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ピアノ協奏曲第2番 (ヴィラ=ロボス)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
本作の初演の会場となったリオデジャネイロ市立劇場

ピアノ協奏曲第2番 W487 は、エイトル・ヴィラ=ロボスが1948年に作曲したピアノ協奏曲

概要

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本作は1948年にリオデジャネイロで作曲された。曲は作曲者の長きにわたる友人であったジョアン・デ・ソウザ・リマに献呈された[1]。リマは1950年4月21日にリオデジャネイロ市立劇場で、作曲者自身の指揮、市立劇場交響楽団の演奏により本作を初演している[2]

楽器編成

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ピアノ独奏ピッコロフルート2、オーボエ2、コーラングレクラリネット2、バスクラリネットファゴット2、コントラファゴットホルン4、トランペット3、トロンボーン3、チューバティンパニ、打楽器(タムタムシンバルバスドラム)、チェレスタハープ弦五部

楽曲構成

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全4楽章構成。演奏時間は約26分半[3]

  1. Vivo
  2. Lento
  3. Quasi allegroCadenza
  4. Allegro

第1楽章では、独奏が両方の手で並行した和音の動きを強調する。主要主題は旋法的色彩を持ち、楽章を通じて一定しない拍の区切りが起こり続ける[4]

第2楽章は次のように評されている。「粘り気がり、湿った夜想曲が豪華な管弦楽のカーペットを備えており、その上でピアノが増4度や三全音による遠隔の和声の迷路を飛んだり転がったりしていく[5]。」この楽章にはブラジルの民謡が用いられている[1]

第3楽章は全体が独奏のためのカデンツァにあてられている。一方、スケルツォ風の終楽章は精力的で、地中海風の色彩を帯びる第1主題と抒情的な中間部がブラジルモディンハの方法でまとめられている[4]

出典

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  1. ^ a b Morrison, Chris. Villa-Lobos: Piano Concetos - オールミュージック. 2022年11月6日閲覧。
  2. ^ Villa-Lobos, sua obra 2009, pp. 56–57.
  3. ^ ピアノ協奏曲第2番 - オールミュージック. 2022年11月6日閲覧。
  4. ^ a b Tarasti 1995, p. 346.
  5. ^ Johnson 1992, p. 61.

参考文献

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  • Johnson, Bret. 1992. "Villa-Lobos: Piano Concertos Nos.1–5 by Cristina Ortiz, Miguel Gomez-Martinez". Tempo, New Series, No. 182, Russian Issue (September): 60–61.
  • Tarasti, Eero. 1995. Heitor Villa-Lobos: The Life and Works, 1887–1959, translated from the Finnish by the author. Jefferson, North Carolina, and London: McFarland. ISBN 0-7864-0013-7.
  • Villa-Lobos, sua obra. 2009. Version 1.0. MinC / IBRAM, and the Museu Villa-Lobos. Based on the third edition, 1989.

関連文献

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  • Appleby, David P. 2002. Heitor Villa-Lobos: A Life (1887–1959). Lanham, Maryland: Scarecrow Press. ISBN 978-0-8108-4149-9.
  • Fortes Filho, Raimundo M. de Melo. 2004. “Concerto Para Piano e Orquestra n. 1 de Villa-Lobos: Um Estudo Analítico-Interpretativo.” Masters thesis, Universidade Federal da Bahia.
  • Peppercorn, Lisa M. 1984. "Villa-Lobos's Commissioned Compositions". Tempo, New Series, No. 151 (December): 28–31.

外部リンク

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