ハイエンドマスターモデル
ハイエンドマスターモデル (HIGHEND MASTER MODEL) は、コトブキヤとタカラトミーのコラボレーションによるプラモデルシリーズ。玩具シリーズ『ゾイド』を1/72スケールプラモデルキットとしてリメイクしたものである。後にゾイドの派生シリーズに当たる『装甲巨神Zナイト』からも製品化された。略称は「HMM」。
概要
[編集]かつてゾイド関連のフィギュアやスタチューの原型製作を担当し、スーパーロボット大戦シリーズ・アーマードコアシリーズの展開でプラモデルシリーズのノウハウを積んだコトブキヤが2006年11月、製品第一弾のシールドライガーから展開を開始した[1]。なお、企画・製作・販売は全てコトブキヤが行い、タカラトミーはライセンス許諾を認めているにとどまる。
元々は2001~2003年ごろに食玩ブームやアクションフィギュアブームと、それによる大人層の玩具ファンが増えていたことを受け、トミー向けの企画としてスタート。その後、2004年~2005年にトミー側のゾイド企画として『ゾイドフューザーズ』や『ゾイドジェネシス』が開始されたことから一旦は見送りとなり、アニメ終了後はトミーにおけるゾイド展開も縮小傾向にあったことから、展開をコトブキヤが引き継ぐ形となった[2]。タカラトミー製ゾイドシリーズに比べ、パズル的な組み立てキットを目指したとされている[1]。機体リファインはメダロットのデザインを手掛けたまるかた(片平まさし)が担当[3]。片平によれば、デザインアレンジのコンセプトは「惑星Ziの実物ゾイド」というオーダーだったとしている[4]一方で、初期のHMMシリーズキットには車の意匠が取り入れられているとも語っている[2]。手動ギミックに関してはタカラトミー版をほぼ完全に継承しつつ、HMM独自のギミックも盛り込まれている。例としてゾイドコアの再現は当シリーズ共通のものとなっている[5]。
武器などを装着するハードポイントは、タカラトミー版と同じ3ミリ径ながら凹凸の向きが逆転している。これはモデリングサポートグッズやフレームアームズ他コトブキヤの製品の共通規格で、相互流用による高いカスタマイズ性を実現している[6]。
本シリーズはコトブキヤ製プラキットで初めてABS素材を本格導入した商品となる[1]。その際のノウハウは後に同社が発売するMSGにも生かされたという[7]。接着剤不要のスナップフィットモデルであるが、組み上がりの観点から接着剤の使用が推奨されている[8]。
ブレードライガー(バン仕様)などアニメシリーズを由来とする機体を除き、ゾイドバトルストーリーやテレビアニメの版権を有する小学館(SHO-PRO)のクレジットが無い。そのため、説明書にはトミー版キットやアニメを援用しつつも異なるオリジナルストーリーが掲載されている。当初の解説ストーリー執筆者はプロモデラーのヤマザキ軍曹が担当[4]。2017年発売の『ストームソーダー』以降はフリーライターの府中本町伍長が担当している[2][9]。製品化のペースは比較的緩やかだが、タカラトミー版では製品化されなかったバリエーション機体も展開されており、さらにコマンドウルフLCゼネバス仕様機やモルガAA&モルガキャリアのようなHMMオリジナル機体も存在する。恒常的にラインナップが維持されているわけではなく在庫が途絶したものもあるが、断続的に再生産が行われており、直営店では限定製品(シールドライガー用の二連ビームキャノンなど)の販売や特典のサービスも行われている。過去にも製品のボックスアートを用いた卓上カレンダーや同社製品のフライングベース3をヘリック共和国とガイロス帝国の国章を描いたオリジナル版を配布したこともある。
2013年12月のゴジュラスの発売をもってHMMシリーズ第一章が終了がアナウンスされたが、代わって新シリーズとして装甲巨神Zナイトが始動し、第一弾のZナイトが発売される。またこの間も既存製品の再生産は続けられた。2014年12月にZナイトシリーズ第2弾マリンカイザーが予約開始までされながら発売中止となる告知があったが[10]、2015年2月よりゾイドシリーズ再開が宣言され、第一弾としてデススティンガーの商品化が発表。同9月にはデススティンガーの予約開始と、追ってマリンカイザーの予約再開がなされた。
2018年1月、イエローサブマリン店員のTwitterにHMMの出荷が停止するという情報が流れる(後に削除)。コトブキヤ側は否定も肯定もコメントしないまま、3月に新製品とまとまった数の再版がなされたものの、以後シリーズの動向は停止状態となる。しかし12月24日に到って、2019年4月のイベント開催と、そこでの新製品発表が告知された[11]。
2020年10月3日、オンラインイベント「エアスタンド・リバー会戦」開催[12]。
商品一覧
[編集]発売時期順。型式番号(型式番号なしの機体は無表記)・機体名・発売時期(初回販売のみ。再生産は除外)を記載。
ボックスアートは開田裕治、マーシーラビット、中北晃二が手掛けている。
ゾイド 1/72
[編集]- 001 RPZ-03 シールドライガー 2006年11月
