コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

バリノール

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
バリノール
識別情報
CAS登録番号 16369-05-4 (DL), 2026-48-4 (L), 4276-09-9 (D)
PubChem 79019 (DL)
特性
化学式 C5H13NO
モル質量 103.16 g mol−1
外観 白色から黄色の結晶性粉末
密度 0.926 g/mL
融点

30 - 34 °C, 269 K, 1 °F

沸点

189 - 190 °C, 272 K, -121 °F

への溶解度 非常に溶けやすい
危険性
安全データシート(外部リンク) Sigma Aldrich[1]
GHSピクトグラム
GHSシグナルワード 警告(WARNING)
Hフレーズ H315, H319, H335[1]
Pフレーズ P261, P305+351+338[1]
引火点 90°C
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

バリノール(Valinol)は、アミノ酸バリンに由来する有機化合物である。この化合物はキラルであり、S-バリンが大量に存在するため、ほぼ全てS-異性体として合成される。アルカノールアミン(アミノアルコール)の1つである。

合成

[編集]

バリノールは、水素化アルミニウムリチウム等の強い還元剤[2]、または、水素化ホウ素ナトリウムヨウ素[3]を用いてバリンのカルボキシル基をアルコールに置換することにより得られる。どちらの場合も、生成するバリノールは短行程蒸留で精製される。

反応

[編集]

バリノールは、様々な方法によって、主にキラルなオキサゾリンを合成するために用いられる。これらのオキサゾリンは、不斉合成触媒リガンドとして用いられる[4]

関連項目

[編集]
  • (S)-iPr-PHOX - バリノールを用いて作られるオキサゾリンリガンド

出典

[編集]
  1. ^ a b c Sigma-Aldrich Co., 2-Amino-3-methyl-1-butanol. Retrieved on 2014-10-22.
  2. ^ Dickman, D.A.; Meyers, A.I.; Smith, G.A.; Gawley, R.E. (1990). “Reduction of α-Amino Acids”. Organic Syntheses 7: 530. http://www.orgsyn.org/orgsyn/prep.asp?prep=cv7p0530 11 October 2012閲覧。. 
  3. ^ McKennon, Marc J.; Meyers, A. I.; Drauz, Karlheinz; Schwarm, Michael (1993). “A convenient reduction of amino acids and their derivatives”. The Journal of Organic Chemistry 58 (13): 3568–3571. doi:10.1021/jo00065a020. http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/jo00065a020. 
  4. ^ McManus, Helen A.; Guiry, Patrick J.. “Recent Developments in the Application of Oxazoline-Containing Ligands in Asymmetric Catalysis”. Chemical Reviews 104 (9): 4151–4202. doi:10.1021/cr040642v.