度を指していったのであって、一般的な定義であるといったのではありません。通常、中線音が現れるのは、側面音を説明する時にその対立概念として説明する場合であって、その他の場合ではほとんど言及されません。しかも、対立する側面音のある中線的な調音法ですら、例えば「(中線)接近音」の場合でも「中線」を省略して単に「接近音」と称するのが普通であって、ましてや対立する側面音のない調音法にはたとえ中線的であっても「中線」が付けられることは殆どありません。しかし、対立する側面音がないからといって、あるいはそのことに言及されないからといって、中線的な調音法が中線的でないわけではありません。対立する側面音がなくても、中線音は中線音です。
- 「ここでは…」といったのは、調音法を分類する必要のために、その調音法が中線的であるか、側面的であるかを区別する目的で、「中線」・「側面」の対立の有無とは無関係に、定義に照らして「中線」・「側面」の概念をすべての調音法に適用したことを指したのであって、勝手に用語や定義を作ったわけではありません。ただ、普段目にすることがあまりない「中線」があるために、奇異に感じられることがあるかもしれませんが、以上の意図はご理解いただけるものと思います。
- また、この分類表は前の執筆者が調音法を統一的に分類し、説明しようとしたものであることを十分に理解した上で、他のWikipediaの記事との整合性も考慮して、さらに一般化しようとしたものです。結果としては、大幅な改定となってしまいましたが、決して前の執筆者の編集意図を無視したり、踏みにじったりしたものではないということをご理解いただきたいと思います。
- なお、何度も改定を繰り返したのは、記入誤りの訂正、分かりにくい表現の修正、記入忘れの追加などを行ったものであって、最初から根拠のないことを記載したためではないことも申し添えます。
「対立する側面音がなくても、中線音は中線音です」というのは当然のことです。問題点は対立にあるではなく、隙間による調音方法である接近音や摩擦音以外にも適応したことです。例えば、『日本語音声学入門』(斎藤純男、三省堂、1997年)23ページに「[t](タの子音)隙間はなく、中線的・側面的の区別はなし [s](サの子音)真ん中に隙間がある 中線的 [l](英語などのエル)脇に隙間がある 側面的」と書かれています。以前の版では隙間による調音方法と閉鎖による調音方法がきちんと分けられていました。KAWARAGI Takehisaさんの編集ではその体系を大きく崩すことになります。ですから、中線・側面を閉鎖による調音方法でも使うのか、側面破裂音や側面開放音という分類が本当にあるのか、その根拠を示してくださいと言っているのです。同じ土壌に乗らないかぎり編集しようにも編集できません。222.149.166.21 2006年1月23日 (月) 01:42 (UTC)
- 222.149.166.21さんへ
- あなたの疑問が分かりました。側面破裂音または側面開放音が存在するのか、ということですね。これについては、Wikipediaの「破裂音」のページをご参照ください。「鼻腔開放音」、「側面開放音」についての記述があります。あなたが引用された文献は書名が「日本語…」となっていますから、日本語に存在しない「側面開放音」のような調音法は説明する必要がないため、そのような定義をされているのかもしれません。
- 破裂音の調音過程は、閉鎖の形成、閉鎖の持続、閉鎖の開放(破裂)の3段階に分けることができ、最初の2段階目までは調音気流が生じないので「側面」、「中線」の区別を定義できませんが、最後の破裂の段階ではじめて気流が生じ「側面」、「中線」を定義することができます。破裂音の最初の2段階で終わる調音法(無開放閉鎖音)を含めて破裂音とする場合は、「側面」、「中線」を定義するのは無理があります。この本文では、無開放閉鎖音は破裂音と別にし、口腔内の気流の通り道を「なし」としました。
私の書いた文章をよく読んでください。「側面破裂音または側面開放音が存在するのか」ということを疑問に思っているのではありません。側面的・中線的の区別を隙間による調音方法以外の分類に適用することを問題視しているのであって、それは以前までの編集方針と大きく違うと言っているのです。IPAでも側面・中線は摩擦音・接近音に限定しています[1]。KAWARAGI Takehisaさんがおっしゃっている例が破裂音の側面開放であることは知っています。しかし、それを側面開放音(側面破裂音)といった音の分類とすることを私は知りません。ですから、参考文献で確かめられる定義や用語を挙げてほしいのです。(ちなみに私の挙げた参考文献はできるだけ日本語の例を中心に据えて音声学を概説しているという趣旨の本であって、側面開放についても当然載っています)222.149.166.21 2006年1月23日 (月) 05:15 (UTC)
- 222.149.166.21さんへ
- 大変失礼しました。中線・側面を破裂音の開放時の気流に当てはめたのは、私の大きな誤解でした。ご指摘に感謝します。編集内容の確認に不備がありましたので、222.149.166.21さんの提案された、一旦、「2005年11月22日 (火) 13:05 (多分2005年11月24日 (木) 11:10の誤り)の版」へ差し戻すことに同意します。