ブクルLF
ブクルLF Bucur Low Floor ブクルLF-CH ブクルLF-CA | |
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量産車(2012年撮影) | |
基本情報 | |
運用者 | ブカレスト交通協会 |
製造所 | 中央修理工場(URAC) |
製造年 | 2009年 - |
製造数 | 16両(2019年現在) |
投入先 | ブカレスト市電 |
主要諸元 | |
軸配置 | B′+2′+B′ |
軌間 | 1,435 mm |
電気方式 |
直流750 V (架空電車線方式) |
最高速度 | 60 km/h |
車両定員 |
160人(乗客密度4人/m2時) 220人(乗客密度6人/m2時) 238人(乗客密度6.6人/m2時) |
車両重量 | 34.0 t |
全長 | 25,390 mm |
全幅 | 2,450 mm |
全高 | 3,500 mm |
床面高さ |
360 mm(低床部分) 990 mm(高床部分) |
車輪径 |
700 mm(動力台車) 590 mm(付随台車) |
固定軸距 | 1,800 mm |
主電動機 | MAB T10 |
主電動機出力 | 240 kW |
出力 | 480 kW |
制御方式 | 電機子チョッパ制御、VVVFインバータ制御 |
制動装置 | 回生ブレーキ、油圧式ディスクブレーキ、スプリングブレーキ、電磁吸着ブレーキ |
備考 | 主要数値は[1][2][3][4]に基づく。 |
ブクルLF(Bucur LF、Bucur Low Floor)は、ルーマニアの路面電車であるブカレスト市電に在籍する車両の形式。車内の多くがバリアフリーに適した低床構造となっている超低床電車(部分超低床電車)である[1][2][3][4]。
概要
[編集]ルーマニアの首都・ブカレストで路面電車(ブカレスト市電)を運営するブカレスト交通会社は、主に路面電車車両の生産や改造を手掛ける中央修理工場(Uzina de Reparaţii „Atelierele Centrale”、URAC)を有している。同工場では2000年代以降、バリアフリーに適した低床構造を有する超低床電車の研究が行われ、2004年にこの構造を可能とした台車の開発が完了した。そして既存の車両の改造や機器を流用した部分超低床電車の製造が実施された後、2009年に初の新造超低床電車となる試作車が作られた。これが「ブクルLF(Bucur LF)」である[1][2][4]。
中間に全長が短い車体を挟んだ3車体連接車で、運転台や乗降扉は片側のみに設置されている。前後車体の端に動力台車が設置されており、この部分を除いた車内の65 %以上が床上高さ360 mmの低床構造となっている。乗降扉は車体右側に計5箇所設置されており[注釈 1]、両開き扉は全て低床部分に存在する。車内の座席は前後車体にクロスシート、中間車体にロングシートとなっており、乗降扉の間には車椅子用スペースが設けられている。また、開発目標の1つにエネルギー消費量の削減があり、制動装置に電力が回収可能な回生ブレーキが用いられているのはその一環である[1][2][3]。
2011年から量産が始まり、2019年時点で試作車を含め16両(401 - 416)が在籍する。そのうち試作車(401)と2011年製の4両(402 - 405)は主電動機に直流電動機を用い電機子チョッパ制御装置を搭載している一方、翌2012年以降の量産車(406 - 416)は誘導電動機およびVVVFインバータ制御装置に改められ、エネルギー消費量が更に削減されている。更に、ブカレスト市電を運営するブカレスト交通協会は2019年に18両(417 - )の追加発注を実施し、翌2020年から納入が始まっているが、この追加発注車両については低床部分が車内全体の70 %に増加している。これらの「ブクルLF」については、以下のような形式名で区分が行われている[4][5][6]。
- ブクルLF(Bucur LF) - 2009年製の試作車。
- ブクルLF-CH(Bucur LF-CH) - 2011年に製造された直流電動機・電機子チョッパ制御装置を用いた車両。
- ブクルLF-CA(Bucur LF-CA) - 2012年以降製造されている、誘導電動機・VVVFインバータ制御装置を搭載した車両。2019年に発注が行われた増備車も含む。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 前方に設置された片開き扉は乗務員扉である。
出典
[編集]- ^ a b c d “Uzina de Reparaţii - Atelierele Centrale -”. Societatea de Transport București. 2020年12月5日閲覧。
- ^ a b c d “BUCUR LF-CA Tramvai articulat cu podea coborâtă - 65%”. Uzina RATB. 2020年12月5日閲覧。
- ^ a b c V. Rădulescu; I. Străinescu; L. Moroianu; E. tudor; C. Goia; F. Boraş; V. Lupu; B. Rădulescu et al. (2013-5-1). “The need to improve transport conditions in the big cities of Romania”. In C. A. Brebbia. Urban Transport XIX. WIT Transactions on the Built Environment. WIT Press. pp. 127-128
- ^ a b c d “Roster Bucharest, Bucur LF”. Urban Electric Transit. 2020年12月5日閲覧。
- ^ “Licitație la STB. Chinezii vor da un nou design pentru tramvaiele Bucur LF”. Club FERVIAR (2019年11月4日). 2020年12月5日閲覧。
- ^ ““Most modern tram ever produced in Bucharest” to be put into operation this year”. Business Insider SRL (2020年2月3日). 2020年12月5日閲覧。
外部リンク
[編集]- ブカレスト交通会社の公式ページ”. 2020年12月5日閲覧。 “