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ブルードット・ネートワーク

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ブルードット・ネットワーク
: Blue Dot Network
参加国
設立 2019年11月4日 (5年前) (2019-11-04)
設立者
目的 質の高いインフラ案件に国際的な認証を与える
本部 パリ
貢献地域 アメリカ、アジア、ヨーロッパ、オセアニア
会員数
アメリカ合衆国イギリスオーストラリアスイススペインチェコ日本
ウェブサイト www.state.gov/blue-dot-network
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ブルードット・ネットワーク: Blue Dot Network、BDN)は、質の高いインフラ案件に国際的な認証を与えるための多国間の枠組みである[1]

概要

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中華人民共和国が行う一帯一路政策における「債務の罠」問題を受けて設立された、個々のインフラ支援プロジェクトに認証を与えるスキームである[2][3]。インフラ整備の質のギャップを埋めるため、認証されたプロジェクトが以下の目標を達成することを保証することを目的としている[4][5]

  1. 持続可能かつ包括的な経済成長と発展を促進する。
  2. 公的資金の適切な活用に支えられた、市場主導・民間主導の投資を促進する。
  3. 健全な財政管理、債務の透明化、プロジェクトレベルおよび国レベルの債務の持続可能性を支援する。
  4. 気候変動や災害などのリスクに強く、2050年のネットゼロに向けた道筋に沿ったプロジェクトを構築する。
  5. 資産の全ライフサイクルコストにわたって、金額に見合った価値を確保する。
  6. 現地の技術移転と現地の資本市場に焦点を当てて、現地の能力を構築する。
  7. 透明性のある調達・協議プロセスを奨励しつつ、腐敗に対する保護を推進する。
  8. 労働と人権の尊重を含む、環境および社会的保障措置の国際的なベストプラクティスを支持する。
  9. インフラサービスの公平な利用を促進する。
  10. 女性、障がい者、社会から疎外された人々の社会的参加を促進する。

自由で開かれたインド太平洋戦略に基づき、2019年バンコクで行われたインド太平洋ビジネスフォーラムで発表された[6][2]

歴史

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設立

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ブルードットネットワークの原則は、海外民間投資公社(OPIC)の代表代行であるデイビッド・ボヒギアンが2018年11月15日ワシントン・タイムズの意見記事で概説した[7]

2019年11月4日、バンコクで開かれた第35回ASEAN首脳会議の合間に行われたインド太平洋ビジネスフォーラムにおいて、アメリカ国際開発金融公社とオーストラリアの外務貿易省、国際協力銀行が主導し、ボヒギアンとアメリカ国務省の担当次官、そして日豪の担当者によって立ち上げが行われた[8][9]

米国国際開発金融公社はこのプロジェクトのために600億ドルを調達した[3]2020年1月、米国は200万ドルの資金を投入すると発表し、G7加盟国への参加を呼びかけた[10][11]

発展

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2021年6月、G7はBDNを元として「より良い世界再建」を発案することを採択した[12]。また、2021年7月6日経済協力開発機構(OECD)は、米豪日の政府と共同で、BDN認証プロセスの開発に関する協議を開始し[13]2022年3月21日、原案を発表した[14]

2023年12月、OECDの理事会は、認証フレームワークの世界展開を監督・統括する「ブルードットネットワーク事務局」を設立することに合意し、2024年4月9日に設立された[1]

OECDはBDN事務局の設立と同時に、BDNがOECDに監督されるプロジェクトの認証を開始することを発表した[15]

脚注

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  1. ^ a b OECDにおけるBDN事務局の立ち上げ”. Ministry of Foreign Affairs of Japan. 2024年12月14日閲覧。
  2. ^ a b Japan, U. S. Mission (2020年10月29日). “自由で開かれたインド太平洋を促進する2020年インド太平洋ビジネスフォーラム”. 在日米国大使館と領事館. 2024年12月14日閲覧。
  3. ^ a b 産経新聞 (2019年11月11日). “米、インド太平洋地域でインフラ支援強化 日豪と基準策定へ”. 産経新聞:産経ニュース. 2024年12月14日閲覧。
  4. ^ G7によるインフラ支援策「PGII」は中国「一帯一路」のライバルになり得るか(2023年9月 JBpress掲載)”. オウルズコンサルティンググループ. 2024年12月14日閲覧。
  5. ^ Vision Statement” (英語). United States Department of State. 2024年12月14日閲覧。
  6. ^ インド太平洋地域における提携諸国に米国が事業推進計画を提案”. Indo-Pacific Defense FORUM. 2024年12月14日閲覧。
  7. ^ https://www.washingtontimes.com, The Washington Times. “How America can help advance global security in the Indo-Pacific region” (英語). The Washington Times. 2024年12月14日閲覧。
  8. ^ Connecting the dots on the Blue Dot Network | Lowy Institute” (英語). www.lowyinstitute.org. 2024年12月14日閲覧。
  9. ^ The Launch of Multi-Stakeholder Blue Dot Network | DFC”. www.dfc.gov. 2024年12月14日閲覧。
  10. ^ ポストコロナのインド太平洋の新秩序と日本 ──インフラストラクチャーの観点から──”. 東海大学紀要平和戦略国際研究所. 2024年12月14日閲覧。
  11. ^ US-Led Initiative Aims to Make Mark on Global Infrastructure Development” (英語). Voice of America (2020年1月31日). 2024年12月14日閲覧。
  12. ^ Savoy, Conor M.; McKeown, Shannon (2022-05-06) (英語). Opportunities for Increased Multilateral Engagement with B3W. https://www.csis.org/analysis/opportunities-increased-multilateral-engagement-b3w. 
  13. ^ OECD and Global Executives engage with the Blue Dot Network to develop Certification for quality infrastructure investment” (英語). OECD (2021年6月7日). 2024年12月14日閲覧。
  14. ^ OECD、良質なインフラプロジェクトを運用するためのブルードット・ネットワークの原案を提案 - OECD”. web.archive.org (2022年4月15日). 2022年4月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年12月14日閲覧。
  15. ^ OECD提唱のブルードット・ネットワーク、持続可能なインフラの認証フレームワークを開始”. ESG Journal (2024年4月19日). 2024年12月14日閲覧。