ノート:韓国の鉄道駅一覧/韓国語のカタカナ表記法
韓国語のカタカナ表記は次のようにする。
母音
[編集]- 「아」は「ア」、「어」と「오」は「オ」、「우」と「으」は「ウ」、「이」は「イ」、「애」と「에」は「エ」、「야」は「ヤ」、「여」と「요」は「ヨ」、「유」は「ユ」、「얘」と「예」は「イェ」、「위」と「의」は「ウィ」、「와」は「ワ」、「워」は「ウォ」、「외」「왜」「웨」は「ウェ」で表す。
子音
[編集]平音[1]「ㄱ」「ㄷ」「ㅂ」「ㅈ」が有声音になるときのみカタカナの濁音(ガ行ほか)で表し、それ以外の平音、濃音、激音はカタカナの静音(カ行ほか)または半濁音(パ行とピャ行)で表す。濃音、激音の前後に「ッ」をつけない。ただし発音が、母音+「ㅆ」+母音になる場合は「ッ」を加える[出典 1]。例:「아저씨」「アジョッシ」(おじさん)、「맞선」「マッソン」(見合い)。
- 「가」は「カ」、「거」と「고」は「コ」、「구」と「그」は「ク」、「기」は「キ」、「개」と「게」は「ケ」、「갸」は「キャ」、「겨」と「교」は「キョ」、「규」は「キュ」、「걔」と「계」は「ケ」[2]、「귀」は「クィ」、「긔」は「キ」[3]、「과」は「クァ」[4]、「궈」は「クォ」、「괴」「괘」「궤」は「クェ」で表す。[5]
- 濃音「까(カ)」以下、および激音「카(カ)」以下も、上記の平音「가(カ)」以下と同様に表す。
- 「다」は「タ」、「더」と「도」は「ト」、「두」と「드」は「トゥ」、「디」は「ティ」、「대」と「데」は「テ」、「댜」は「ティヤ」[4]、「뎌」と「됴」は「ティヨ」[4]、「듀」は「テュ」、「댸」と「뎨」は「テ」[2]、「뒤」は「トゥイ」、「듸」は「ティ」[3]、「돠」は「トゥア」[4]、「둬」は「トゥオ」、「되」「돼」「뒈」は「トゥエ」[4]で表す。[6]
- 濃音「따(タ)」以下、および激音「타(タ)」以下も、上記の平音「다(タ)」以下と同様に表す。
- 「바」は「パ」、「버」と「보」は「ポ」、「부」と「브」は「プ」、「비」は「ピ」、「배」と「베」は「ペ」、「뱌」は「ピャ」、「벼」と「뵤」は「ピョ」、「뷰」は「ピュ」、「뱨」と「볘」は「ペ」[2]、「뷔」は「プイ」[4]、「븨」は「ピ」[3]、「봐」は「プア」[4]、「붜」は「プオ」[4]、「뵈」「봬」「붸」は「プエ」[4]で表す。[7]
- 濃音「빠(パ)」以下、および激音「파(パ)」以下も、上記の平音「바(パ)」以下と同様に表す。
- 「자」は「チャ」、「저」と「조」は「チョ」、「주」と「즈」は「チュ」、「지」は「チ」、「재」と「제」は「チェ」、「쟈」は「チャ」、「져」と「죠」は「チョ」、「쥬」は「チュ」、「쟤」と「졔」は「チェ」、「쥐」は「チュイ」、「즤」は「チ」[3]、「좌」は「チュワ」、「줘」は「チュオ」、「죄」「좨」「줴」は「チェ」[8]で表す。[9]
- 濃音「짜(チャ)」以下、および激音「차(チャ)」以下も、上記の平音「자(チャ)」以下と同様に表す。
- 「사」は「サ」、「서」と「소」は「ソ」、「수」と「스」は「ス」、「시」は「シ」、「새」と「세」は「セ」、「샤」は「シャ」、「셔」と「쇼」は「ショ」、「슈」は「シュ」、「섀」と「셰」は「セ」[2]、「쉬」は「シュイ」[4]、「싀」は「スイ」[3]、「솨」は「スア」[4]、「숴」は「スオ」[4]、「쇠」「괘」「쉐」は「スエ」[4]で表す。
- 濃音「싸(サ)」以下も、上記の平音「사(サ)」以下と同様に表す。
- 「하」は「ハ」、「허」と「호」は「ホ」、「후」と「흐」は「フ」、「히」は「ヒ」、「해」と「헤」は「ヘ」、「햐」は「ヒャ」、「혀」と「효」は「ヒョ」、「휴」は「ヒュ」、「햬」と「혜」は「ヘ」[2]、「휘」は「フィ」、「희」は「ヒ」[3]、「화」は「ファ」[4]、「훠」は「フォ」、「회」「괘」「훼」は「フェ」で表す。
- 「마」は「マ」、「머」と「모」は「モ」、「무」と「므」は「ム」、「미」は「ミ」、「매」と「메」は「メ」、「먀」は「ミャ」、「며」と「묘」は「ミョ」、「뮤」は「ミュ」、「먜」と「몌」は「メ」[2]、「뮈」は「ムイ」[4]、「믜」は「ミ」[3]、「뫄」は「ムア」[4]、「뭐」は「ムオ」[4]、「뫼」「뫠」「뭬」は「ムエ」[4]で表す。
- 「나」は「ナ」、「너」と「노」は「ノ」、「누」と「느」は「ヌ」、「니」は「ニ」、「내」と「네」は「ネ」、「냐」は「ニャ」、「녀」と「뇨」は「ニョ」、「뉴」は「ニュ」、「냬」と「녜」は「ネ」[2]、「뉘」は「ヌイ」[4]、「늬」は「ニ」[3]、「놔」は「ヌア」[4]、「눠」は「ヌオ」[4]、「뇌」「놰」「눼」は「ヌエ」[4]で表す。
