ヒザマ
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ヒザマは、鹿児島県奄美群島の沖永良部島に伝わる伝説の生き物[1]。ヒジャマとも[2]。
概要
[編集]家に憑いて火事を引き起こすといわれる魔鳥。姿はニワトリに似ており、胡麻塩色の羽根を持ち、頬が赤い。家に憑く際は空の瓶や桶に宿るといい、これを防ぐためにはこうした器を伏せておくか、常に水で満たしておくという[3]。ヒザマが家に憑いた際にはすぐユタ(シャーマン)を呼んで追い出しの儀式を行なったという[1]。
沖永良部島では邪神として最も恐れられており、人々の間ではこのヒザマに似た外見上の特徴を持つニワトリを飼うことを忌み嫌う風習があった。
また、民俗学研究家・恵原義盛の著書『奄美大島の妖怪』ではヒザマに火玉という字が当てられており[4]、鳥ではなく読んで字の如く火の玉であり、やはり火事を引き起こすものとされている[5]。
脚注
[編集]参考文献
[編集]- 村上健司 『妖怪事典』 毎日新聞社、2000年、280頁。
- 上江洲均『南島の民俗文化 : 生活・祭り・技術の風景』 33巻、ひるぎ社〈おきなわ文庫〉、1987年、28頁。doi:10.11501/13283654。 NCID BN03220053。OCLC 834960120。国立国会図書館書誌ID:000001895128 。2024年8月12日閲覧。
- 窪徳忠「瀬戸内町の竃神信仰 : 加計呂麻島を中心として」『鹿児島県大島郡瀬戸内町調査報告書(3)』第12号、沖縄国際大学南島文化研究所、1989年、1-26頁、CRID 1130282269787654528、doi:10.11501/13275650、hdl:2308/2482、NCID BN01772219、OCLC 672827085、国立国会図書館書誌ID:000002009591、2024年8月12日閲覧。「地域研究シリーズNo.12」
- 上野善道「沖永良部島方言語彙のアクセント資料(4)」『アジア・アフリカの言語と言語学』第1巻、アジア・アフリカの言語と言語学編集委員会、2006年、129-157頁、CRID 1390858608263048064、doi:10.15026/51086、hdl:10108/51086、ISSN 18813283、NAID 120001399375、NCID AA12175889、OCLC 701298622、国立国会図書館書誌ID:8771641、2024年8月12日閲覧。
- 水木しげる「ヒザマ」『妖鬼化』 第1巻 沖縄・九州、Softgarage〈水木しげる 妖怪画集〉、2008年、110頁。ISBN 9784861331053。 NCID BA86060065。OCLC 1020921046。国立国会図書館書誌ID:000009366326 。2024年8月12日閲覧。「水木しげる 2008a」
- 水木しげる「波山」『妖鬼化』 第2巻 四国・中国、Softgarage〈水木しげる 妖怪画集〉、2008年、65頁。ISBN 9784861331060。 NCID BA86060065。OCLC 931935797。国立国会図書館書誌ID:000009366412 。2024年8月12日閲覧。「水木しげる 2008b」
- 山口敏太郎『超こわい!超ふしぎ!日本の妖怪大集合200』西東社、2015年、156頁。ISBN 9784791623679。 NCID BB1996450X。OCLC 1020952637。国立国会図書館書誌ID:026359853 。2024年8月12日閲覧。