ノート:高等裁判所
(ここから) その格付けの順は,上記の順番(都市の規模順)であると言われている。
しかしながら,実質的な格付けの順は,実は少々異なるようだ。
例えば,最高裁判所判事(わずか15名しかいない)になる裁判官は,その任命の直前は, 福岡高等裁判所長官を歴任(踏み台に)している例が少なからず見受けられる。その点に限れば,東京や大 阪の高等裁判所よりも福岡の方が優遇重視されているともいえなくない。
また,名古屋高等裁判所(本庁)管内の人口及び弁護士の数は,福岡高等裁判所(本庁) 管内の人口及び弁護士の数よりも多い。すなわち,人口は,名古屋本庁管内1100万人であ るのに対し,福岡本庁管内は1040万人,弁護士数は,前者が約1100人,後者が約 930人である。ところが,そうであるにもかかわらず,名古屋高等裁判所本庁の部の 数(民事部)は4か部,福岡のそれの数(同)は5か部と,逆転現象が生じている。 いうまでもなく,弁護士が関与することは,裁判所における事件の処理が困難になること を意味するが,要するに,福岡高裁本庁管内の方が名古屋高裁管内よりも,処理体制 等の点で重点配備がなされていることになる。
以上のとおり,高等裁判所の格付けの順は,実質的には,大都市の規模の順とはやや異な るものと思われる。 (ここまで)
歴代最高裁判事のうち、裁判官出身者の直前のポストで東京高裁長官で、ついで大阪高裁長官です。とすると、東京・大阪より福岡が優遇重視されているとする根拠は特にないものとおもわれます。
管内人口数と民事部数の比較はなかなか興味深いものですが、統計的には事件数で比較をされる必要があるでしょうし、配置されている裁判官の数から言って、同時開廷可能な裁判体の数は同数ですからこれも適切な記述とはいえないでしょう。
さらに根本的な話をしますと、各高裁間に慣例上の序列はありますが、それ以上のものは存在しません。したがって、実質的にはどちらが上ということを百科事典として論じる意義は乏しいように感じます。Falcosapiens 06:19 2003年12月6日 (UTC)