フィリップ・ジェイムズ・ハミルトン・グリァスン
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フィリップ・ジェイムズ・ハミルトン・グリァスン(ハミルトン・グリアソンとも[1]、Philip James Hamilton-Grierson, 1851年3月9日 - 1927年4月25日[2])は、イギリス出身の法律家、人類学者。
生涯・研究
[編集]スコットランドに生まれる。1867年にオックスフォード大学を卒業し、スコットランド各地の法曹界で活動し、治安判事や訴訟弁護士を務める。各誌に寄稿する一方で法律書の編纂などを行い、1910年に受爵。
沈黙交易(The Silent Trade)、無言取引(Stummer Handel)、集積所商業(Le Commerce par depots)と呼ばれる慣習に注目し、著書『沈黙交易』を発表した。そのなかで、人類史における平和が、原初的市場の中立性、異人(客人)の保護=歓待の仕組みに深くかかわっていると述べた。研究においては、人類学の文献の他に、『法における目的』をはじめとするルドルフ・フォン・イェーリングの成果を援用している。
『沈黙交易』の中では、交易の変化について、以下のような類型を示唆した。
- 姿を見せぬ交易(インヴィジブル・トレード)
- 姿を見せる交易(ヴィジブル・トレード)
- 客人招請(ゲスト・フレンドシップ)
- 姿を見せる仲介者づきの交易(ミドルマン・トレード)
- 集積所(デポ)
- 中立的交易
- 武装市場(アームド・マーケット)
- 定市場(レギュラー・マーケット)
グリァスンは、市場の存在によって特定の場所に平和が保存され、それが市場への路や人物にも広がることで、友好や歓迎のサインや、異人を保護する数々の慣習を生んだとする。こうして、平和の範囲が進展すると論じた[3]。
主要著作
[編集]参考文献・出典
[編集]- 中村勝 「市場史研究の人類学的方向—H・グリァスンに学ぶ—」(『沈黙交易』収録)
- ^ 栗本慎一郎『法・社会・習俗 法社会学序説』同文舘出版、1981年
- ^ フィリップ・ジェイムズ・ハミルトン・グリァスン - Find a Grave
- ^ グリァスン 『沈黙交易』 第3章