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バーバラ・ピエール

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
バーバラ・ピエール Portal:陸上競技
選手情報
ラテン文字 Barbara Pierre
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
ハイチの旗 ハイチ
競技 陸上競技 (短距離走)
種目 60m, 100m
大学 アメリカ合衆国の旗 セント・オーガスティーンズ大学英語版
生年月日 (1986-04-28) 1986年4月28日(38歳)
出身地 ハイチの旗 ポルトープランス
身長 160cm
体重 52kg
成績
オリンピック 100m 2次予選5組5着 (2008年)
地域大会決勝 パンアメリカン競技大会
100m 2位 (2011年)
4x100mR 優勝 (2015年)
国内大会決勝 全米選手権
100m 2位 (2014年)
全米室内選手権
60m 優勝 (2013, 2016年)
自己ベスト
50m 6秒22 (2012年)
60m 7秒00 (2016年)
100m 10秒85 (2013年)
200m 23秒23 (2010年)
獲得メダル
陸上競技
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
世界室内選手権
2016 ポートランド 60m
パンアメリカン競技大会
2015 トロント 4x100mR
2011 グアダラハラ 100m
2011 グアダラハラ 4x100mR
2015 トロント 100m
北中米カリブ選手権
2015 サンホセ 100m
2015 サンホセ 4x100mR
ハイチの旗 ハイチ
中央アメリカ・カリブ選手権
2008 カリ 100m
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2016年ポートランド世界室内選手権 (中央)

バーバラ・ピエールBarbara Pierre1986年4月28日 ‐ )は、ハイチポルトープランス出身の陸上競技選手。専門は短距離走60mで7秒00(室内世界歴代10位タイ)、100mで10秒85の自己ベストを持つ。2016年ポートランド世界室内選手権女子60mの金メダリストである。

ハイチ生まれアメリカ育ちのスプリンター。ハイチとアメリカの2重国籍を持ち、2008年北京オリンピックにはハイチ代表として出場した。2011年からはアメリカ代表として国際大会に出場し、世界室内選手権パンアメリカン競技大会などでは金メダルを獲得する活躍を見せているが、アメリカ代表としてオリンピック世界選手権に出場した経験はない。2013年モスクワ世界選手権では女子4×100mリレーのメンバーに選出されたが、補欠のため出番はなかった。

経歴

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ハイチに生まれたが、5歳の時にアメリカに移り住んだ[1]。陸上競技は高校生の時に開始[2]

大学時代

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セント・オーガスティーンズ大学英語版に在籍し、2007年から2010年の間に全米学生選手権(NCAA選手権)2部で6つの個人タイトルを獲得した。その内訳は、全米学生選手権2部女子100mで2回(2007年と2008年)、全米学生室内選手権(NCAA室内選手権)2部女子60mで3回(2007年と2008年と2009年)、女子200mで1回(2008年)[3]。また、2009年の全米学生選手権2部女子100mでは11秒18(+1.4)の大会新記録を樹立し、1993年にチャンドラ・スターラップが樹立した記録を16年ぶりに塗り替えた[4]

2008年にはハイチ代表として国際大会に出場。7月の中央アメリカ・カリブ選手権英語版女子100mでは銅メダルを獲得し[5]、8月の北京オリンピック女子100mでは2次予選まで進出した[6]

2011年

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10月のパンアメリカン競技大会に初めてアメリカ代表として出場すると、女子100mは優勝したロサンジェラ・サントス英語版に0秒03及ばず、11秒25(-0.2)の2位で国際タイトルを惜しくも逃した[7]。2走を務めた女子4×100mリレーはブラジル(42秒85)に敗れたが、43秒10で銀メダル獲得に貢献した[8]

2012年

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2月の全米室内選手権女子60mでは優勝したティアナ・マディソンに0秒04及ばず、7秒06の2位で初の全米タイトルを逃した[9]。アメリカ代表として初の世界大会出場となった3月のイスタンブル世界室内選手権女子60mでは、予選を7秒24、準決勝を7秒19で突破し、初めて世界大会の決勝に進出した。迎えた決勝では7秒14の4位に終わり、3位のティアナ・マディソンとは0秒05差でメダルを逃した[10]

