フサゲモクズ
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フサゲモクズ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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フサゲモクズ Ptilohyale barbicornis
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分類 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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フサゲモクズは日本全国の海岸に生息する小型の甲殻類である。 1980年代まで本種はアメリカ西海岸に生息するAllorchestes plumicornisと同種であると理解されていた(永田 1965)。しかし、分類学的検討を経て新種と判明し、1981年にHyale barbicornisとして記載された(Hiwatari & Kajihara 1981)。その後、Bousfield & Hendrycks (2002) は本種を含むPtilohyale属を創設しているが、この処置を認めず、Hyale属として扱う文献もある(有山 2012)など。
分布
[編集]生態
[編集]- 潮間帯上部でよく見られ、礫浜,砂泥底など多様な環境に生息する。転石下や海藻表面に付着しており、身体が水から離れると、少し跳躍して逃げる。
- 交尾前ガードを行う。
形態
[編集]- 体長1cm程度。
- オスの第2触角下縁によく発達した剛毛束を持つことで、他のモクズヨコエビ科から識別することができる。ただし、剛毛束をもつヨコエビは他にもおり、同定には注意が必要である。
- 体色は暗緑色、または淡橙色を帯びる。
脚注
[編集]参考文献
[編集]- 有山啓之 著「端脚目」、今原幸光 編『写真でわかる磯の生き物図鑑』トンボ出版、2012年。ISBN 978-4-88716-176-4。
- Bousfield, E.; Hendrycks, E. (2002), “The talitroidean amphipod Family Hyalidae revised, with emphasis on the North Pacific Fauna: Systematics and distributional ecology”, Amphipacifica 3 (3): 7–134
- 平山明 著、西村三郎 編『原色検索日本海岸動物図鑑[II]』保育社、東京、1995年。
- Hiwatari, T.; Kajihara, T. (1981), “Taxonomy of The Family Hyalidae (Amphipoda, Crustacea) in Japan I. three new species of The genus Hyale”, Proceedings of the Japanese Society of Systematic Zoology (20): 21–34
- Hiwatari, T.; Shinotsuka, Y.; Morino, H.; Kohata, K. (2011), “Phylogenetic relationships among families and genera of talitroidean amphipods (Crustacea) deduced from 28S rRNA gene sequence”, Biogeography 13: 1–8
- Lowry, J.; Myers, A. (2019), “New genera of Talitridae in the revised Superfamily Talitroidea Bulycheva 1957 (Crustacea, Amphipoda, Senticaudata)”, Zootaxa 4553 (1): 1–100
- 永田樹三 著、岡田要 編『新日本動物圖鑑』北隆館、東京、1965年。