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ファカルティ・ディベロップメント

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ファカルティ・ディベロップメント (Faculty Development、FD) は 「大学教員の教育能力を高めるための実践的方法」で、大学の授業改革のための組織的な取り組み方法を指す。ファカルティ=Facultyは教員の組織や集団、ディベロップメント=developmentは能力開発、である。類似語にスタッフ・ディベロップメント (Staff Development, SD) 、プロフェッショナル・ディベロップメント (Professional Development, PD) があり、大学教職員や大学組織の職能開発の取り組みとして、広義のファカルティ・ディベロップメントが提唱される[1]。広範領域を指す教育開発 (Educational Development) は、大学開発 (Academic Development) とその質を向上させる支援活動を包含する。

日本語表記は「development」の音写に揺れがあり、文部科学省ファカルティ・ディベロップメントを多く用い[2]、ほかにファカルティ・デベロップメント[3]ファカルティディベロップメント[4]ファカルティデベロップメント[5]なども散見される。

歴史

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大学は教育評価として「授業評価システム」を導入して教員の気付きを企図するが、かつては多くの大学で教員らが「評価」に対して組織的に抵抗した。アメリカの大学で教育評価が標準化され、日本も2000年以降に採用した。「授業評価システム」は5点満点の減点法で、創造的な授業開発が十分に評価されず、学生の期待を上回った授業を提供することに十分な「評価」が行われていない、と教員らは批判している[6][7]

制度

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文部科学省は学校教育法の一部を改正する法律(平成17年法律第83号)を根拠法に、学校教育法施行規則等の一部を改正する省令(平成18年文部科学省令第11号)で「大学院設置基準」(昭和49年文部省令第28号)を一部改正し、平成19年度に大学院から導入を義務付け[8]、大学設置基準等の一部を改正する省令(平成19年文部科学省令第22号)で「大学設置基準」(昭和31年文部省令第28号)を一部改正し、大学、短期大学、高等専門学校も平成20年度に導入した[9]

方法

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洞口治夫『ファカルティ・ディベロプメントhttp://www.hakutou.co.jp/detail/class_code/55071/ は「添削」を重視し、日本の教育で軽視された基本的な教育方法であるとしている。

脚注

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  1. ^ FDの定義・内容について(文部科学省 中央教育審議会大学分科会第21回資料)
  2. ^ 大学教員及びファカルティ・ディベロップメント等に関する参考資料”. 文部科学省. 2019年9月25日閲覧。
  3. ^ ファカルティ・デベロップメントとIT活用 : 大学教育への提言 2006年版 私立大学情報教育協会”. 国立国会図書館. 2019年9月25日閲覧。
  4. ^ 大学教員のファカルティディベロップメントについて”. 文部科学省. 2019年9月25日閲覧。
  5. ^ 平成17年度大学教育の国際化推進プログラム(海外先進教育実践支援)選定取組みの概要及び選定理由”. 文部科学省. 2019年9月25日閲覧。
  6. ^ 安岡高志、及川義道、渡辺律子、吉川政夫、高野二郎、光澤舜明、香取草之助、「(フォーラム)学生による授業評価項目および授業評価結果の利用法に関するアンケート調査」、一般教育学会誌、15(22)、pp.148-158 (1993)
  7. ^ J.ローマン・阿部美哉監訳、大学のティーチング、玉川大学出版部 (1987)  アメリカの状況
  8. ^ 平成18年5月17日付け18文科高第133号文部科学事務次官通知「大学等の教員組織の整備に係る学校教育法の一部を改正する法律等の施行について
  9. ^ 平成19年7月31日付け19文科高第281号文部科学省高等教育局長通知「大学設置基準等の一部を改正する省令等の施行について

参考文献

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関連項目

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外部リンク

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