2013年

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3月の全米室内選手権女子60mを7秒08で制し、初の全米タイトルを獲得[11]。6月の全米選手権女子100mでは準決勝で自己ベストおよび全体トップのタイムとなる10秒85(+2.0)をマークしたが、決勝はタイムを落として10秒94(+1.8)の5位に終わった。この結果、8月に行われるモスクワ世界選手権女子4×100mリレーのアメリカ代表に選出されたが[12]、大会での出番はなかった。

2014年

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6月の全米選手権女子100mでは11秒27(-2.1)の2位に終わり、またもティアナ・バートレッタ(旧姓マディソン)に0秒12及ばず屋外全米タイトルを逃した[13]

2015年

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7月のパンアメリカン競技大会女子100mでは予選で10秒92(+1.6)の大会新記録を樹立し、準決勝でも追い風参考記録ながら予選のタイムに迫る10秒96(+2.2)をマークしたが、迎えた決勝では11秒01(+0.9)の3位に終わった。しかし、アメリカチームの1走を務めた女子4×100mリレーでは、決勝で42秒58の大会新記録樹立と金メダル獲得に貢献した[14]。8月の北中米カリブ選手権英語版では女子100mを11秒12(-0.1)で制して初の国際タイトルを獲得すると、アメリカチームの1走を務めた女子4×100mリレーは42秒24の大会新記録樹立と金メダル獲得に貢献し、大会2冠を達成した[15]

2016年

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3月12日の全米室内選手権女子60m決勝で室内世界歴代9位タイ(当時)および室内アメリカ歴代3位の記録となる7秒00をマークし、3年ぶり2度目の全米タイトルを獲得した[16][17]。1週間後に行われたポートランド世界室内選手権女子60mにはダフネ・シパーズとともに今季世界最高記録保持者(7秒00)として臨むと、予選を全体1位の7秒07、準決勝を全体2位の7秒06で突破。迎えた決勝では自己ベストに迫る7秒02をマークし、ダフネ・シパーズ(7秒04)やエレイン・トンプソン(7秒06)を抑えて初の世界タイトルを獲得した[18][19]

家族

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夫のラモン・ギテンスバルバドス代表として活躍するスプリンター[20]2016年ポートランド世界室内選手権男子60mで銅メダル、2017年世界リレー男子4×100mで銀メダルを獲得している。

自己ベスト

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記録欄の( )内の数字は風速m/s)で、+は追い風、-は向かい風を意味する。

種目 記録 年月日 場所 備考
屋外
100m 10秒85 (+2.0)
10秒85 (+1.1)
2013年6月21日
2013年7月27日
アメリカ合衆国の旗 デモイン
イギリスの旗 ロンドン
200m 23秒23 (-0.5) 2010年5月29日 アメリカ合衆国の旗 シャーロット
室内
50m 6秒22 2012年4月14日 フランスの旗 リエヴァン
60m 7秒00 2016年3月12日 アメリカ合衆国の旗 ポートランド 室内世界歴代10位タイ
200m 23秒62 2010年3月12日 アメリカ合衆国の旗 アルバカーキ

