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パモ酸

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
パモ酸[1]
識別情報
CAS登録番号 130-85-8 チェック
PubChem 8546
ChemSpider 8228 チェック
UNII 7RRQ8QZ38N チェック
EC番号 204-998-0
MeSH Pamoic+acid
ChEBI
ChEMBL CHEMBL177880 チェック
RTECS番号 QL2180000
バイルシュタイン 901319
特性
化学式 C23H16O6
モル質量 388.37 g mol−1
精密質量 388.094688244 g mol-1
融点

≥300 °C

log POW 6.169
酸解離定数 pKa 2.675
危険性
EU分類 刺激性 Xi
主な危険性 皮膚刺激性、重度の眼刺激性あり

呼吸器刺激の可能性

Rフレーズ R36/37/38
Sフレーズ S26 S36
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

パモ酸(Pamoic acid)またはエンボン酸(embonic acid)は、ナフトエ酸誘導体である。2-ヒドロキシ-3-ナフトエ酸ホルムアルデヒドの反応で形成される。医薬品においては、水に溶けにくく吸収の悪い薬剤に対して、水溶性を改善するための対イオンとして用いられる[2]

パモ酸は、オーファン受容体であるGタンパク質共役受容体GPR35に対するアゴニスト活性を持ち、これにより、細胞外シグナル調節キナーゼβ-アレスチン2を活性化することで、痛覚抑制効果を示すことが示されている[3]。一般的には不活性化合物とみなされているが、これらの研究から再検討の必要性が議論されている[4]

出典

[編集]
  1. ^ Merck Index, 12th Edition, 7136.
  2. ^ Saesmaa, T; Tötterman, AM (1990). “Dissolution studies on ampicillin embonate and amoxycillin embonate”. Journal of pharmaceutical and biomedical analysis 8 (1): 61–5. doi:10.1016/0731-7085(90)80007-c. PMID 2102266. 
  3. ^ Zhao, Pingwei, et al. (2010). “Targeting of the orphan receptor GPR35 by pamoic acid: a potent activator of extracellular signal-regulated kinase and β-arrestin2 with antinociceptive activity”. Molecular pharmacology 78 (4): 560-568. doi:10.1124/mol.110.066746. 
  4. ^ Neubig, Richard R (2010). “Mind your salts: when the inactive constituent isn't”. Molecular Pharmacology 78 (4): 558–9. doi:10.1124/mol.110.067645. PMID 20651116.