フォーリング 50年間の想い出
フォーリング 50年間の想い出 | |
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Falling | |
監督 | ヴィゴ・モーテンセン |
脚本 | ヴィゴ・モーテンセン |
製作 |
ヴィゴ・モーテンセン ダニエル・ベーカーマン クリス・カーリング |
製作総指揮 |
イーサン・ラザー ピーター・タッチ フィリップ・ウェイリー |
出演者 |
ヴィゴ・モーテンセン ランス・ヘンリクセン スヴェリル・グドナソン ローラ・リニー |
音楽 | ヴィゴ・モーテンセン |
撮影 | マルセル・ザイスキンド |
編集 | ロナルド・サンダース |
製作会社 |
パーシヴァル・ピクチャーズ インジーニアス・メディア シージア・フィルムズ アシル・プロダクションズ ゼファー・フィルムズ |
配給 |
モダン・フィルムズ キノシネマ |
公開 |
2020年12月4日 2021年11月12日 |
上映時間 | 112分[1] |
製作国 |
イギリス カナダ デンマーク |
言語 |
英語 スペイン語 |
興行収入 | $1,403,091[2] |
『フォーリング 50年間の想い出』(フォーリング ごじゅうねんかんのおもいで、Falling)は2020年のイギリス・カナダ・デンマークのドラマ映画。監督・主演はヴィゴ・モーテンセンが務めた。本作はモーテンセンの映画監督デビュー作で、自ら半自伝的な脚本を執筆し、共同製作や音楽も兼任し、頑固で厄介者の父親と息子の半世紀にわたる愛憎劇を描いている[3]。
ストーリー
[編集]旅客機パイロットのジョンは、同性パートナーのエリックや養女のモニカと穏やかな家庭を築いていた。現在のジョンの心配事は、年老いた父ウィリスの認知症である。故郷の農場で一人暮らしのウィリスを、近場の老人ホームに入れる為に、ロサンゼルスの自宅に連れ帰るジョン。
父ウィリスは生来のモラハラ加害者で、他人の気持ちを顧みない男だった。ジョンの母グウェンは、幼いジョンと妹サラを連れて離婚し、すでに亡くなっている。更に認知症が加わった今、ウィリスは所構わずNGワードを吐き散らし、周囲を困惑させた。そんなウィリスでも父として交流して来た過去の記憶を辿りつつ、辛抱強く対峙し続けるジョン。
ジョン一家と食事に出れば、一人で行方不明になるウィリス。時間の概念が曖昧になっているウィリスの中でも、現在と過去の記憶が交錯する。ジョンが生まれた頃の穏やかな日々など、親子の間には確かに幸福な思い出もあったのだ。
老人ホームヘの入居計画を忘れ、家に戻ると言い張るウィリス。これまでの教訓から争いを避け、ウィリスに付き添って農場に帰るジョン。そんなジョンを罵倒するウィリス。耐え切れず激しく言い返すジョン。だが、感情を曝け出したことで、かえって親子は穏やかな心を取り戻した。父への干渉を止め、パイロットとしての日常生活に戻るジョン。自宅で思うままに生活したウィリスは、ある日、作業中に満足して亡くなるのだった。
キャスト
[編集]- ジョン・ピーターソン: ヴィゴ・モーテンセン - パイロット。
- 15歳時: ウィリアム・ヒーリー
- 10歳時: エチエンヌ・ケリッチ
- 5歳時: グレイディ・マッケンジー
- ウィリス・ピーターソン: ランス・ヘンリクセン - ジョンの認知症の父。
- 若い頃: スヴェリル・グドナソン
- サラ・ピーターソン:ローラ・リニー - ジョンの妹。ウィリスの娘。
- 10歳時: エヴァ・コシェル
- 5歳時: カリーナ・バトリック
- グウェン・ピーターソン: ハンナ・グロス - ジョンとサラの母。ウィリスの妻。
- エリック: テリー・チェン - ジョンの夫。
- ウィル: ピアース・ベイヴート - サラの息子。
- ポーラ: エラ・ジョナス・ファーリンガー - サラの娘。
- ジル: ブラッケン・バーンズ - ウィリスの再婚相手。
- モニカ: ギャビー・ヴェイルス - ジョンとエリックの養女。
- 医者: デヴィッド・クローネンバーグ - ウィリスの直腸検査をした医師。
- 医者: ポール・グロス - ウィリスの手術をした医師。
製作
[編集]2018年10月15日、ヴィゴ・モーテンセンの映画監督デビュー作にランス・ヘンリクセンとスヴェリル・グドナソンが出演することになったと報じられた[4]。2019年2月、本作の主要撮影がカナダのトロントで始まった[5]。3月21日、ローラ・リニー、ハンナ・グロス、テリー・チェンの起用が発表された[6]。2021年1月29日、本作のサウンドトラックが発売された[7]。
公開・マーケティング
