ブレイキング・バッド (第1シーズン)
ブレイキング・バッド 第1シーズン | |
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国 | アメリカ合衆国 |
話数 | 7 |
放送 | |
放送局 | AMC |
放送期間 | 2008年1月20日 | – 2008年3月9日
アメリカ合衆国のテレビドラマシリーズである『ブレイキング・バッド』の第1シーズンは2008年1月20日に初回が放送され、2008年3月9日に終了した。シーズンは全7話構成で、パイロット・エピソードのみ58分、他は全て48分となっている。AMCは第1シーズンをアメリカ合衆国で日曜日の午後10時より放送した。シーズンは当初9話構成が予定されていたが、脚本家ストライキの影響で7話に短縮された。第1シーズンのリージョン1のDVDは2009年2月24日[1]、リージョンAのBlu-rayは2010年3月16日に発売された[2]。
プロット
[編集]ウォルター・"ウォルト"・ホワイト(ブライアン・クランストン)は高校の化学教師として働きながら薄給を補うために洗車場のアルバイトもしており、学生からは嘲笑の対象とされていた。彼はニューメキシコ州アルバカーキで妊娠中の妻のスカイラー(アンナ・ガン)と高校生で脳性麻痺を患う息子のウォルター・Jr(RJ・ミッテ)と共に貧しくも平凡に暮らしてたが、50歳をむかえたの翌日に洗車場で倒れて病院でステージ3の肺癌であると診断された事で人生が急変する。
失意の中、ウォルターは義弟でDEA捜査官のハンク・シュレイダー(ディーン・ノリス)に頼み、メスと呼ばれる麻薬を製造する精製所への突入現場を見学させてもらう事になる。突入現場でウォルターは偶然にも元教え子のジェシー・ピンクマン(アーロン・ポール)が逃亡する姿を目撃する。ウォルターは自身の死後に家族に遺す金を稼ぐため、ジェシーの家に押しかけて麻薬ビジネスに参加させるように彼を脅す。
二人はメスの精製を開始し、出来上がったメスをジェシーがドラッグの元締めのクレイジー・エイトに売りこむが、ウォルターが覆面警官であると疑われ命を狙われる事になる。ウォルターは身を守る過程でクレイジー・エイトとその従兄弟で後にハンクへの内通者であることが判明するエミリオを殺害する。この事件がきっかけでウォルターはジェシーとの関係を断つことにする。
ウォルターは家族に癌を打ち明け、その対処について議論する際、不確実な結果のために化学療法の副作用に苦しんだ上に9万ドルを失うよりも生きる事を諦めようとしていたが、最終的には家族の説得に折れて治療を決意する。
ウォルターはハンクとその妻のマリー(ベッツィ・ブラント)、さらに元ビジネスパートナーのエリオットとグレッチェン・シュワルツから治療費援助の話を持ちかけられるが過去の因縁が元で受け入れられず拒否してしまう。治療費の捻出に迫られたウォルターは、家族に対してシュワルツ夫妻からの援助で賄っていると伝えつつ、裏ではメスの精製と販売を再開してしまう。ウォルターはより多くの金を稼ぐため、凶暴だが影響力の強いドラッグ元締めのトゥコ(レイモンド・クルス)に売るべきだとジェシーを説得する。2人はメチルアミンのドラム缶を盗んで大量のメスを精製し始め、以後ウォルターはその正体を隠すために「ハイゼンベルク」(腎臓ガンで死んだドイツのノーベル物理学賞受賞者のヴェルナー・ハイゼンベルクの由来する)という偽名で活動するようになる。
キャスト
[編集]メイン
[編集]- ブライアン・クランストン - ウォルター・ホワイト
- アンナ・ガン - スカイラー・ホワイト
- アーロン・ポール - ジェシー・ピンクマン
- ディーン・ノリス - ハンク・シュレイダー
- ベッツィ・ブラント マリー・シュレイダー
- RJ・ミッテ - ウォルター・ホワイト・Jr
リカーリング
[編集]- スティーヴン・マイケル・ケサダ - スティーブン・ゴメス
- カーメン・セラーノ - カルメン・モリーナ
- マックス・アルシニエガ - クレイジー・エイト・モリーナ
- チャールズ・ベイカー - スキニー・ピート
- レイモンド・クルス - トゥコ・サラマンカ
- ジェシカ・ヘクト - グレッチェン・シュワルツ
- テス・ハーパー - ジェシーの母
- マット・L・ジョーンズ - バッジャー
- ロドニー・ラッシュ - コンボ
- マリウス・スタン - ボグダン
エピソード
[編集]通算 話数 | シーズン 話数 | タイトル | 監督 | 脚本 | 放送日 | アメリカ合衆国視聴者数 (百万人) | |
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1 | 1 | "化学教師ウォルター・ホワイト" "Pilot" | ヴィンス・ギリガン | ヴィンス・ギリガン | 2008年1月20日 | 1.41[3] | |
50歳の化学教師のウォルター・ホワイトは末期の肺癌であると診断され、家族に金を遺すために内緒で結晶化したメタンフェタミン(メス)の精製を始める。彼は元教え子でメス売人のジェシー・ピンクマンと手を組む。ジェシーは完成したメスを元締めに売ろうとするが揉め、精製所に使っている古いRVに押しかけられる。ウォルターは元締めたちが自分を殺そうとしていると察すると、メスを精製するふりをして毒ガスを発生させて殺害する。 | |||||||
2 | 2 | "新しい相棒" "Cat's in the Bag..." | アダム・バーンスタイン | ヴィンス・ギリガン | 2008年1月27日 | 1.49[4] | |
