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フィーンギンの夜番

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

フィーンギンの夜番」 (Airne Fingein) は歴史物語群に分類されるアイルランドの伝承。伝説上の王である百戦のコン英語版の誕生に纏わる予言を取り扱う。14世紀から15世紀に書かれた四つの写本に現存するが、成立は9世紀と考えられている。

あらすじ

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小国の王フィーンギン・マク・ルフタ[注 1]サウィンに夜番をしていた。 毎年サウィンには妖精塚から女妖精のロトニアウ[注 2]が訪れて、次の年のサウィンまでに起きる出来事を予言していたのである。 果たして、今年もロトニアウはやってきて、今晩フェドリミド王が授かる男子が将来アイルランドを統一し、以後その王朝が53代にわたって続くであろうことを始めとした多くの予言を授けた。

予言を受けたフィーンギンは大いに落胆して[注 3]、自らの国を出奔して隠遁した。フィーンギンはアイルランドの中でただ一人、予言された王である百戦のコンに従わぬ人物となっていたが、後に彼に50年間仕えて17の戦で勝利を収め、その後に戦死した。

外部リンク

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注釈

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  1. ^ 赤牛の書』版の「クーフリンの病」で言及される Tigernach Tétbuillech の兄弟とされる。
  2. ^ 『Fermoyの書』版では女妖精の名はBachtであるとされる。
  3. ^ この説話はフィーンギンが落胆した理由を明らかにしないが、ディンヘンハス英語版によればかつて彼はロトニアウにアイルランド王になることを保証されていた。従って、百戦の王コンの誕生によってこの野心が潰えたためだと考えられる[1]

参考文献

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