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パレスハウスステークス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
パレスハウスステークス
Palace House Stakes
開催国 イギリスの旗イギリス
競馬場 ニューマーケット競馬場
ローリーマイルコース
創設 1961年
2014年の情報
距離 芝5ハロン
(約1006メートル)
格付け G3[1]
賞金 賞金総額60,000ポンド[1]
出走条件 3歳以上
負担重量
  • ※G1勝馬は8ポンド (3.6 kg)加増
  • ※G2勝馬は6ポンド (2.7 kg)加増
  • ※G3勝馬は3ポンド (1.4 kg)加増
  • ※これらの加増は前年の8月31日以降の勝鞍に適用
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パレスハウスステークス: Palace House Stakes)は、イギリスニューマーケット競馬場で行われる競馬の競走

4月後半または5月上旬のギニーズフェスティバル開催で行われる5ハロン (58マイル (1,006 m))のスプリント重賞で、2014年の格付けはG3[2]

概要

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パレスハウスステークスは1961年に創設された。

ニューマーケット競馬場で最も注目を集めるG1競走2000ギニー当日に行われる重賞で、5ハロン(1キロ強)のスプリント距離で行われている[2][3]

古い時代の勝馬には、*サミーデイヴィスや*ホットスパークのように日本へ輸入されたスプリンター種牡馬の名も残っている。3歳以上が出走できる競走であるにもかかわらず、長い間2勝した競走馬は出なかったが、2013年と2014年に初めてソールパワー(Sole Power)が連覇した。

1971年にグループ制が導入されて以来、G3に格付けされている。

記録

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2014年時点での記録。

最多勝利をあげた馬

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  • ソールパワー(Sole Power)2勝 - 2013年、2014年

最多勝騎手

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  • 10人の騎手が2勝を記録している。(2014年現在)

最多勝調教師

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  • 10人の調教師が2勝を記録している。(2014年現在)

歴代勝馬

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※*マークは日本輸入馬(国際競走出走のための一時的なものを含む)

施行年 格付 優勝馬 走破タイム
1961 Galivanter 5
1962 Crisper 4
1963 *サミーデイヴィス 3
1964 Ruby Laser 3
1965 Runnymede 4
1966 Tamino 4
1967 Heavenly Sound 3
1968 Mountain Call 3
1969 Be Friendly 5
1970 Tower Walk 4
1971 G3 Communication 3
1972 G3 Shiny Tenth 5
1973 G3 Brave Lad 3
1974 G3 Singing Bede 5
1975 G3 *ホットスパーク 3
1976 G3 Polly Peachum 5
1977 G3 Raga Navarro 5
1978 G3 Frimley Park 3
1979 G3 Vaigly Great 4
1980 G3 Valeriga 4
1981 G3 Standaan 5
1982 G3 Lightning Label 6
1983 G3 On Stage 3
1984 G3 Reesh 3
1985 G3 Prince Sabo 3
1986 G3 Double Schwartz 5 00:59.0
1987 G3 Hallgate 4 00:58.9
1988 G3 Perion 6 01:00.7
1989 G3 Silver Fling 4 00:58.3
1990 G3 Statoblest 4 00:58.8
1991 G3 Elbio 4 00:59.5
1992 G3 Monde Bleu 4 00:59.4
1993 G3 Paris House 4 00:58.7
1994 G3 Lochsong 6 00:56.8
1995 G3 Mind Games 3 00:58.1
1996 G3 Cool Jazz 5 00:59.7
1997 G3 Deep Finesse 3 00:58.7
1998 G3 Yorkies Boy 3 01:01.0
1999 G3 Rambling Bear 6 00:57.3
2000 G3 Pipalong 4 00:59.5
2001 G3 Rushcutter Bay 8 00:59.0
2002 G3 Kyllachy 4 00:58.5
2003 G3 Needwood Blade 5 00:59.1
2004 G3 Frizzante 5 00:59.2
2005 G3 Avonbridge 5 00:58.2
2006 G3 Dandy Man 3 00:58.4
2007 G3 Tax Free 5 00:58.3
2008 G3 Captain Gerrard 3 00:59.0
2009 G3 Amour Propre 3 00:57.7
2010 G3 Equiano 5 00:58.4
2011 G3 Tangerine Trees 6 00:59.7
2012 G3 Mayson 4 01:01.4
2013 G3 Sole Power 6 00:57.0
2014 G3 Sole Power 7 00:58.7
2015 G3 Goldream 00:58.7
2016[4] G3 Profitable 00:58.59
2017[5] G3 Marsha 00:58.18
2018[6] G3 Mabs Cross 00:58.44
2019[7] G3 Mabs Cross 00:58.67
2020 G3 Far Above 4 00:58.07
2021 G3 Lazuli 4 00:58.59
2022[8] G3 Khaadem 6 00:58.53
2023[9] G3 Vadream 5 01:00.42
2024[10] G3 Seven Questions 3 00:58.88

