ノート:軟口蓋接近音
表示
日本語「わ」の子音という記述を削除
[編集]出典不明のため削除。削除する根拠は以下のとおりである。特に神山孝夫は日欧比較音声学を専門とし、その記述には一定の信頼がおける。
- 斎藤 (2006[1997])[1] p. 49、[ɰ] 有声軟口蓋接近音についての個別的音声の解説の項。他の音声には積極的に日本語での例を挙げているが、この音声の項には日本語の例を挙げていない。たしかに「唇を丸めないで日本語のワを言ったときの子音に近い」とあるが、いま述べたようにこの音の例として日本語を挙げてはいないから、この記述は日本語の「ワ」の子音を説明するものではなく、日本語のワの音を基準にしてこの音の特徴を説明したものにすぎないと考えるのが妥当である。
- 同上[1] p. 93、「ワ行の子音」。[ɰ] という表記ができるということに触れてはいるものの、「唇の丸めが少ないことに注目すれば」と留保があり、軟口蓋への接近という特徴から積極的にこの記号を選んでいるのではない。またここで斎藤自身 [w̜] を簡略表記した [w] の表記を選んで記述を進めている。要するに、単純な [ɰ]/[w] の音と日本語のワとは一致しないということが読み取れる。
- 神山「第Ⅰ章 日本語の音と音声学の基礎 その2」[2]、§69。神山 (2008) [3]について音声・映像データを補足するためのWebページ。「軟口蓋接近音:舌背が軟口蓋に接近します。日本語のワ行の子音だと言われることがありますが、まったく異なることがおわかりでしょう」と、ワ行子音の音とする説を否定している。
参考文献
[編集]- ^ a b 斎藤純男『日本語音声学入門 改訂版』三省堂、2006年[初版1997年]。
- ^ 神山孝夫「第Ⅰ章 日本語の音と音声学の基礎 その2」神山孝夫研究室「『脱・日本語なまり:英語(+α)実践音声学』(大阪大学出版会)解説と音声・映像データ」、2015年6月23日閲覧。
- ^ 神山孝夫『脱・日本語なまり―英語 (+α) 実践音声学』大阪大学出版会〈大阪大学新世紀レクチャー〉、2008年。