コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

ピタ・タウファトファ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ピタ・タウファトファ
個人情報
フルネームPita Nikolas Taufatofua
国籍トンガの旗 トンガ
生誕 (1983-11-05) 1983年11月5日(41歳)
オーストラリアの旗 オーストラリア ブリスベン
居住地オーストラリアの旗 オーストラリア ブリスベン
身長1.92 m (6 ft 4 in)
体重100 kg (220 lb)
スポーツ
競技テコンドークロスカントリースキー, カヌー

ピタ・タウファトファPita Taufatofua1983年11月5日[1] - )は、トンガテコンドークロスカントリースキーカヌーの選手。オーストラリア生まれ、トンガ育ち[2][3]。トンガ人の父とオーストラリア人の母を持つ[4]

来歴

[編集]

5歳の時にテコンドーを始める[5]。トンガの高校を卒業した[4] 後、オーストラリアへ渡りブリスベン大学に通い[6]2000年に卒業した。現在もブリスベンに住み、家の無い子ども達の自立を援助する施設で働いている[7]

2016年リオデジャネイロオリンピックテコンドー男子80kg超級に初出場し[8]、初のトンガテコンドー代表選手となったほか開会式では旗手を務めた。この際、タウファトファは上半身裸で体にはココナッツオイルを塗っていて腰に民族衣装を纏った姿で入場行進し、注目を浴びた。タウファトファは開会式前に自身のInstagramにて「サプライズがある」[9] との書き込みをしており、ソーシャルメディアなどでもタウファトファの姿は話題となった[10][11]。その人気を受け、閉会式ではパフォーマンスのステージ上で踊る五大陸の代表選手のうちオセアニア代表にタウファトファが選ばれ、再び開会式と同様の姿で登場し、踊りを披露した[12][13]

2018年の平昌オリンピックでタウファトファはノルディックスキー距離の選手として参加し、開会式ではリオ五輪に引き続きトンガの旗手を務め、氷点下6℃という厳しい寒さの中リオ五輪開会式と同じ姿で登場し話題となった[14]。タウファトファがこの格好で入場行進を行っているのは、名前を知ってもらうことで支援を受け、施設の人達を助けたい、かつ不可能に思えることでもやればできるということを伝えたいからであった[15]閉会式でもタウファトファは旗手を務め、入場時は服を着ていたがフェアプレーと友好を世界に伝えた選手代表として紹介された時には、再び上半身裸の姿で登場した[16][17]

2021年の東京オリンピック開会式でも旗手を務め、やはり上半身にオイルを塗るスタイルで登場したが新型コロナウイルス感染症が流行するさなかの開催であったためマスクを装着しての行進となった[18]。競技はテコンドー男子80kg超級に出場したが初戦で敗退するも獲得点数はリオの1点から3点に伸ばした[19]

2022年1月のフンガ・トンガ噴火の際にはオーストラリアにて合宿を行っていたためタウファトファ自身は直接の難を逃れたが、ハアパイ諸島に住む家族と一時連絡が取れなくなり、母国への災害復興支援を呼びかけるためにクラウドファンディングを募った[20]ほか、SNSにて写真を公開し現状を世界に発信した。直後に開催された北京オリンピックには出場せず、2024年に開催予定のパリオリンピックを目指すことを表明し[21]、カヌーでも出場を目指したものの、2024年4月19日にパリ五輪への出場権を逃したことを明らかにした[22]

主な戦績

[編集]

テコンドー

[編集]
大会 開催地 種目 結果 備考
2013 世界テコンドー選手権大会 メキシコの旗 プエブラ ヘビー級 1回戦敗退
2015 世界テコンドー選手権大会 ロシアの旗 チェリャビンスク ヘビー級 1回戦敗退
2016 オリンピック ブラジルの旗 リオデジャネイロ 80kg超級 1回戦敗退
2017 世界テコンドー選手権大会 大韓民国の旗 茂朱郡 ヘビー級 1回戦敗退
2021 オリンピック 日本の旗 東京 80kg超級 敗者復活戦敗退

クロスカントリースキー

[編集]
大会 開催地 種目 順位 記録 備考
2017 ノルディックスキー世界選手権 フィンランドの旗 ラハティ スプリント 153位 5時間44分72秒
2018 オリンピック 大韓民国の旗 平昌 15kmフリー 114位 56分41秒1