- 002 RHI-3 コマンドウルフ 2007年06月
- 003 RZ-028 ブレードライガー 2007年11月
- 004 EZ-026 ジェノザウラー 2007年12月
- 005 RPZ-07 シールドライガー・マークII 2008年03月
- 006 EZ-016 セイバータイガー 2008年06月
- 007 RZ-042 コマンドウルフAC 2008年07月
- 008 EMZ-03 モルガ&モルガ(キャノリーユニット装着型) 2008年08月
- 009 EZ-016 セイバータイガー シュバルツ仕様 2009年01月
- 010 EZ-034 ジェノブレイカー 2009年02月
- 011 RMZ-27 カノントータス 2009年03月
- 012 EMZ-15 モルガAA&モルガキャリア 2009年09月
- 013 RZ-030 ガンスナイパー 2009年10月
- 014 RZ-013 バスタートータス 2009年11月
- 015 EZ-015 アイアンコング 2009年12月
- 016 RZ-028 ブレードライガーAB バン仕様 2009年12月
- 017 EZ-004 レッドホーン 2010年02月
- 018 RZ-030 ガンスナイパー ナオミ仕様 with ワイルド・ウィーゼルユニット 2010年03月
- 019 EPZ-003 グレートサーベル 2010年05月
- 020 EZ-035 ライトニングサイクス 2010年07月
- 021 DPZ-10 ダークホーン 2010年09月
- 022 RZ-041 ライガーゼロ 2010年11月
- 023 RZ-042 コマンドウルフLC&AC バラッド仕様 2010年12月
- 024 RZ-030 ガンスナイパー リノン仕様 2011年03月
- 025 RZ-010 プテラスボマー ジェミー仕様 2011年05月
- 026 RZ-041 ライガーゼロ シュナイダー 2011年06月
- 026 ライガーゼロ専用 シュナイダーユニット 2011年06月
- 027 EZ-026 ジェノザウラー レイヴン仕様 2011年08月
- 028 RZ-014 ゴドス 2011年11月
- 029 RZ-007 シールドライガー バン仕様 2011年12月
- 030RZ-041 ライガーゼロ イエーガー 2012年02月
- 030 ライガーゼロ専用 イエーガーユニット 2012年02月
- 031 DPZ-10 ダークホーン ハリースペシャル 2012年04月
- 032 RZ-041 ライガーゼロ パンツァー 2012年07月
- 032 ライガーゼロ専用 パンツァーユニット 2012年07月
- 033 EZ-049 バーサークフューラー 2012年08月
- 034 RZ-046 シャドーフォックス 2012年10月
- 035 EZ-034 ジェノブレイカー レイヴン仕様 2012年11月
- 036 RZ-031 ディバイソン トーマ仕様 2012年12月
- 037 EZ-026 サイコジェノザウラー 2013年04月
- 038 EZ-015 アイアンコング シュバルツ仕様 2013年06月
- 039 EZ-017 イグアン 2013年09月
- 040 RBOZ-003 ゴジュラス 2013年12月
- 041 EZ-036 デススティンガー 2015年12月
- 002 RHI-3 コマンドウルフ リパッケージ版 2016年03月
- 042 アイアンコング プロイツェンナイツ 2016年08月
- 043 ゴジュラス・ジ・オーガ 2016年12月
- 044 RZ-029 ストームソーダー 2017年11月
- 045 EZ-049 シュトゥルムテュラン 2018年03月
- 045 バーサークフューラー専用 シュトゥルムユニット 2018年03月
- 022 RZ-041 ライガーゼロ マーキングプラスVer. 2019年o4月
- 026 RZ-041 ライガーゼロ イエーガー マーキングプラスVer. 2019年05月
- 030 RZ-041 ライガーゼロ シュナイダー マーキングプラスVer. 2019年05月
- 032 RZ-041 ライガーゼロ パンツァー マーキングプラスVer. 2019年05月
- 033 EZ-049 バーサークフューラー リパッケージVer. 2019年06月
- 046 RZ-007 シールドライガーDCS-J 2019年11月
- 006 EZ-016 セイバータイガー マーキングプラスVer. 2019年12月
- 047 RMZ-11 ゴドス 旧共和国仕様 2020年01月
- 016 RZ-028 ブレードライガーAB 2020年02月
- 004 EZ-026 ジェノザウラー リパッケージVer. 2020年03月
- 019 EPZ-003 グレートサーベル マーキングプラスVer. 2020年4月
- 048 EZ-015 アイアンコングイエティ2020年06月
- 036 RBOZ-006 ディバイソン マーキングプラスVer. 2020年07月
