ハイアットリージェンシー空中通路落下事故
落下した2階通路と4階通路があった場所 | |
日付 | 1981年7月17日 |
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時刻 | 19:05 CDT (UTC−5) |
場所 |
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座標 | 北緯39度05分06秒 西経94度34分48秒 / 北緯39.085度 西経94.58度座標: 北緯39度05分06秒 西経94度34分48秒 / 北緯39.085度 西経94.58度 |
原因 | 構造の欠陥に由来する過負荷[1]:iii |
死者 | 114 |
負傷者 | 216 |
ハイアットリージェンシー空中通路落下事故(ハイアットリージェンシーくうちゅうつうろらっかじこ Hyatt Regency walkway collapse)とは、1981年7月17日に、アメリカ合衆国のミズーリ州カンザスシティのホテル、ハイアットリージェンシー・カンザスシティ内で起こった空中通路の落下事故である。114名が死亡し、216名が負傷した。事故当時において、建築物の崩落による事故としてはアメリカ合衆国で史上最悪のものとなり、世界で大きく報道された。
概要
[編集]1981年7月17日、現場ホテルのロビーではダンスコンテストが開かれ、およそ1600人の人々で混雑しており、一部の見物人はロビー上部の空中通路からダンスを見物していた。2階には約40人、4階には約20人が空中通路に立っていた。
ロビー天井吹き抜け部分の空中通路は2、3、および4階の位置に金属部品で吊り下げて設置してあり、そのうち4階部分は2階部分の真上に位置するように、また3階部分はそれより数メートル離れて設置してあった。設計図上では、4階と2階の空中通路は天井の梁と接続された吊り下げ金具によって吊り下げられる予定だったが、建設途中に無断で計画が変更され、2階の空中通路を支える吊り下げ金具が4階の空中通路の梁に接続されるように変更されていた。そのため、4階通路を支える梁に2階通路の重量が加わり、設計時に想定されていた2倍以上の負荷がかかり、積載荷重が0の時でも崩落の可能性があった。
19時5分頃、60人の見物客の重みで4階通路の梁が変形、天井からの吊り下げ金具との接続が外れ、4階通路に接続されていた2階通路と共に下のロビーに崩れ落ち、4階に居た人は10m下まで転落し、2階と真下のロビーに居た人は通路の下敷きになった。さらに、スプリンクラー配管の断裂によりロビーが冠水し、床面で下敷きになった生存者を溺死させた。 崩落した通路はあまりに重かったためフォークリフトでは持ち上げられず、窓を破壊して外からクレーンで持ち上げなければならなかった。111人が現場で死亡、216人が負傷。その後、病院で3人が死亡し、最終的な死者は114人となった[2]。事故当時はダンスコンテストを撮影するためカメラが回っていたが、一転して大惨事を記録することとなってしまった。
その後、このホテルは1983年までに500万ドルをかけて改修され、ロビーには吊り構造ではなく下から柱で支えられた空中通路が2階に再建された。ホテルは1987年にハイアットリージェンシー・クラウンセンターに改称された後、2011年にはシェラトン・カンザスシティ・アット・クラウンセンターへと再改称された。
またこの事故をきっかけに、アメリカ全土でより厳しい建築基準が設けられることとなった。なお、設計に関わった技術者たちはそのライセンスを剥奪されたが、刑事罰は免れた。
関連作品
[編集]映像作品
[編集]- ドキュメンタリー『衝撃の瞬間 ~番外編~』 「スカイウォーク崩壊」(ナショナルジオグラフィックチャンネル)
出典
[編集]- ^ Marshall, Richard D. et al. (May 31, 1982). “Investigation of the Kansas City Hyatt Regency Walkways Collapse”. NIST. Building Science Series (U.S. Dept. of Commerce, National Bureau of Standards) 143. オリジナルのJuly 17, 2021時点におけるアーカイブ。 July 14, 2021閲覧。.
- ^ Friedman, Mark (2002). Everyday crisis management: how to think like an emergency physician. First Decision Press. p. 134. ISBN 978-0971845206
外部リンク
[編集]- ホテル ハイアット リージェンシーの空中通路設計ミス - 失敗知識データベース
- 歴史から学ぼう!! 設計失敗学-ハイアットリージェンシー空中通路落下事故- - しぶちょー技術研究所