カヌー

[編集]
大会 開催地 種目 順位 記録 備考
2019 カヌースプリント世界選手権 ハンガリーの旗 セゲド カヤックシングル200m 予選敗退 58秒19
カヤックペア200m 予選敗退 途中棄権
カヤックペア500m 予選敗退 2分37秒81

脚注

[編集]
  1. ^ Pita Nikolas Taufatofua”. Rio 2016. 2016年8月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年8月6日閲覧。
  2. ^ Martin Rogers; Dan Wolken (5 August 2016). “Introducing the Tonga flagbearer who glistened during Rio Olympic opening ceremony”. USA Today. http://www.usatoday.com/story/sports/olympics/rio-2016/2016/08/05/opening-ceremony-tonga-flag-bearer/88324126/ 6 August 2016閲覧。 
  3. ^ Palazzo, Chiara (6 August 2016). “Opening Ceremony: Who is Tonga's bare-chested flag bearer?”. The Telegraph. http://www.telegraph.co.uk/olympics/2016/08/06/tonga-flag-bearer-may-break-the-internet/ 6 August 2016閲覧。 
  4. ^ a b Pita Taufatofua”. Coconet. 6 August 2016閲覧。
  5. ^ Tonga’s Taekwondo Olympian welcomed home”. Nuku'alofa Times (15 March 2016). 9 April 2016閲覧。
  6. ^ St. Peter's Lutheran College(official)”. Facebook. 7 August 2016閲覧。
  7. ^ Tongan Flag-Bearer Pita Taufatofua Owns The Olympics”. Deadspin. 7 August 2016閲覧。
  8. ^ TAUFATOFUA Pita Nikolas - Olympic Taekwondo | Tonga Archived 2016年8月6日, at the Wayback Machine.
  9. ^ [1]
  10. ^ Rio-Time Updates Day 5
  11. ^ 世界が注目「いったい誰だ?」トンガ旗手、肉体美披露:朝日新聞デジタル
  12. ^ リオ五輪:南米初のスポーツの祭典に幕 閉会式でも空席 - 毎日新聞
  13. ^ 【リオ五輪】サンバで閉会、五輪旗は東京へ - BBCニュース
  14. ^ “2018年平昌冬季五輪、開幕 「コリア」選手は合同行進”. BBC News. BBC. (2018年2月9日). http://www.bbc.com/japanese/43007498 2018年2月10日閲覧。 
  15. ^ “帰ってきた上半身オイル男 極寒の平昌開会式でも肉体美”. 朝日新聞デジタル. 朝日新聞. (2018年2月9日). https://www.asahi.com/articles/ASL1064BWL10UTQP02J.html 2018年2月11日閲覧。 
  16. ^ “上半身オイル選手、再び登場 閉会式も「テカテカ」”. 朝日新聞. (2018年2月25日). https://www.asahi.com/articles/ASL2T6FT9L2TUTQP06P.html 2018年2月26日閲覧。 
  17. ^ “上半身裸のトンガ選手、閉会式で再び「登場」”. 産経新聞. (2018年2月25日). https://www.sankei.com/article/20180225-CZBUB6ZXSNNXZCZRZ5WT3YQE2A/ 2018年2月26日閲覧。 
  18. ^ “上半身裸のトンガ人旗手、リオ・平昌に続き東京でも強烈なインパクト”. 日刊スポーツ. (2021年7月23日). https://www.nikkansports.com/olympic/tokyo2020/news/202107230000995.html 2022年2月4日閲覧。 
  19. ^ “裸の旗手、3度目の五輪終え笑顔「誰かの背中押せたなら大勝利」”. 毎日新聞. (2021年7月27日). https://mainichi.jp/articles/20210727/k00/00m/050/433000c 2022年2月4日閲覧。 
  20. ^ “東京五輪で話題のトンガ旗手がCF開始 噴火の祖国「支援が必要」”. 毎日新聞. (2022年1月17日). https://mainichi.jp/articles/20220117/k00/00m/050/111000c 2022年2月4日閲覧。 
  21. ^ “開会式で話題のトンガの旗手、北京五輪出場せず母国支援”. 毎日新聞. (2022年2月4日). https://mainichi.jp/articles/20220204/k00/00m/050/095000c 2022年2月4日閲覧。 
  22. ^ “半裸の旗手、パリ五輪出場逃す トンガのタウファトフア”. 47NEWS. 共同通信社. (2024年4月19日). https://www.47news.jp/10813434.html 2024年4月19日閲覧。 

外部リンク

[編集]