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ノーム (数学)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

数学の分野、特に楕円函数論において、ノーム (nome) とは、次式によって与えられる特殊函数のことである。

ここに KiK ′ は1/4周期英語版(quarter period)であり、ω1 と ω2周期の基本ペア英語版(fundamental pair of periods)である。記号としては、1/4周期 K と iK ′ は通常、ヤコビの楕円函数(Jacobian elliptic functions)の文脈においてのみ用いられるが、1/2周期 ω1 と ω2ヴァイエルシュトラスの楕円函数の文脈においてのみ用いられる。ω1 と ω2 を1/2周期というより全体の周期を表すために使うアポストル(Apostol)のような著者も居る。

ノームは楕円函数やモジュラ函数が表す値として頻繁に使われる。その一方で、1/4周期が楕円モジュラスの函数であることから、函数として考えることもある。楕円モジュラス、1/4周期、従ってノームの実数値が一意に決まることから、この曖昧さが起きる。

函数 τ = iK ′/K = ω12 は、楕円函数の 2つの1/2周期の比なので、1/2周期比(half-period ratio)と呼ばれることもある。

補ノーム(complementary nome) q1 は、

で与えられる。

ノームに関連するさらなる定義や関係については、1/2周期英語版(quarter period)や楕円積分(elliptic integral)を参照すること。

ヤコビの楕円関数の場合のノーム関数の母数に対する値を数値として具体的に求めるのには、たとえば、

  • 山内二郎、宇野利雄、一松信:「電子計算機のための数値計算法III」培風館(1972).

の第11章:"楕円関数"の中の第11.2節:"ノームqの計算" に記述されている方法を用いることができる.

参考文献

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  • Milton Abramowitz and Irene A. Stegun, Handbook of Mathematical Functions, (1964) Dover Publications, New York. OCLC 1097832 . See sections 16.27.4 and 17.3.17. 1972 edition: ISBN 0-486-61272-4
  • Tom M. Apostol, Modular Functions and Dirichlet Series in Number Theory, Second Edition (1990), Springer, New York ISBN 0-387-97127-0
  • 山内二郎、宇野利雄、一松信:「電子計算機のための数値計算法 III」培風館(1972).