ハイランダー
ハイランダー(英語: Highlander)は、スコットランド北部のハイランド地方の住民。イギリスの軍隊では、ブラックウォッチやスコッツ・グレイなどの精鋭部隊を始めとするハイランド人で組織された連隊はハイランダーズ(Highlanders、高地(人)連隊とも)と呼ばれている。タム・オ・シャンターと呼ばれるベレー帽に似た帽子を被り、タータンチェックのキルトまたはズボンを履き、バグパイプ演奏者が随行することで有名である。
スコットランドにはもともとピクト人などが住んでいたが、古代から、南方からのローマ帝国、アイルランドやイングランド王国、それに北海の向こうのヴァイキング(ノルウェー人)などの軍事的、文化的侵略にさらされた。ローマ衰退とともにアイルランド北東部にいたスコット人が移住してピクト人、ブリトン人らを制圧していき、9世紀までにその優位がかたまりスコットランドと言われるようになったとされる。
スコットランド内部においても、とくに北方の僻地であるハイランドでは氏族制社会が長く続き、南方のイングランドと国境を接するローランドとは異なる文化的伝統を残した。独自の文化であるケルト文化やカトリックの信仰が保護、強調され、結果としてそれらは高い士気へと繋がった。
山岳部のために、外界と隔離までは行かないにしても交流が困難で、文明の浸透が遅く、生活環境が快適とは言いがたいハイランドでは、貧しい土地であったため、兵士を資源として提供し、傭兵としてイングランドやその他のヨーロッパ諸国へ赴くことが多く、イングランドにも貢献した。こうしたスコットランド人(ハイランド人)の勇猛さはイングランドだけでなく、その他のヨーロッパ諸国にも認められており、例えば15世紀フランスのシャルル7世が創設した近衛兵も、こうしたスコットランド人の部隊が最初だった。