フリーエージェント (労働)
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フリーエージェント(free agent)とは、組織に雇われない働き方をする人々である。
主にインターネットを使って自宅で働き、アメリカでは労働人口の四分の一がこの働き方を選んでいる。
近年アメリカで注目されているフリーエージェントの議論は、日本ではまださほど議論されていない。日本において学術的にフリーエージェントの議論を展開しているのは、今のところ玄田有史と三島重顕である。玄田はDaniel Pink(2001)の邦訳である『フリーエージェント社会の到来』(ダイヤモンド社)に付録としてコメントを載せている。
定義
[編集](三島重顕 2006) はフリーエージェントを以下のように定義している。定義:「正規雇用者として組織に所属することなく、他者による時間的、空間的、対人関係的、また職務内容的な制限を受けずに、本人の自由裁量に基づいて働くこと」(正社員と比較して相対的に)。
分類
[編集]以下のように、(三島重顕 2006) は「能力」(十分に自活可能な経済的収入をもたらす専門的な知識や技能、または資本力、あるいはその両方を有すること)と「意図」(本人が自ら好んでフリーエージェントになったか否か)という2つの基準、ならびに「安定志向」と「やりがい志向」という副次的な基準から、フリーエージェントを4つに分類している。
- 独立独歩型
- 専門知識・技能といった能力があり、意図的にフリー・エージェントを選択したケース。やり甲斐志向の者が多いと思われる。しかし、専門知識を持たない安定志向の者でも、何らかの資本能力を持つならば独立できる。
- 環境不遇型
- 能力があるものの、正規社員となる機会に恵まれなかったため、非意図的にフリー・エージェントとなったケース。安定志向の者が多いと思われる。
- 自由尊重型
- 能力不足であるが、意図的にフリー・エージェントを選択したケース。能力を身につけて独立独歩型を目指すやりがい志向の者と、正社員を希望しながらも労働条件や将来性の悪化のため、意図的にフリー・エージェントを選択した安定志向の者とがある。
- 不可避型
- 能力不足かつ非意図的なフリー・エージェント。正社員を希望する安定志向の者が多いと思われる。
参考文献
[編集]- 三島重顕「フリー・エージェントの分類と動向:労働者の視点から」『經濟論叢』第177巻第1号、京都大學經濟學會、2006年1月、34-55頁、CRID 1390009224840464896、doi:10.14989/66350、hdl:2433/66350、ISSN 0013-0273。
- Pink Daniel H., 池村千秋, 玄田有史『フリーエージェント社会の到来 : 組織に雇われない新しい働き方』(新装版)ダイヤモンド社、2014年。ISBN 9784478029299。国立国会図書館書誌ID:025693960。
- 榎本正敏『21世紀社会主義化の時代 : 過渡期としての現代』社会評論社、2006年。ISBN 478451452X。国立国会図書館書誌ID:000008118842。