ピタンガ
ピタンガ | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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ピタンガの果実
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分類(APG IV) | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
Eugenia uniflora L. | |||||||||||||||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
タチバナアデク[1][2]、カボチャアデク[3][1] | |||||||||||||||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
Surinam cherry |
ピタンガ[1](ポルトガル語: pitanga; 学名:Eugenia uniflora)は、フトモモ科の常緑低木。ピタンガとはブラジル先住民族の言葉の一つであるトゥピ語で〈赤い〉を意味する pi'tãg に由来する[4]。別名としてスリナム・チェリー(英語: Surinam cherry)、ブラジリアン・チェリー(英: Brazilian cherry)[1]、カイエン・チェリーなどがある。果物として食用に利用される。南米の熱帯地方原産。
同じブラジリアン・チェリーという別名を持つ熱帯果樹に Hymenaea courbaril[注 1] があるが、こちらはマメ科なので近縁種でもない。
また、和名の一つであるカボチャアデクとは、果実の形がカボチャに似ることによる。
特徴
[編集]成長は遅く、最大で8mほどの高さになる。葉は光沢のある緑でやや赤みを帯びる。この葉にはピタンギーナという成分が含まれ、キニーネの代用とされる。白色の花は芳香があり、直径2-3cmほどのカボチャのような形状の果実が年に数回つく。果実は成熟していないと松脂のような匂いが強いが、熟して赤くなるにつれ甘さが増す。ビタミンC、リン、カルシウムを含み、生食の他、ジュース、ジャム、ゼリー、アイスクリーム、果実酒などにも加工される。果皮が薄く保管に向いておらず、日本まで輸送されることはまずない。
繁殖力
[編集]熱帯では庭木や生垣用によく植えられる。実生で容易に増やすことが出来る為、バミューダ諸島では手に負えないほど繁殖し、日本でも沖縄などで着々と増えている。同じフトモモ科には世界の侵略的外来種ワースト100で要注意外来生物に指定されているテリハバンジロウ(ストロベリーグアバ)があり、他にもユーカリやレンブなどの繁殖が近年目立つようになってきた。ピタンガも熱帯原産とはいえ-3℃までの耐寒性があり、病害虫や乾燥にも強い為、本州でも温暖な地域での普及が予想される。
諸言語における呼称
[編集]- インドネシア語: asam selong[1]
- 英語: Surinam cherry, Brazilian cherry[1]
- ポルトガル語: pitanga[1]
- マレー語: cermai belanda[10] - 文字通りには〈オランダのアメダマノキ(Phyllanthus acidus)〉を意味する。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ この植物については日本語文献での言及例はあるものの、以下に挙げるように設定された名称が資料ごとにまちまちで一定しない: オオイナゴマメ[5]、クールバリル[6]、クーバリル[7]、オリノコイナゴマメ、コロボレ、クールパリル[8]、ジャトバ[9](ポルトガル語: jatobá)。
出典
[編集]- ^ a b c d e f g 熱帯植物研究会 (1996:343).
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-).「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList),http://ylist.info (2019年5月20日).
- ^ コーナー & 渡辺 (1969:551).
- ^ Franzon (2018).
- ^ コーナー & 渡辺 (1969:278).
- ^ 熱帯植物研究会 (1996:179).
- ^ ウォーカー (2006).
- ^ Folch (2012).
- ^ スミソニアン協会 (2012).
- ^ Ong (2004:40).
参考文献
[編集]英語・日本語:
- コーナー, E. J . H.、渡辺, 清彦『図説熱帯植物集成』廣川書店、1969年。
英語:
- Franzon, Rodrigo C. et al. (2018). "Pitanga—Eugenia uniflora L." In Sueli Rodrigues, Ebenezer de Oliveira Silva and Edy Sousa de Brito (eds.), Exotic Fruits: Reference guide, pp. 333–8. Academic Press. ISBN 978-0-12-803138-4 doi:10.1016/B978-0-12-803138-4.00044-7
マレー語:
- Ong, Hean Chooi (2004). Buah: khasiat makanan & ubatan. Kuala Lumpur: Utusan Publicators & Distributors. ISBN 967-61-1560-6. NCID BA84222450
日本語:
- エイダン・ウォーカー 編、乙須敏紀 訳『世界木材図鑑』産調出版、2006年、113頁。ISBN 4-88282-470-1(原書: The Encyclopedia of Wood, Quarto, 1989 & 2005.)
- スミソニアン協会 監修、デイヴィッド・バーニー 顧問編集、西尾香苗、増田まもる、田中稔久 共訳『地球博物学大図鑑』東京書籍、2012年6月、173頁。ISBN 978-4-487-80564-8
- 熱帯植物研究会 編『熱帯植物要覧』(第4版)養賢堂、1996年。ISBN 4-924395-03-X。
- Folch, Ramon 編、大澤雅彦 総監訳『サバンナ』(世界自然環境大百科 3)朝倉書店、2012年2月。