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原ヘルス工業

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
バブルスターから転送)

原ヘルス工業株式会社(はらヘルスこうぎょう)はかつて存在した日本の家庭用超音波温水器販売メーカー。浴槽に取り付けるだけでジャグジー風呂になる超音波温浴器「バブルスター」シリーズの販売を行っていた[1]

概要

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社長の原全三郎(本名・原善三郎)は、成人向け雑誌の印刷や家庭用ラドン発生器の製造などを手掛けていた。原ヘルス工業は、泡風呂が疲労回復や神経痛リウマチに効果があると謳い、当初は代理店を介して販売していたが、原は会員制普及組織である「ヘルシィバンク協会」も設立した。会員のネットワークによる販売に切り替えることで売り上げは急速に上昇した[1]。曰く、この販売手法における最高の「スーパーゴールド会員」は1台(平均16万円)売れるたびに50%以上のマージンが転がり込む仕組みであった。善三郎の長男である浩一によれば「当時、ジャパンライフ豊田商事系のネットワークビジネスをやっていたやり手がごそっとバブルスターに移ってきた。これで、一気に売り上げが伸びた」と証言している。

テレビCMには原が自ら出演し、太宰久雄財津一郎と共演したり、CMソングに西城秀樹の「Try Today」(シングル「33才」B面に収録)を採用したり、山城新伍千葉真一梅宮辰夫松方弘樹北大路欣也[注 1]を起用するなど、1か月で2億円もの費用をかけて広告を展開した[1]

バブル景気真っ只中の1986年の段階で、原ヘルス工業の売り上げは500億円を超え、原は高級住宅地に居を構え、ロールス・ロイスを乗り回すなど[1][注 2]、順風満帆かに見えた[1]

しかし1989年12月、ヘルシィバンク協会が訪問販売法違反容疑で捜査を受ける。さらに入浴剤の成分が未承認だったことから、1990年に薬事法(現在の医薬品医療機器等法)違反で業務停止となった。韓国に16億円の小切手を送金していたことが発覚し、風評は急速に悪化。原ヘルス工業は170億円の負債を抱え、1991年10月に不渡りを出して事業を停止した[1]

事業停止後、原ヘルス工業はさまざまな組織に分裂した(ダンディライオン・フロンティアMIP・サンフラワー・グリーンプラネット・イッツ・ブルーフォックス・日本ベスト等)。警察に摘発された組織のなかには、のちに日本エコス・グリオなどさらに分裂したものもある。また、社員や会員は類似した商法をもちいるニュースキンなどに大量移籍をした。原は1991年3月に化粧品販売会社「ザ マイラ (The Maira)」を立ち上げたが、2008年10月に知人の結婚式に出席するために訪れていた香港で客死した[1]。原ヘルス工業の代表商品だった「バブルスター」は、ザ マイラが販売を継続し[1][2]、2023年12月29日まで販売されていた[3]

脚注

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  1. ^ 山城新伍が監督を務め、5人と渡瀬恒彦が出演した映画『せんせい』の予算(宣伝費)が超過してしまったため、同社CMの出演料で補填するために渡瀬以外の5人で出演した。
  2. ^ 「バブルスター ユーホー」のCMに原の運転するロールス・ロイスが登場する。

出典

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  1. ^ a b c d e f g h 週刊新潮 (2016年2月25日). “バブルスターで一世を風靡「原ヘルス」社長が「香港に死す」まで”. 新潮社. https://www.dailyshincho.jp/article/2016/02270510/?all=1 2021年5月25日閲覧。 
  2. ^ ザ マイラ 商品情報”. 株式会社ザ マイラ (2021年). 2023年5月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年5月26日閲覧。
  3. ^ ザ マイラ ホームページ”. 株式会社ザ マイラ. 2024年5月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年8月24日閲覧。

関連項目

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