ブレンネンダー・ベルク
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ブレンネンダー・ベルク(Brennender Berg、「燃える山」)は、ドイツ・ザールラントのドゥットヴァイラーとズルツバッハ=ノイヴァイラーの間にある、深く狭い渓谷の天然記念物。ここでは1688年に炭層火災が発生し、現在もくすぶり続けている。
歴史
[編集]現在も火災の正確な原因は分かっていないが、おそらくは圧力と分解作用による自然発火と考えられている。伝承によると、羊飼いが木の切り株に火を点けたところ根まで延焼し、地下の炭層に達したのだという。一度は水で消火を試みたが、成功しなかった。炎を噴き出しはしないものの、赤熱が発生している。かつては、岩の割れ目からこの赤熱を見ることができ、かなりの煙が噴出していた。18世紀の終わりには、この火災は弱まり始めていた。今も天候によっては煙が見られ、少なくともある一つの岩の割れ目からは温風の吹き出しがある。
観光
[編集]ブレンネンダー・ベルクはこの地域の観光名所の一つとなっており[1]、遠足や修学旅行でよく訪れる場所である。ドゥットヴァイラーのノイヴァイラー通りの端にある駐車場から行くのが便利である。ゲーテも1770年にここを訪れ、記念碑にその事が記されている。のちにゲーテは回想して次のように書いた。
我々はドゥットヴァイラーの豊かな炭鉱、鉄、ミョウバン、そして燃える山について聞いていた。そしてこの身近な驚異を見にゆく準備をした…。我々は渓谷に入り、燃える山の近くまで来たことに気付いた。我々は強烈な硫黄臭に包まれた。洞窟の壁の一部は殆ど赤熱し、赤や白に燻された岩で覆われていた。岩の割れ目からは濃い煙が立ち昇り、厚底の靴を履いていても地面の熱さを感じることができた。 ゲーテ
脚注
[編集]関連文献
[編集]- Johann Wolfgang von Goethe: Dichtung und Wahrheit. Zweiter Teil. Zehntes Buch. 1812. (Internetfundstelle)
- Martin Schuto: Neue Wirtschaftszweige — Alaunhütten, Kokserzeugung, Sudhaus. In: 1000 Jahre Dudweiler 977–1977. Saarbrücker Zeitung Verlag. Saarbrücken 1977. S. 228–233.
- Karl Heinz Ruth: Die Alaungewinnung am Brennenden Berg. In: Historische Beiträge aus der Arbeit der Dudweiler Geschichtswerkstatt. Band 5. Saarbrücken 1988, S. 1–17.