競走名の由来

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パレスハウス

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パレスハウスとは原義としては王族の住まいのことで、本格的な王宮・宮殿(Palace)までいかずとも、別荘のようなものであり、王族のカントリー・ハウス、日本語では御用邸に近い。

ニューマーケットでパレスハウスと言えば、チャールズ2世が建築したものを指し、ニューマーケットの有名建築物の一つとなっている[2][11]

ニューマーケットにはジェームズ1世が最初にパレスハウスを建ててニューマーケットに入り浸ったが、これは清教徒革命の時にピューリタン側がほぼ破壊してしまった[12][13][12]王政復古の後、ニューマーケットを再興したチャールズ2世は1668年に王室お抱えの建築士ウィリアム・サムウェルに命じてパレスハウスを再建し、毎年ニューマーケットに長滞在した[14]

チャールズ2世は、数ある愛妾のなかで最も気に入っていたネル・グウィンをパレスハウスの近くに家に住まわせ、密かに作った地下通路で両者を結んで密会した。このパレスハウスも大部分が取り壊されてしまったが、19世紀に建てられた2階建ての建物やウィリアム3世の寝室など一部は残っていて、現在もパレスハウスと呼ばれている[14][12]

パレスハウス厩舎

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ジェームズ1世以来、ニューマーケットは歴代国王の庇護を受けた。ジェームズ1世は特に狩猟を好み、チャールズ1世やチャールズ2世は競馬を愛好した。彼らはニューマーケットに専用の厩舎を設け、馬を繋養させた[15][12]

これらの厩舎はパレスハウス厩舎(Palace House Stable)と呼ばれた[12]。チャールズ2世の時代から、ここで馬の管理を任されたトレゴンウェル・フランプトンは“競走馬の管理官”と称し、以後歴代の国王、すなわち、ウィリアム3世アン女王ジョージ1世ジョージ2世に仕えた[15][14][16][17]。フランプトンはニューマーケットにおける王室の代弁者となり、強い権限を持っていた[16][17]。フランプトンの評判は芳しいものばかりではないが、現在では「英国競馬の父(The Father of the English Turf)」と呼ばれている[16]

脚注

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参考文献・出典

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基礎情報

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各回結果

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注釈・出典

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  1. ^ a b 2014 International Cataloguing Standards Book2014年12月25日閲覧。
  2. ^ a b c FRIXO Palace House Stakes Betting2014年5月14日閲覧。
  3. ^ グラスゴー・ヘラルド紙 1961年4月27日付2014年5月14日閲覧
  4. ^ 2016年結果レーシングポスト、2016年5月2日閲覧
  5. ^ 2017年結果レーシングポスト、2017年5月6日閲覧
  6. ^ 2018年結果レーシングポスト、2018年5月6日閲覧
  7. ^ 2019年レース結果”. racingpost (2019年5月4日). 2019年5月5日閲覧。
  8. ^ 2022年パレスハウスステークス”. racingpost (2022年4月30日). 2022年4月30日閲覧。
  9. ^ 2023年パレスハウスステークスレーシングポスト、2023年5月7日閲覧
  10. ^ 2024年パレスハウスステークス”. racingpost (2024年5月4日). 2024年5月5日閲覧。
  11. ^ Time Team unveils town stable secrets2014年5月14日閲覧。
  12. ^ a b c d e The Cromwell Association Cromwellian Britain - Newmarket2014年5月6日閲覧。
  13. ^ 『競馬の世界史』p39-45「前期スチュアート王朝と共和制時代」
  14. ^ a b c 『競馬の世界史』p46-56「王政復古と後期スチュアート王朝時代」
  15. ^ a b 『サラブレッド』p12-31「イギリス初期の競馬とサラブレッド」
  16. ^ a b c 『競馬 サラブレッドの生産および英国競馬小史』p226-232
  17. ^ a b 『競馬の世界史』p69-99「ジョージ王朝時代のイギリス」

関連リンク

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