ピアノソナタ第50番 (ハイドン)
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ピアノソナタ第50番 ハ長調 作品79, Hob. XVI:50 は、フランツ・ヨーゼフ・ハイドンが1794年から1795年頃[1]に作曲したピアノソナタ。ランドン版では第60番となっている。
概要
[編集]本作品はイギリス・ソナタ(本作、第51番、第52番)の1曲目であり、出版年は1801年である[1]。ただし、第2楽章だけは単独の作品としては1794年に出版されている[2]。イギリス・ソナタは、1794年から1795年のロンドン旅行の時に書かれたという定説になっているが、本当にこの時期に書かれたのかをはっきり証明できる資料が無く、またどの順に書かれたかも分からない[2]。自筆譜は残っておらず、出版譜にはテレーゼ・ジャンセン・バルトロッツィへの献辞が書かれており、バルトロッツィ夫人に献呈されたとされている[2]。作曲当時は楽団が解散され、ハイドンは年金生活を送り、自由に創作活動をしていた時期である。
ベートーヴェンを思わせるような第1楽章の規模が特徴的である[2]。
曲の構成
[編集]全3楽章、演奏時間は約19分[1]。第1楽章の長さの割に第3楽章が短いところが特徴的である。
- 第1楽章 アレグロ
- ハ長調、4分の4拍子、ソナタ形式。
- 軽快な右手のメロディで始まり、左手はしばらく主音を鳴らしている。この主題が楽章を通して使用されている。ト長調の第2主題では左手に主題が移り、右手に音階が現れる。この後は長い展開部に続く。
- この楽章は、ハイドンによる「オープン・ペダル」(ダンパーペダルを踏んだままにする)の指示で知られている[1]。展開部と再現部でそれぞれ数小節にわたって英語で「open Pedal」と書かれた箇所があるが、ハイドンがペダルの使用を指定するのは非常に珍しい。ロビンズ・ランドンはこれをソフトペダルのことと考えたが、そうではなくダンパーペダルを意味し、当時のイギリスの作曲家であるドゥセックやクレメンティにも見られる技法である。2箇所とも第1主題が出現する場所で、チャールズ・ローゼンによると提示部のスタッカートと対比させる効果を狙ってダンパーを踏みっぱなしにするのだと考えられている[3]。
参考文献
[編集]- ^ a b c d e f “ハイドン : Haydn, Franz Joseph ソナタ 第60番(ウィーン原典版番号)ハ長調 Sonate für Klavier Nr.60 C-Dur Hob.XVI:50 op.79”. 2017年9月8日閲覧。
- ^ a b c d e 福田陽. “クラヴィアソナタの部屋第3室”. ハイドン研究室. 2017年9月8日閲覧。
- ^ Rosen, Charles (1998) [1995]. The Romantic Generation. Harvard University Press. pp. 14-16. ISBN 0674779347
外部リンク
[編集]- ピアノソナタ第50番(旧第60番)ハ長調 作品79, Hob. XVI:50の楽譜 - 国際楽譜ライブラリープロジェクト
- 解説 - ピティナ