- 020 EZ-035 ライトニングサイクス マーキングプラスVer. 2020年09月
- 025 RZ-010 プテラスボマー マーキングプラスVer. 2020年10月
- 010 EZ-034 ジェノブレイカー リパッケージVer. 2020年11月
- 049 RZ-030 ガンスナイパー ワイルドウィーゼル仕様 2021年01月
- 030 ライガーゼロ専用 イエーガーユニット マーキングプラスVer. 2021年02月
- 026 ライガーゼロ専用 シュナイダーユニット マーキングプラスVer. 2021年03月
- 032 ライガーゼロ専用 パンツァーユニット マーキングプラスVer. 2021年04月
- 034 RZ-046 シャドーフォックス マーキングプラスVer. 2021年05月
- 050 EZ-036 デススティンガーZS 2021年07月
- 051 EZ-027 レブラプター 2021年09月
- 052 EZ-027 レイヴェンラプター 2021年11月
- 053 EZ-054 ライガーゼロイクス 2021年12月
- 028 RZ-014 ゴドス マーキングプラスVer. 2022年01月
- 039 EZ-017 イグアン マーキングプラスVer. 2022年03月
- 001 RZ-007 シールドライガー マーキングプラスVer. 2022年05月
- 015 EZ-015 アイアンコング マーキングプラスVer. 2022年12月
- 054 EHI-7 レドラー ゼネバス帝国仕様 2023年02月
- 055 EZ-005 レドラー ガイロス帝国仕様 2023年03月
- 056 RZ-053 ケーニッヒウルフ 2023年07月
- 058 グリーンホーンAB 2023年10月
- 017 EZ-004 レッドホーン マーキングプラスVer. 2024年1月
- 034 RZ-046 ファイアーフォックス マーキングプラスVer. 2024年3月
- 060 RZ-002 ガイサック 2024年7月
- 021 DPZ-10 ダークホーン マーキングプラスVer. 2025年3月
- 061 RZ-009 コマンドウルフAC&LC マーキングプラスVer. 2025年4月
- 062 EZ-006 モルガ フルオプションセット 2025年5月
Zナイト 1/100
[編集]限定品
[編集]- 001 RPZ-03DS シールドライガー(デザート・タイプ) 2007年02月
- 002 EHI-3 コマンドウルフLC ゼネバス帝国軍仕様 2007年06月
- 003 RZ-028 ブレードライガーAB レオン仕様 2008年09月
- 002 Zi-024 コマンドウルフ アーバイン仕様 2009年06月
- 003 RZ-028 ブレードライガーミラージュ 2010年08月
- 019 EZ-016 セイバータイガーゴールド 2011年02月
- 001 シールドライガー RAMAR仕様 2011年07月
- 020 EZ-035 ライトニングサイクス アーバイン仕様 2013年02月
- 034 RZ-046 ファイアーフォックス 2013年10月
- ライガーゼロ CASセット クリアVer. 2014年08月
- 003 RZ-028 ブレードライガーAB レオン仕様 リニューアルVer. 2014年10月
- 002 Zi-024 コマンドウルフ アーバイン仕様 リパッケージ版 2015年05月
- 041 EZ-036 デススティンガー ヒルツ仕様 2015年12月
- 022 EZ-054 ライガーゼロ帝国仕様 2017年07月
- 044 RZ-029 ストームソーダー アーラバローネ仕様 2017年12月
- 045 EZ-049 シュトゥルムテュラン バーサークユニットセット 2018年03月
- EZ-026 ジェノザウラー ボーンカラーVer. 2019年07月
- RZ-030 ガンスナイパー ボーンカラーVer. 2019年07月
- 043 RZ-001 ゴジュラスガナー 2019年11月
- W001 ワイルドライガー紅蓮Ver. 2020年12月
- EPZ-003 サーベルタイガー CAカラーVer. 2020年12月/2021年01月
- 022 EZ-054 ライガーゼロ帝国仕様 マーキングプラスVer. 2021年12月
- 053 ライガーゼロ帝国仕様専用イクスユニット 2021年12月
- 057 RZ-053 ヘビーアームズケーニッヒウルフ 2023年08月
- 052 EZ-027 レブラプター夜警仕様 2023年09月
- 059 EZ-005 レドラー ブースターキャノン仕様 2024年2月
- 040 RBOZ-003 ゴジュラス マーキングプラスVer. 2024年4月
- 061 RMZ-04 グランチュラ 2024年12月
- 062 RMZ-012 ガイサック 旧共和国仕様 2025年4月
カスタマイズパーツセット
