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ビサボレン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ビサボレン
Bisabolene

α-Bisabolene
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β-Bisabolene
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β-Bisabolene
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γ-Bisabolene
識別情報
CAS登録番号 17627-44-0 (α), 495-61-4 (β), 495-62-5 (γ)
ChemSpider 4509521 (α)
8279897 (β)
2298446 (γ)
特性
化学式 C15H24
モル質量 204.35 g mol−1
外観 やや粘性のある無色[1]または黄色の液体[2]
匂い スパイシー、バルサミック香
沸点

262℃[1]

危険性
引火点 122℃[1]
半数致死量 LD50 >5g/Kg(ラット、経口)[1]
関連する物質
関連する異性体 C15H24
関連物質 ビサボロール
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

ビサボレン: Bisabolenes)はセスキテルペンの一種で、天然にはレモンライムベルガモットクスノキスターアニスカルダモンサンダルウッドなどの精油中に広く存在する[1]。ビサボレンの誘導体の中には、ミバエカメムシなど昆虫のフェロモンとして作用するものがある[3][4]。生物学的な役割は未解明であるが、いくつかの真菌が本物質を産出することが確認されている[5]

異性体

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α体、β体、γ体の異性体が知られており、α体には(Z)-体と(E)-体の立体異性体がある。α体とβ体には光学異性体があるが、精査されていない。α-(Z)-体はグリーンフローラル、α-(E)-体はグリーン調のウッディハーバル、β体はフローラル、ウッディ調、γ体はバルサム様ウッディ香を持つ[1]

用途と製法

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ビサボレンは、天然甘味料ヘルナンドゥルシン (Hernandulcinなど他の多くの天然化合物の生合成における中間体となる[6]香料としては、シプレー、コロン、モダンハーバル調の調合香料、シトラストロピカルフルーツアプリコット系フレーバーに使用される。使用量はα体が多く、γ体も使用されている。ネロリドール脱水による合成のほか、リモネンまたは4-メチル-3-シクロヘキセニルケトンからα-(Z)-体および、α-(E)-体が合成される。β体、γ体も合成により製造される[1]

脚注

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  1. ^ a b c d e f g 合成香料 化学と商品知識』p.20-21
  2. ^ ビサボレン東京化成工業
  3. ^ Aldrich, J.R.; Numata, H.; Borges, M.; Bin, F.; Waite, G.K.; Lusby, W.R. (1993). “Artifacts and pheromone blends from Nezara spp. and other stink bug (Heteroptera: Pentatomidae)”. Zeitschrift für Naturforschung 48C: 73–79. http://naldc.nal.usda.gov/download/37736/PDF. 
  4. ^ Lu, F.; Teal, P.E. (2001). “Sex pheromone components in oral secretions and crop of male Caribbean fruit flies, Anastrepha suspensa (Loew)”. Arch Insect Biochem Physiol 48 (3): 144–154. doi:10.1002/arch.1067. 
  5. ^ Spakowicz, Daniel J.; Strobel, Scott A. (2015). “Biosynthesis of hydrocarbons and volatile organic compounds by fungi: bioengineering potential”. Applied microbiology and biotechnology 99 (12): 4943–4951. http://link.springer.com/article/10.1007/s00253-015-6641-y 2016年2月22日閲覧。. 
  6. ^ Bisabolene derived sesquiterpenoid biosynthesis Archived November 2, 2010, at the Wayback Machine.

外部リンク

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参考文献

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  • 印藤元一『合成香料 化学と商品知識』化学工業日報社、2005年。ISBN 4-87326-460-X