ウォルターとジェシーがRVに載せた死体の処理を考えているうちに、そのうち1人のクレイジー・エイトがまだ生きていたことが判明する。2人はジェシーの家の地下室で彼を監禁する。スカイラーは胎児が女の子であることを知る一方で、ウォルターの不審な行動を疑い始める。ジェシーはもう1人の死体であるエミリオ・コヤマをウォルターの指示に従ってフッ化水素酸で処分するが、忠告を無視してプラスティックの容器ではなくバスタブで作業を行ったために床ごと溶かしてしまう。 | |||||||
3 | 3 | "人間の成分" "...And the Bag's in the River" | アダム・バーンスタイン | ヴィンス・ギリガン | 2008年2月10日 | 1.08[5] | |
ウォルターはクレイジー・エイトを殺すべきかどうか迷う。一方でマリーはウォルター・Jrがマリファナを吸っていると誤解し、ハンクに麻薬の恐ろしさを教えるように頼む。ウォルターはクレイジー・エイトに食事を運び、お互いの身の上話をすると彼の開放を決意する。しかしクレイジー・エイトはウォルターが割った食器の破片を隠し持っており、それに気づいたウォルターは自己防衛のために彼を絞め殺す。 | |||||||
4 | 4 | "家族への告知" "Cancer Man" | ジム・マッケイ | ヴィンス・ギリガン | 2008年2月17日 | 1.09[6] | |
ハンクは新たに出現した麻薬王の捜査を開始するが、それがウォルターであるとは気付かない。ウォルターは家族のバーベキューの席で自分が癌であることを明かす。ジェシーは実家に帰り、優等生の弟がマリファナを吸っていることを知る。ジェシーは彼を庇い、両親から家を追い出される。 | |||||||
5 | 5 | "ウォルターの選択" "Gray Matter" | トリシア・ブロック | パティ・リン | 2008年2月24日 | 0.97[7] | |
ジェシーは自分でメスを精製するが、ウォルターのものと同品質のものは出来ない。ウォルター・Jrはビールを購入しようとして警察に見つかる。ウォルターは家族から化学療法を受けるように説得され、当初は拒否したが最終的に受け入れる。ウォルターは旧友の妻からの援助の申し出があったが拒否し、ジェシーに会って再びメスの精製に協力するよう求める。 | |||||||
6 | 6 | "最凶のワル" "Crazy Handful of Nothin'" | ブロンウェン・ヒューズ | ジョージ・マストラス | 2008年3月2日 | 1.07[8] | |
2人はウォルターが精製、ジェシーが販売を担当することで合意し、ジェシーはウォルターがメスを売る目的を知る。一方でハンクは入手したガスマスクからウォルターの高校の化学室にたどり着き、さらに捜査を進める。ウォルターは治療の副作用による抜け毛が始まると髪を剃り上げる。当初ジェシーは一晩で2600ドルしか稼げず、治療費を賄えなかったためウォルターは新しい元締めを見つけるように頼む。ジェシーはクレイジー・エイトの後釜となったトゥコと接触する。しかし取引は失敗し、トゥコはジェシーを痛めつけてメスを奪う。それを知ったウォルターはトゥコの隠れ家で爆発を起こして脅迫し、契約成立に持ち込む。 | |||||||
7 | 7 | "犯罪の境界線" "A No-Rough-Stuff-Type Deal" | ティム・ハンター | ピーター・グールド | 2008年3月9日 | 1.50[9] | |
ウォルターとジェシーはトゥコと契約した量のメスの精製に行き詰まっていた。スカイラーはマリーからベビーシャワーのプレゼントとして貰ったティアラが盗品だったことを知り、彼女を問い詰める。ウォルターとジェシーはテルミット法を使って倉庫を破り、メチルアミンのドラム缶を盗む。メチルアミンは大量のプソイドエフェドリンを調達する代わりに短時間で大量のメスを精製するために必要であった。彼らは無事に契約通りのメスをトゥコに渡すが、その際に部下の1人の発言が気に障ったトゥコが彼を気絶するまで殴りつけ、その凶暴性を目の当たりにする。 |
音楽
[編集]『ブレイキング・バッド』の音楽はデイヴ・ポーターが作曲した。また番組ではトーマス・ゴルビッチの監修により、様々なアーティストによる既存曲も使われている。第1シーズンで使われた楽曲の一部は『Breaking Bad Soundtrack』としてiTunes及びAmazon.comで配信された[10]。
ホームメディア
[編集]第1シーズンのDVDはリージョン1が2009年2月24日[1]、リージョン2が2009年12月14日[11]、リージョン4が2009年7月8日に発売された[12]。Blu-rayは2010年3月16日にリージョンAが発売された[2]。DVD及びBlu-rayには「化学教師ウォルター・ホワイト」及び「最凶のワル」のオーディオコメンタリー、メイキング、舞台裏、AMCの番組『Shootout』でのインタビュー、削除されたシーン、スクリーンテスト、フォトギャラリーが特典として収録された[13]。
評価
[編集]批評家の反応
[編集]第1シーズンは概ね高評価であり、Metacriticでの加重平均値は74/100となった[14]。『ニューヨーク・ポスト』の評論家のリンダ・シュタージはシリーズのうち、特にクランストンとポールの演技を高評価し、「クランストンとポールはとても良く、驚異的だ。私は2人が巨大な化学反応を起こしたと言うが、そんな安っぽいことを言うのは恥ずかしい」と述べた[15]。『USAトゥデイ』のロバート・ビアンコもまたクランストンとポールを賞賛し、「この番組のユーモアのほとんどは、学術的なロジックをビジネスとポールが上手く演じている馬鹿な相棒に課そうとするウォルターの努力にある。しかし2人は例え自己防衛のためであっても誰かを殺すことは醜い、汚れ仕事であると学ぶとき、そのシーンはサスペンスに傾く」と評した[16]。
