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フォルミダビーレ (装甲艦)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

フォルミダビーレ (Formidabile) はイタリア海軍の舷側砲門艦[1]。一等装甲蒸気コルベット[2]フォルミダビーレ級

フォルミダビーレ級はフランスのForges et chantiers de la Méditerranéeに浮砲台として発注されたが、建造中に装甲コルベットへ変更された[3]。1860年12月起工[1]。1861年10月1日進水[1]。1862年5月竣工[1]

常備排水量2682トン、満載排水量2618トン、全長215フィート10インチ (65.80m)、垂線間長206フィート10インチ (63.05m)、幅47フィート3インチ (14.44m)[1]。または常備排水量2700トン、満載排水量2854トン、全長65.8m、垂線間長64.0m、幅13.6m[2]。満載排水量2756トン[3]とも。船体は木製[3]

蒸気往復動機関1基、角缶6基搭載[4]。一軸推進[1]。出力1080指示馬力で、速力10ノット[1]。航続距離は10ノットで約1300浬[1]。帆装は三檣スクーナー[1]

兵装は164mm砲16門と203mm砲4門[1]。164mm施条砲16門[2]とも。

装甲厚は舷側4.3インチ、シタデル4インチ[1]。または舷側115mm、シタデル100mm[3]。もしくは舷側109mm、砲門部100mm[5]

1866年6月20日、イタリアはオーストリアに宣戦布告し第3次イタリア独立戦争が始まる。7月16日、ペルサーノ提督率いるイタリア艦隊はアンコーナからリッサ島へ向け出撃した[6]。7月18日、艦隊はリッサ島に到着し、攻撃を開始[7]。「フォルミダビーレ」は「レ・ディタリア」などとともにPorto San Giorgio攻撃を行った[8]。翌日は「フォルミダビーレ」は港内に入り、砲台と交戦[9]。死者3名、負傷者55名ないし41名を出した[10]。装甲は貫通されなかったが、装甲の無い上部は穴だらけとなり、砲1門を失い、砲眼6か所で覆いが破壊された[11]。最後のものは荒れた海での浸水につながりかねなかった[10]。これが「フォルミダビーレ」の翌日の行動の理由となる[10]。20日、オーストリア艦隊が現れたが、「フォルミダビーレ」は損傷のためアンコーナへ向かうと伝え、リッサ島水域を離れた[12]

練習艦時代の「フォルミダビーレ」[2]

1878年、兵装が8インチ砲8門となる[1]。1887年、砲術練習艦となり、兵装は7インチ砲6門となった[1]。ラ・スペチア砲術水雷学校の練習艦であった就役から30年後の時点で、9種類の砲が搭載されていた[2]とも。1903年[1]または1904年7月25日に除籍され[2]、その後解体された[3]

脚注

[編集]
  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n Conway's All the World's Fighting Ships 1860-1905, p. 337
  2. ^ a b c d e f 『イタリア戦艦史』9ページ
  3. ^ a b c d e "Capital Ships of the Royal Italian Navy", p. 328
  4. ^ 『イタリア戦艦史』9、105ページ
  5. ^ 『イタリア戦艦史』105ページ
  6. ^ Ironclads at War, p. 223, Batlleships in Action Vol.1, p. 48
  7. ^ "Capital Ships of the Royal Italian Navy", p. 325
  8. ^ Ironclads at War, p. 225
  9. ^ Ironclads at War, p. 225, Ironclads in Action, p. 223
  10. ^ a b c Ironclads at War, p. 226
  11. ^ Ironclads at War, p. 226, Ironclads in Action, p. 223
  12. ^ Ironclads at War, pp. 227-228, 230

参考文献

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  • 『イタリア戦艦史』世界の艦船1994年8月号増刊、増刊第41集、海人社、1994年
  • Conway's All the World's Fighting Ships 1860-1905, Conway Maritime Press. 1979, ISBN 0-8317-0302-4
  • Aldo F. Ordovini, Fulvio Petronio, David M. Sullivan, "Capital Ships of the Royal Italian Navy, 1860-1918: Part I: The "Formidabile, Principe di Carignano, Re d'Italia, Regina Maria Pia, Affondatore, Roma", and "Principe Amedeo" Classes", Warship International, Vol. 51, No. 4, 2014, pp. 323-360
  • Jack Greene, Alessandro Massignani, Ironclads at War: The Origin and Development of the Armored Warship, 1854-1891, Combined Publishing, 1998, ISBN 0-938289-58-6
  • H. W. Wilson, Batlleships in Action Vol.1, Ryerson Press, 1926
  • H. W. Wilson, Ironclads in Action: A Sketch of Naval Warfare from 1855 to 1895 vol. 1 Fifth Edition, Sampson Low, Marston and Company, 1897