ピアノ四重奏曲第2番 (ブラームス)
表示
ピアノ四重奏曲第2番(ピアノしじゅうそうきょくだいにばん)イ長調 作品26は、ヨハネス・ブラームスが2番目に発表したピアノ四重奏曲。
概要
[編集]第1番と同様に1855年頃から作曲が始められたと考えており、第1番のほぼ1年後の1862年10月に完成されている。初演は1862年11月29日にウィーンで、ブラームスのピアノとヘルメスベルガー四重奏団のメンバーによって行われた。
作曲時期は第1番と近接しているが、1番が憂愁や暗い情熱をたたえていたのに対し、この作品は明るい響きが支配的で、優雅さや叙情性が強調されている。現在では演奏機会はあまり多くないが、ブラームスの生前は3曲のピアノ四重奏曲の中でもっとも人気のある作品だった。
楽曲構成
[編集]全4楽章からなり、演奏時間は50分前後。これはブラームスの室内楽作品の中でも特に規模が大きい。
- 第1楽章 Allegro non troppo
- 第2楽章 Poco adagio
- 第3楽章 Poco allegro
- 第4楽章 Allegro
- イ長調、2/2拍子。ロンド・ソナタ形式。第1番のフィナーレのように「ジプシー風」と明示されているわけではないが、快活な冒頭主題には民俗舞曲風の要素が指摘される。これが副楽想をはさんで再現されると、調の定まらない対話風のもの、三連符と付点リズムの組み合わせが特徴的なものなど様々なエピソードが自由に連なっていく。ロンド主題が再現しこれを展開風に扱ったあとは、それまでの楽想が移調して再現されていく。アニマートのコーダではロンド主題を再現し、溌剌と終わる。
参考文献
[編集]- 『作曲家別名曲解説ライブラリー7 ブラームス』音楽之友社、2008年