主要大会成績

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備考欄の記録は当時のもの

大会 場所 種目 結果 記録 備考
ハイチの旗 ハイチ
2008 中央アメリカ・カリブ選手権英語版 コロンビアの旗 カリ 100m 3位 11秒40 (+1.2)
2008 北中米カリブU23選手権英語版 メキシコの旗 トルーカ 100m 4位 11秒45 (+0.3)
2008 オリンピック 中華人民共和国の旗 北京 100m 2次予選5組5着 11秒56 (+0.1)
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
2011 パンアメリカン競技大会 メキシコの旗 グアダラハラ 100m 2位 11秒25 (-0.2)
4x100mR 2位 43秒10 (2走)
2012 世界室内選手権 トルコの旗 イスタンブル 60m 4位 7秒14
2015 パンアメリカン競技大会 カナダの旗 トロント 100m 3位 11秒01 (+0.9) 予選10秒92 (+1.6):大会記録
4x100mR 優勝 42秒58 (1走) 大会記録
2015 北中米カリブ選手権英語版 コスタリカの旗 サンホセ 100m 優勝 11秒12 (-0.1)
4x100mR 優勝 42秒24 (1走) 大会記録
2016 世界室内選手権 アメリカ合衆国の旗 ポートランド 60m 優勝 7秒02

脚注

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  1. ^ 7.0 earthquake devastates Haiti”. ESPN (2010年1月14日). 2017年5月6日閲覧。
  2. ^ Stuart Weir profiles the US sprinter who claimed the 60m title in Portland”. Athletics Weekly (2016年6月1日). 2017年5月6日閲覧。
  3. ^ Barbara Pierre”. 全米陸上競技連盟 (2017年5月6日). 2017年5月6日閲覧。
  4. ^ St. Aug's Pierre Sets Division II National Mark in 100 Dash”. Central Intercollegiate Athletic Association (2009年5月22日). 2017年5月6日閲覧。
  5. ^ 2008年中央アメリカ・カリブ選手権フルリザルト”. 中央アメリカ・カリブ陸上競技連盟 (2008年). 2017年5月6日閲覧。
  6. ^ 第29回オリンピック女子100m2次予選リザルト”. 国際陸上競技連盟 (2017年5月6日). 2017年5月6日閲覧。
  7. ^ Pierre continues Team USA “Silver Streak” in Women’s 100”. 全米陸上競技連盟 (2011年10月25日). 2017年5月6日閲覧。
  8. ^ Team USA collects six medals on final track & field day at Telemex Stadium”. 全米陸上競技連盟 (2011年10月28日). 2017年5月6日閲覧。
  9. ^ 2012年全米室内選手権フルリザルト”. 全米陸上競技連盟 (2017年5月6日). 2017年5月6日閲覧。
  10. ^ 2012年世界室内選手権女子60m決勝リザルト”. 国際陸上競技連盟 (2017年5月6日). 2017年5月6日閲覧。
  11. ^ 2013年全米室内選手権女子60m決勝リザルト”. 全米陸上競技連盟 (2017年5月6日). 2017年5月6日閲覧。
  12. ^ USA’s nine reigning World champions named on team for Moscow”. 国際陸上競技連盟 (2013年7月29日). 2017年5月6日閲覧。
  13. ^ 2014年全米選手権フルリザルト”. 全米陸上競技連盟 (2017年5月6日). 2017年5月6日閲覧。
  14. ^ プロフィール”. 2015年パンアメリカン競技大会公式サイト (2017年5月6日). 2017年5月6日閲覧。
  15. ^ SAU Graduate Pierre Wins Two Gold Medals at NACAC Championships”. セント・オーガスティーンズ大学・スポーツサイト(saintaugfalcons.com) (2015年8月9日). 2017年5月6日閲覧。
  16. ^ 2016年全米室内選手権フルリザルト”. 全米陸上競技連盟 (2017年5月6日). 2017年5月6日閲覧。
  17. ^ Cunningham breaks world indoor junior high jump record to win first USATF Indoor title”. 全米陸上競技連盟 (2016年3月12日). 2017年5月6日閲覧。
  18. ^ 2016年世界室内選手権女子60m決勝リザルト”. 国際陸上競技連盟 (2017年5月6日). 2017年5月6日閲覧。
  19. ^ Report: women's 60m final – IAAF World Indoor Championships Portland 2016”. 国際陸上競技連盟 (2016年3月20日). 2017年5月6日閲覧。
  20. ^ Barbara Pierre”. 全米オリンピック委員会 (2017年5月6日). 2017年5月6日閲覧。

外部リンク

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