- 「라」は「ラ」、「러」と「로」は「ロ」、「루」と「르」は「ル」、「리」は「リ」、「래」と「레」は「レ」、「랴」は「リャ」、「려」と「료」は「リョ」、「류」は「リュ」、「럐」と「례」は「レ」[2]、「뤼」は「ルイ」[4]、「릐」は「リ」[3]、「롸」は「ルア」[4]、「뤄」は「ルオ」[4]、「뢰」「뢔」「뤠」は「ルエ」[4]で表す。
パッチム
[編集]パッチム[10]は次の音につながらない場合、発音により次のように表す。
- 【k】は「ク」、【p】は「プ」、【t】は「ッ」、【m】は「ム」、【n】と【ŋ】は「ン」、【l】は「ル」。
パッチムの表記の例外
[編集]- 【k】(パッチム)+【k】の場合は、最初の【k】を「ク」ではなく「ッ」で表す[出典 2]。
- 例: 「석계 (石渓)」は「ソクケ」ではなく「ソッケ」と表す。
- 【p】(パッチム)+【p】の場合は、最初の【p】を「プ」ではなく「ッ」で表す[出典 3]。
- 例: 「법복 (法服)」は「ポプポク」ではなく「ポッポク」と表す。
- 例: 「남부 (南部)」は「ナムブ」ではなく「ナンブ」と表す。
音の変化
[編集]連音
[編集]- 例: 「안암 (安岩)」は「アンアム」ではなく「アナム」と表す。
鼻音化
[編集]流音化(舌側音化)
[編集]【r】(または【l】)と【n】が隣り合うときに【l】【l】と変化(流音化)する場合があるが、これに関しては「聴覚の類似性」[出典 8](聴覚上の類似性)のため変化前の元の発音で表す[出典 8]。
口蓋音化
[編集]- 例: 「해돋이 (日の出)」は「ヘドディ」ではなく「ヘドジ」と表す。
【n】または【l】の挿入
[編集]複合語などで、あいだに【n】または【l】が挿入される場合は発音どおりに表記する[出典 10]。
「역 (駅)」の表記
[編集]- 母音+역のときは、「역(駅)」を「ヨク」と表す。
- 【l】以外の子音+역のときは、「역(駅)」を「ニョク」と表す。
- 【l】+역のときは、「역(駅)」を「リョク」と表す。
地名などの表記
[編集]地名などのカタカナ表記にあたって、とくに全体の発音を示す場合を除いては、行政区域、駅などの接尾語は連音させて漢字で表す[出典 11]。
- 注意: ただし洞(トン、ドン)、邑(ウプ)、面(ミョン)には読み仮名をつける[出典 11]。
- 例: 「안국동」は「アングク洞(トン)」、「효자동」は「ヒョジャ洞(ドン)」と表す。
漢字書きしない接尾語
[編集]- 道路を表す「路」と「길(キル)」は連音させて発音どおりに表す[出典 12]。
- 例: 「충정로 (忠正路)」は「チュンジョンノ」、「양재천길 (良才川キル)」は「ヤンジェチョンキル」と表す[14]。
- 新しい行政単位名が付いた昔の行政単位名はカタカナで表す[出典 13]。
- 例: 「원동면」は「ウォン洞面(ドンミョン)」ではなく「ウォンドン面(ミョン)」と表す。
普通名詞を含む名称の表記
[編集]地理に関する名称や公共施設名などのカタカナ表記にあたって、とくに全体の発音を示す場合を除いては、普通名詞の部分は漢字で表す[出典 14]。
- 例: 「지리산」「チリ山」、「인천국제공항」「インチョン国際空港」、「남대문 시장」「ナムデムン市場」、「탄천종합운동장」「タンチョン総合運動場」。
漢字書きしない普通名詞
[編集]- 接尾語としてのみ使う韓国語の普通名詞(寺、島、海など)および日本語として通用しない普通名詞(宮、江、嶺など)、さらに地名として慣用化した「門」はカタカナで表す[出典 15]。
- 次のように名称の途中に含まれる1字の普通名詞はカタカナで表す[出典 16]。
- 例: 「건대입구 역」は「コン大入口駅」ではなく「コンデ入口駅」と表す。
- 例: 「둔촌동 역」は「トゥンチョン洞駅」ではなく「トゥンチョンドン駅」と表す。
- 例: 「수락산 역」は「スラク山駅」ではなく「スラクサン駅」と表す。
人名の表記
[編集]人名の表記は慣用に従う。慣用の表記がない場合は「文教部告示」による人名の表記法[出典 17]があるが、慣用との整合性から人名に限っては「文教部告示」の人名表記法[15]によらずに、慣用の表記から類推される表記にする。
参考
[編集]- 「文教部告示の編修資料 II-3 の中の『韓国語の仮名文字表記法』」[出典 18]