[編集]2019年5月15日、本作の劇中写真が初めて公開された[8]。2020年1月31日、本作はサンダンス映画祭でプレミア上映された[9]。8月28日、本作のオフィシャル・トレイラーが公開された[10]。9月11日、第45回トロント国際映画祭で本作の上映が行われた[11]。12月8日、クイーヴァー・ディストリビューションが本作の全米配給権を購入したとの報道があった[12]。
評価
[編集]本作は批評家から好意的に評価されている。映画批評集積サイトのRotten Tomatoesには84件のレビューがあり、批評家支持率は70%、平均点は10点満点で6.2点となっている。サイト側による批評家の見解の要約は「ストーリーはジョンとウィリスの関係と同じくらい複雑かつ混線している。『フォーリング 50年間の想い出』は似たような展開が繰り返され、観客はうんざりさせられるかもしれない。しかし、入魂の一作であることは間違いない。」となっている[13]。また、Metacriticには20件のレビューがあり、加重平均値は67/100となっている[14]。
出典
[編集]- ^ “フォーリング 50年間の想い出”. 映画.com. 2021年9月11日閲覧。
- ^ “Falling” (英語). The Numbers. 2022年9月27日閲覧。
- ^ “フォーリング 50年間の想い出”. WOWOW. 2022年9月27日閲覧。
- ^ McNary, Dave (2018年10月15日). “Viggo Mortensen to Star, Make Directorial Debut in Family Drama ‘Falling’” (英語). Variety 2021年2月4日閲覧。
- ^ “Viggo Mortensen is filming a movie in Toronto” (英語). blogTO (2019年2月14日). 2021年2月4日閲覧。
- ^ Wiseman, Andreas (2019年3月21日). “Laura Linney, Terry Chen & Hannah Gross Join Viggo Mortensen’s Directorial Debut ‘Falling’, Shoot Underway In Toronto” (英語). Deadline.com 2021年2月4日閲覧。
- ^ “Soundtrack Album for Viggo Mortensen’s ‘Falling’ Released” (英語). Film Music Reporter. (2021年2月1日) 2021年2月4日閲覧。
- ^ Grater, Tom (2019年5月15日). “Viggo Mortensen talks directing debut 'Falling'; first look at family drama (exclusive)” (英語). Screen Daily 2021年2月4日閲覧。
- ^ Siegel, Tatiana (2019年12月4日). “Sundance Unveils Female-Powered Lineup Featuring Taylor Swift, Gloria Steinem, Abortion Road Trip Drama” (英語). The Hollywood Reporter 2021年2月4日閲覧。
- ^ “FALLING (2020) - International Trailer” (英語). YouTube. HanWay Films (2020年8月28日). 2021年2月4日閲覧。
- ^ Wiseman, Andreas (2020年7月30日). “Toronto Sets 2020 Lineup: Werner Herzog, Regina King, Mira Nair, Francois Ozon, Naomi Kawase Titles Join Hybrid Edition” (英語). Deadline.com 2021年2月4日閲覧。
- ^ Hipes, Patrick (2020年12月8日). “Viggo Mortensen’s Directorial Debut ‘Falling’ Gets February U.S. Release Date In Quiver Deal – Watch New Trailer” (英語). Deadline.com 2021年2月4日閲覧。
- ^ "Falling". Rotten Tomatoes (英語). 2021年2月4日閲覧。
- ^ "Falling" (英語). Metacritic. 2021年2月4日閲覧。