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フジクローム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
フジクロームT64から転送)
フジクローム
Fujichrome
フジクロームベルビア100/135フィルム
製造元: 日本の旗 富士フイルム
ISO感度: 50-400
増感: +2絞り/+1絞り/なし
形式: カラー リバーサル
色温度: デイライト
現像: CR-56現像 / E-6現像
フォーマット: 135120シートフィルムシングル8
RMS粒状度: 7-11
彩度: 標準彩度/高彩度/超高彩度/超極彩度
製造開始: 1972年12月
URL: フジクローム

フジクローム英語: Fujichrome )は、富士フイルムカラーリバーサルフィルムブランドである[1]。同ブランドのもと、ベルビアプロビア等の銘柄がある[1]8mmフィルムの規格であるシングル8用フィルムも、「フジクローム」ブランドである[2]

略歴・概要

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1948年(昭和23年)、富士フイルム初のカラーリバーサルフィルム「フジカラーリバーサルフィルム」(外型・感度ISO10)を発売、1969年(昭和44年)には内型反転方式のシートフィルムを発売、という前史を受けて、1972年(昭和47年)12月、120フィルムでのフジクロームプロフェッショナル120 タイプD(デイライト)とフジクロームプロフェッショナル120 タイプT(タングステン)を発売して、フジクロームラインがスタートする[3]

映画用フィルムにおいても、翌1973年(昭和48年)3月、内型反転方式のフジクロームRT200(タングステン、ISO200)を発売している[4]。1975年(昭和50年)3月にはフジクロームR25(デイライト、ISO25)、1976年(昭和51年)4月にはそれぞれのサウンド用フィルム、同年12月にはそれぞれのアフレコ用フィルムを発売し、シングル8用フィルムのラインナップが6種類に増えた[4]

1978年(昭和53年)10月、フジクローム100プロフェッショナル タイプD(デイライト、ISO100)、翌1979年(昭和54年)3月、フジクローム64プロフェッショナル タイプT(タングステン、ISO64)を発売している[3]。1980年(昭和55年)4月、フジクローム400プロフェッショナル タイプD(デイライト、ISO400)を発売した[3]

1983年(昭和58年)3月には、「ニューフジクローム」と称したラインナップを発表している[5]フジクローム50プロフェッショナルD(デイライト、感度ISO50)、フジクローム100プロフェッショナルD(デイライト、感度ISO100)、フジクローム64プロフェッショナルT(タングステン、感度ISO64)、フジクロームデュプリケーティングフィルム(複製専用)の4種である[5]

1990年(平成2年)3月、ベルビア、1994年(平成6年)2月、プロビアを発表した[6]

映画用フィルムは、1999年(平成11年)3月1日にラインナップを刷新、従来の6種類を全廃し、フジクロームR25N(デイライト、ISO25)とフジクロームRT200N(タングステン、ISO200)の2種類に絞った[7]

2000年(平成12年)7月、プロビア100Fプロフェッショナル(RDPIII)、プロビア400Fプロフェッショナル(RHPIII)を発売、同年10月にはトレビ400、翌2001年(平成13年)7月にはトレビ100Cを発売した[8]。2003年(平成15年)7月には、「ベルビア」シリーズに100F100、新シリーズ「アスティア」に100F、さらにセンシアIII100を発売してラインナップを刷新した[8]。2004年(平成16年)7月には、「フォルティア」を発売している[8]

2011年(平成23年)9月5日、「フジクロームセンシアIII100」の135フィルム、タングステン光源用フィルムフジクロームT64の135フィルムが同年12月に販売終了、「フジクロームアスティア100F」の120フィルム220フィルムシートフィルム(4×5in判、8×10in判、および4×5クイックロードタイプ)が2012年(平成24年)3月に販売終了することをアナウンスした[9]

製品

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フジクロームT64
(RTP)
製造元: 日本の旗 富士フイルム
ISO感度: 64/19
増感: +1絞り
形式: カラー リバーサル
色温度: タングステン
現像: CR-56現像 / E-6現像
フォーマット: 135120フィルムシートフィルム
RMS粒状度: 7
彩度: 高彩度
用途: インテリア・建築写真、イラスト・絵画の複写
製造開始: 2005年
製造終了: 2011年12月31日
後継製品: なし
URL: データシート
備考: 略歴
1979年 フジクローム64プロフェッショナル タイプT
1983年 フジクローム64プロフェッショナルT
2005年 現行

T64

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フジクロームT64(フジクロームティろくじゅうよん、英語: Fujichrome T64)は、2005年(平成17年)に発売された富士フイルムカラーリバーサルフィルム写真フィルムである。

同製品は、1979年(昭和54年)3月に発売された フジクローム64プロフェッショナル タイプT、1983年(昭和58年)3月に「ニューフジクローム」と銘打たれたラインナップのひとつとして発売されたフジクローム64プロフェッショナルTの後継製品である[3][5]

粒状性はRMS:7であり、ISO 64の感度レヴェルのリバーサルフィルムとしては世界最高レヴェルの質感描写が可能であるとされる[10]。「アスティア100F」「ベルビア100F」で初めて実現した「多重色補正層技術」と「新世代カプラー」を採用しており、色相忠実性が高い[10]。インテリア写真や建築写真、商品写真、イラスト・絵画の複写撮影に最適とされる[10]

デイライト(太陽光)下では、「富士色温度変換フィルターLBA-12」あるいは「同LBA-2」、「ラッテンフィルターNo. 85B」を必要とする[10]