- 外来語の表記 内閣告示第二号 文部科学省(日本)
- 油谷幸利ほか編 『朝鮮語辞典』 小学館、1993年 ISBN 4095157011 / ISBN 978-4095157016
脚注
[編集]以下の「注釈」と「出典」では、「文教部告示の編修資料 II-3 の中の『韓国語の仮名文字表記法』」、「外来語の表記 内閣告示第二号」を、それぞれ「文教部告示」、「内閣告示」と略記する。
注釈
[編集]- ^ 韓国・朝鮮語の子音で濃音・激音以外のもの。無気音。
- ^ a b c d e f g h 『朝鮮語辞典』(小学館)の「発音解説」 (p.1978) などを参考に、「文教部告示」による「キェ」に類する表記を「エ」段の表記に変更した。
- ^ a b c d e f g h i 『朝鮮語辞典』(小学館)の「発音解説」 (p.1978) などを参考に、「文教部告示」による「クィ」に類する表記を「イ」段の表記に変更した。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z 「文教部告示」による表記(「内閣告示」第1表および第2表に無し)を、『朝鮮語辞典』(小学館)の「発音解説」 (pp.1978-1981) を参考に、「内閣告示」第1表および第2表内の最適と思われる表記に変更した。
- ^ 有声音になるときは、それぞれ「ガ」「ゴ」のように濁音で表記する。
- ^ 有声音になるときは、それぞれ「ダ」「ド」のように濁音で表記する。
- ^ 有声音になるときは、それぞれ「バ」「ボ」のように濁音で表記する。
- ^ 「최 (崔〈姓〉)」を多く「チェ」と表記する慣用を考慮して、「文教部告示」による表記「チュエ」を「チェ」に変更した。
- ^ 有声音になるときは、それぞれ「ジャ」「ジョ」のように濁音で表記する。
- ^ パッチムは終声ともいう。ハングル1文字を構成する基本形「子音+母音+子音」のうちの終りの子音のこと。
- ^ 「ㄱ」、「ㄷ」、「ㅂ」、「ㅈ」のいずれか+「ㅎ」の場合に激音になる。
- ^ 『朝鮮語辞典』(小学館)の「発音解説」 (p. 1981)
- ^ 「서울-역 【서울력】」 국립국어원 표준 발음법 (国立国語院 標準発音法、韓国語) 2011年10月7日閲覧。
- ^ 「文教部告示」第3章、第3項、附記2の「例」参照。
- ^ 「文教部告示」第3章、第5項による人名の表記法に従うと「キム テジュン」「イ ピョンホン」「チェ チウ」「ジョン トヨン」のようになる。
出典
[編集]- ^ 「文教部告示」第2章、第2項、表4の付記。梅田博之 (1989年)。
- ^ 「文教部告示」第2章、第3項、表6の付記2 (1)。梅田博之 (1989年)。
- ^ 「文教部告示」第2章、第3項、表6の付記2 (3)。梅田博之 (1989年)。
- ^ 「文教部告示」第2章、第3項、表6の付記2 (2)。梅田博之 (1989年)。
- ^ 「文教部告示」第3章、第1項 (1)。梅田博之 (1989年)。
- ^ 「文教部告示」第3章、第1項 (3)。梅田博之 (1989年)。
- ^ 「文教部告示」第3章、第2項 (1)。梅田博之 (1989年)。
- ^ a b 「文教部告示」第3章、第2項 (4)。梅田博之 (1989年)。
- ^ 「文教部告示」第3章、第2項 (3)。梅田博之 (1989年)。
- ^ 「文教部告示」第3章、第2項 (2)。梅田博之 (1989年)。
- ^ a b 「文教部告示」第3章、第3項。梅田博之 (1989年)。
- ^ 「文教部告示」第3章、第3項、附記2。梅田博之 (1989年)。
- ^ 「文教部告示」第3章、第3項、附記3。梅田博之 (1989年)。
- ^ 「文教部告示」第3章、第4項。梅田博之 (1989年)。
- ^ 「文教部告示」第3章、第4項および附記2。梅田博之 (1989年)。
- ^ 「文教部告示」第3章、第4項、附記4。梅田博之 (1989年)。
- ^ 「文教部告示」第3章、第5項。梅田博之 (1989年)。
- ^ 梅田博之 「韓国語の片仮名表記」 (加藤彰彦 編 『講座 日本語と日本語教育 第9巻 日本語の文字・表記(下)』 明治書院、1989年 ISBN 4-625-52109-2 pp.28-57)で、「その全体を紹介」 (p.48) されたもの。当該部分は pp.48-56 に収録。