受賞とノミネート
[編集]第1シーズンは様々な受賞とノミネートを獲得し、プライムタイム・エミー賞では4部門でノミネートされ、2部門で受賞を果たした。ブライアン・クランストンはドラマシリーズ主演男優賞、リン・ウィリングハムはドラマシリーズシングルカメラ作品編集賞を獲得した。ヴィンス・ギリガンは第1話によりドラマシリーズ監督賞、ジョン・トールも同じく第1話により1時間シリーズ撮影賞にノミネートされた。クランストンは他にサテライト賞ドラマシリーズ主演男優賞も獲得した。シリーズは他にテレビ批評家協会賞新番組賞にノミネートされた。またさらに全米脚本家組合賞では3部門でノミネートされ、第1話によりギリガンがエピソディックドラマ賞を獲得した[17]。
参考文献
[編集]- ^ a b “Breaking Bad - The Complete First Season (2008)”. Amazon.com. March 22, 2010閲覧。
- ^ a b Lambert, David (January 15, 2010). “Breaking Bad - Slight Delay for Season 2 DVD and Blu-ray (and also Season 1 Blu-ray)”. TVShowsOnDVD.com. March 22, 2010閲覧。
- ^ O'Connell, Michael (September 30, 2013). “TV Ratings: 'Breaking Bad' Finale Smashes Records With 10.3 Million Viewers”. Hollywood Reporter. July 6, 2015閲覧。
- ^ Yanan, Travis (January 29, 2008). “Sunday original finals: 1/27/08”. The Programming Insider. February 1, 2008時点のオリジナルよりアーカイブ。January 28, 2016閲覧。
- ^ Yanan, Travis (February 13, 2008). “Sunday original finals: 2/10/08”. The Programming Insider. February 15, 2008時点のオリジナルよりアーカイブ。January 28, 2016閲覧。
- ^ Yanan, Travis (February 20, 2008). “Sunday original finals: 2/17/08”. The Programming Insider. February 27, 2008時点のオリジナルよりアーカイブ。January 28, 2016閲覧。
- ^ Crupi, Anthony (September 30, 2013). “Breaking Bad Finale Draws 10.3 Million Viewers”. Adweek. July 16, 2015閲覧。
- ^ Berman, Marc (January 31, 2010). “Breaking Bad Ratings”. Mediaweek. April 18, 2010時点のオリジナルよりアーカイブ。July 2, 2015閲覧。
- ^ Levin, Gary (March 11, 2008). “Nielsens: 'Runway' finale rules on cable”. USA Today. November 19, 2013閲覧。
- ^ “Music From Breaking Bad Season 1”. AMCTV.com (2008年1月18日). 2012年5月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年5月8日閲覧。
- ^ “Breaking Bad - Season 1”. Amazon.co.uk. November 18, 2010閲覧。
- ^ “Breaking Bad - The Complete 1st Season (2 Disc Set)”. EzyDVD. 2011年3月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年11月18日閲覧。
- ^ “Breaking Bad - 1st Season DVD Set Gets Detailed in the Studio's Press Release”. TVShowsOnDVD.com (December 16, 2008). November 18, 2010閲覧。
- ^ “Breaking Bad: Season 1”. Metacritic. November 13, 2010閲覧。
- ^ Stasi, Linda (January 17, 2008). “TOUR DE PANTS, Breaking Bad is Not Your Typical Drama”. New York Post. December 20, 2011閲覧。
- ^ Bianco, Robert (January 17, 2008). “'Breaking' is far from bad; it's fantastic”. USA Today. December 20, 2011閲覧。
- ^ “Awards for "Breaking Bad" (2008)”. IMDB. November 13, 2010閲覧。