ロールフィルムでは、135フィルムでは厚さ0.127ミリメートル、120フィルムでは厚さ0.098ミリメートルのセルローストリアセテートを支持体とし、4×5in判(シノゴ)と8×10in判(バイテン)のシートフィルムでは、厚さ0.175ミリメートルのポリエステルを支持体とする[10]

現像処理は、「フジクロームフィルムプロセスCR-56」を同社は指定しており、これはコダックのカラーリバーサルフィルム「エクタクローム」現像処方である「E-6現像」と互換性があり、同社は後者の処方でも現像可能であると明言している[10]

小型映画用フィルムを製造販売するサードパーティであるドイツのヴィットナー・シネテックは、本製品を原反に、スーパー8およびダブル8用フィルム「ヴィットナークロームF64T」 を、日本のレトロエンタープライズとドイツのGKフィルムの2社が共同開発したスーパー8およびシングル8用フィルム「シネビアT64プロフェッショナル」を製造販売している[11][12][13]

2011年(平成23年)9月5日、同年12月の製造終了がアナウンスされ、富士フイルムが製造する「タングステン光源用フィルム」のすべてが生産終了になった[14]

フジクロームR25N
Fujichrome R25N
製造元: 日本の旗 富士フイルム
ISO感度: 25
形式: カラー リバーサル
色温度: デイライト
現像: CR-56現像 / E-6現像
フォーマット: シングル8
製造開始: 1999年3月1日
製造終了: 2012年3月31日
後継製品: なし
備考: 略歴
1965年 フジカラーR25
1975年 フジクロームR25
1999年 現行

R25N

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フジクロームR25N(フジクロームアールにじゅうごエヌ、英語: Fujichrome R25N)は、1999年(平成11年)に発売された富士フイルムカラーリバーサルフィルム映画用フィルムシングル8)である。デイライトタイプ、ISO25。

同製品は、1965年(昭和40年)4月に発売された外型リバーサルフィルムフジカラーR25を原点に、1975年(昭和50年)3月に発売された内型リバーサルフィルムフジクロームR25、および1976年(昭和51年)4月発売のフジクロームR25サウンドあるいは同年12月発売のフジクロームR25アフレコの後継製品として、その3製品の全廃とともに1999年3月1日に発売された[7]。2012年(平成24年)3月、販売終了し、同社のシングル8用フィルムはすべてが全廃となる[14]

1999年3月1日に、本製品と同時発売されたタングステンタイプ・ISO200の内型リバーサルフィルムフジクロームRT200Nは、すでに2010年(平成22年)5月に販売終了している[14]

現行製品

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2018年12月現在の現行製品の一覧である[1]。それ以前の製品については、リバーサルフィルム#フジクロームを参照。「フォルティア」「トレビ」「センシア」「アスティア」は既に生産終了している。ベルビア100Fは、HP上の記載はあるが、既に出荷終了している[15]

  • ベルビア
    • フジクロームベルビア50 - デイライト、ISO50
    • フジクロームベルビア100 - デイライト、ISO100
    • フジクロームベルビア100F - デイライト、ISO100 ※4×5、8×10のシートフィルムのみ
  • プロビア
    • フジクロームプロビア100F - デイライト、ISO100

脚注

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  1. ^ a b c リバーサルフィルム富士フイルム、2018年12月6日閲覧。
  2. ^ シングル-8用フィルム「FUJICHROME R25N」「FUJICHROME RT200N」販売および現像終了のご案内 Archived 2012年7月22日, at the Wayback Machine.、富士フイルム、2012年1月27日閲覧。
  3. ^ a b c d プロ用商品の充実、富士フイルム、2012年1月27日閲覧。
  4. ^ a b シングル8の展開、富士フイルム、2012年1月27日閲覧。
  5. ^ a b c プロフェッショナル写真市場向け商品のラインアップ、富士フイルム、2012年1月27日閲覧。
  6. ^ 富士フイルムのあゆみ 1990年、富士フイルム、2012年1月27日閲覧。
  7. ^ a b 新しい仕組みによるシングル8フィルム販売の御案内 (写し)、富士フイルム、2012年1月27日閲覧。
  8. ^ a b c 富士フイルムのあゆみ 2000年 Archived 2010年6月30日, at the Wayback Machine.、富士フイルム、2012年1月27日閲覧。
  9. ^ プロ用ネガフィルム・リバーサルフィルム・黒白フィルム 一部製品販売終了のご案内 Archived 2012年1月12日, at the Wayback Machine.、富士フイルム、2011年9月5日付、2012年2月2日閲覧。
  10. ^ a b c d e f データシート、富士フイルム、2012年1月27日閲覧。
  11. ^ Super8 - 15m Kassetten (ドイツ語), ヴィットナー・シネテック、2012年1月27日閲覧。
  12. ^ スーパー8フィルムレトロエンタープライズ、2012年1月27日閲覧。
  13. ^ シングル8フィルム Archived 2011年8月24日, at the Wayback Machine.、レトロエンタープライズ、2012年1月27日閲覧。
  14. ^ a b c シングル-8用フィルム「FUJICHROME R25N」「FUJICHROME RT200N」販売および現像終了のご案内 Archived 2012年7月22日, at the Wayback Machine.、富士フイルム、2012年1月27日閲覧。
  15. ^ 写真フィルム 一部製品の価格改定および販売終了のご案内 : お知らせ | 富士フイルムイメージングシステムズ株式会社”. ffis.fujifilm.co.jp. 2018年5月16日閲覧。

参考文献

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関連項目

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外部リンク

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