フレネミー
フレネミー(英:frenemy、/ˈfrenəmi/[1])とは、「friend」(友)と「enemy」(敵)を組み合わせた混成語で[1][2][3][4]、「友を装う敵」[2][3][4]または「ライバルと同時に友である者」[5][1]を意味する。
経緯
[編集]1953年には、「frienemies」という綴りが、当時のソ連国民を指す造語として、印刷媒体で使用されていた[6][7]。
OxfordDictionaries.comによると、1950年代には「frenemy」綴りもすでにあったとされる[1]。一方、Merriam-Webster.comによると、「frenemy」の使用が確認されている最古の例は1977年である[2]。
娯楽作品では、2000年にテレビドラマ『セックス・アンド・ザ・シティ』(HBO局)で使用されたのが最初だという説がある[8][9]。
2012年、ディズニー・チャンネルで『フレネミーズ』というテレビ映画が放送された[10][11]。異なる状況にある3組のフレネミーたちを描いたアンソロジー・ドラマである[12]。
日本においては、『an・an』の2010年5月12日号に「親友は本物? 巷にはびこる“フレネミー”に気をつけろ!」という特集記事が掲載され[13]、2012年5月には”フレネミー心理研究会”の監修による『フレネミーと賢くつき合う33の法則』が出版された[14]。
人間関係
[編集]フレネミーという言葉は、トゥイーン[15]向けの映画、文学、テレビ番組に頻繁に登場し、実社会においてもティーンやトゥイーンが同年齢・同等の者について使用する[3]。複数形はフレネミーズ(frenemies[1][2])であるが、(「友を装う敵」というニュアンスでの)フレネミーのグループを指して「mean girls」と言うこともある[3]。その他、「diva」「gossip girl」「poison pal」という類義語がある[3]。
『ビジネスウィーク』誌によると、職場におけるフレネミーも珍しくない。仕事環境が次第にカジュアルになるにつれ、仕事上の付き合いと個人的な生活が密接に絡み合うケースが多く見られるようになってきた。同僚との付き合いは過去にもなかったわけではないが、仕事が忙しいあまり、職場以外で友情を培うための時間が減り、その気も失せていく傾向があるという[16]。
アメリカ合衆国の精神科医でテレビやラジオのパーソナリティーも務めているポール・ドブランスキーは、フレネミーは「友人」にも「敵」にも「いじめっ子」にも成り得る前兆(precursor)だと分析する[8]。
フレネミーの例
[編集]- 歌手マライア・キャリーとニッキー・ミナージュは、ファッション面でフレネミーだとされている[17][18]。
- テレビドラマ『ゴシップガール』の登場人物、セリーナ・ヴァンダーウッドセンとブレア・ウォルドーフがフレネミー同士だとされる[19]。
- コメディアンのスティーヴン・コルベアは、『ザ・コルベア・レポー』(コメディ・セントラル局)において、中国がアメリカ合衆国にとってのフレネミーだというジョークを飛ばした[8][20]。
関連項目
[編集]脚注
[編集]- ^ a b c d e “frenemy”. OxfordDictionaries.com. 2012年11月6日閲覧。
- ^ a b c d “frenemy”. Merriam-Webster Online. 2012年11月6日閲覧。
- ^ a b c d e Jennifer O'Donnell. “Frenemy - What is a Frenemy?”. About.com. 2012年11月6日閲覧。
- ^ a b “フレネミー【frenemy/frienemy】の意味 - 国語辞書”. goo辞書. 2012年11月6日閲覧。
- ^ Oxford English Dictionary online, draft entry, December 2008
- ^ Winchell, W. (1953年5月19日). “Howz about calling the Russians our Frienemies?”. Nevada State Journal (Gannett Company)
- ^ Austin Ramzy (2009年11月16日). “Obama in Asia: Five Things the U.S. and China Agree On”. TIME. 2012年11月6日閲覧。
- ^ a b c Paul Dobransky, M.D. (2010年3月31日). “How to Spot Friends, Enemies, Frenemies and Bullies”. The Urban Scientist. Psychology Today. 2012年11月6日閲覧。
- ^ en:Frenemies (SATC episode)も参照。
- ^ “ディズニー・チャンネル 5月「フレネミーズ」「シェキラ!」他”. TVグルーヴ (2012年3月16日). 2012年11月6日閲覧。
- ^ アメリカ合衆国とカナダでは1月13日、日本では5月6日放送。
- ^ “Frenemies”. ディズニー・チャンネル. 2012年11月6日閲覧。
- ^ “親友は本物? 巷にはびこる“フレネミー”に気をつけろ!”. an・an X BRAND. 2012年11月6日閲覧。
- ^ “フレネミーと賢くつき合う33の法則(フレネミー心理研究会/監修)”. Webcat Plus. 2012年11月6日閲覧。
- ^ 「teen」と「between」をかけた造語で、子どもとティーンエイジャーの間のこと。特に女の子を指すことが多い。具体的な年齢については、10 - 12歳、8 - 12歳、9 - 14歳など、諸説ある。
- ^ Frenemies at Work Archived 2007年10月25日, at the Wayback Machine. Liz Ryan, BusinessWeek. 2007年6月14日.
- ^ Jeanette Batur (2012年10月9日). “American Idol's Mariah Carey and Nicki Minaj Are Fashion Frenemies”. E! Online. 2012年11月6日閲覧。
- ^ “Mariah Carey and Nicki Minaj: Fashion Frenemies”. 2012年11月6日閲覧。
- ^ “'Gossip Girl' recap: The great frenemy fake-out” (2010年9月28日). 2012年11月6日閲覧。
- ^ “The Word - Apocalypse Mao: Murdered by the Orient's Success - Frenemy”. The Colbert Report (2007年2月13日). 2012年11月6日閲覧。(ビデオ)
外部リンク
[編集]- Do you have a 'frenemy'? - CNN. 2007年8月27日.
- Why do women have frenemies? - CNN. 2009年8月24日.
- Sir Martin sorrell discusses medi changes - Australian Broadcasting Corporation. 2006年11月23日.
- LA Times: Google an ally, not a threat, media exec says - ロサンゼルス・タイムズ. 2007年1月8日.
- 友達の顔した敵!? 「フレネミー」は占星術で発見できる - Excite エキサイト