[編集]主にメッキ加工、クリアー成型の外装などのデコレーション用パーツ。塗装による再現が難しい色違いのクリアキャノピー等の他、一部追加武装などのカスタマイズパーツシリーズ。コトブキヤ直営店・通販及び各種イベントで販売。商品番号・商品名・発売時期を記載。
- 001 キャノピーセット(シールドライガー用) 2007年02月
- 002 ストライククローセット(コマンドウルフ用) 2007年07月
- 003 ストライククローセット(ブレードライガー用) 2008年02月
- 004 レーザーブレード&グレーキャノピーセット(ブレードライガー用) 2008年02月
- 005 ハイパーキラーファングセット(ジェノザウラー用) 2008年02月
- 006 放熱フィンセット(ジェノザウラー用) 2008年02月
- 007 セイバータイガーカスタマイズパーツセット(サーベルタイガー再現デカール付) 2008年06月
- 008 エクスブレイカー&レーザーチャージングブレードセット(ジェノブレイカー用) 2009年07月
- 009 関節キャップセット(大) 銀Ver. 2009年07月
- 010 関節キャップセット(小) 銀Ver. 2009年07月
- 011 ホロテックアーマーセット(シールドライガー用) 2009年07月
- 012 関節キャップセット(大) 金Ver. 2010年02月
- 013 関節キャップセット(小) 金Ver. 2010年02月
- 014 マルチブレードアンテナ・バイトファング&マルチパックカバー(ガンスナイパー用) 2010年02月
- 015 パイロットセット 金&銀 2010年02月
- 016 ライトニングサイクス バイトファング(銀メッキ) 2010年07月
- 017 ライトニングサイクス ストライクレーザークロー(銀メッキ) 2010年07月
- 018 ストライクレーザークロー&レーザーファング(ライガーゼロ対応) 2011年02月
- 019 関節キャップ 赤メッキ(ライガーゼロ対応) 2011年02月
- 020 CASタイプゼロアーマー パールVer.(ライガーゼロ対応) 2011年02月
- 021 ライガーゼロシュナイダー セブン・ブレード(銀メッキ) 2011年07月
- 022 プテラス旧共和国イメージカラー外装パーツ 2011年07月
- 023 シールドライガー用2連ビームキャノン 2011年12月
- 024 ライガーゼロ カスタマイズメッキパーツセット 2012年07月
- 025 バーサークフューラー カスタマイズメッキパーツセット 2012年8月
- 026 ジェノブレイカー レイヴン仕様 カスタマイズメッキパーツセット 2013年02月
- 027 シャドーフォックス&ファイアーフォックス カスタマイズメッキパーツセット 2013年10月
- 無番 ビームガトリングセット 2015年08月
- 無番 ゴジュラスキャノンセット 2016年12月
- 無番 パイルバンカーユニット 2021年11月
- 無番 ブースターキャノンセット 2023年03月
- 無番 デュアルスナイパーライフル&AZ5連装ミサイルポッドセット 2023年07月
- 無番 アタックブースターセット 2023年10月
ゾイドワイルド 1/35
[編集]脚注
[編集]- ^ a b c メディアワークス刊「電撃ホビーマガジン」2006年12月号 159頁 コトブキヤ・亀井貴文インタビュー
- ^ a b c 渡辺俊(編集)『ZOIDS ~ART OF HMM 2006-2020~』小学館、2020年9月、169-172頁。ISBN 978-4778038366
- ^ 『グレートメカニックDX31』双葉社、2014年12月、100-101頁。ISBN 978-4-575-46485-6
- ^ a b 『グレートメカニックDX19』双葉社、2011年12月、70-73頁。ISBN 978-4575464627
- ^ ただし、プテラス、ゴドスなどのゾイドコアは他と違って小さくされている
- ^ またタカラトミー版の武装も、プラ棒やランナーの切れ端などを短く切ったジョイントをかませて容易に装着できる。逆に凸同士となるHMMからタカラトミー版の流用はパーツ自体の加工が必須でハードルが高い
- ^ メディアワークス「電撃ホビーマガジン」2007年5月号 182頁 コトブキヤ・亀井貴文の寄せ書きによる
- ^ コトブキヤ「HMMシリーズ シールドライガー」組立説明書を参照
- ^ 2019年以後改版されたマーキングプラスVer.などのキットからは小プロの許諾表示がなくなり、ボックスアートや解説からアニメ・漫画などに係る記述が除かれている(カノントータスなど、元から小プロ許諾が無いキットはそのまま再販されている)。
- ^ 『Z・A01 TYPE-V マリンカイザー』発売中止のお詫びとお知らせコトブキヤ公式
- ^ HMMゾイド イベント「第二次スタンド・リバー会戦」開催決定!
- ^ “KOTOBUKIYA HMM ZOIDS EVENT エアスタンド・リバー会戦【11/12更新】”. KOTOBUKIYA. 2020年11月24日閲覧。