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プリオプラテカルプス亜科

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
プリオプラテカルプス亜科
生息年代: 白亜紀後期, 89.3–66.0 Ma
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
亜綱 : 双弓亜綱 Diapsida
: 有鱗目 Squamata
亜目 : トカゲ亜目 Lacertilia
: モササウルス科 Mosasauridae
亜科 : プリオプラテカルプス亜科 Plioplatecarpinae
学名
Plioplatecarpinae
Dollo1884[1],Williston, 1897[2]

プリオプラテカルプス亜科(Plioplatecarpinae)は、後期白亜紀に生息した海生爬虫類の派生的なグループである、モササウルス科の亜科の1つ。オーストラリアでの化石産出は疑問視されているが、プリオプラテカルプス亜科に属する動物の化石は全ての大陸から発見されている[3]。プリオプラテカルプス亜科にはアンゴラサウルスエクテノサウルスセルマサウルスとプリオプラテカルプス族(ラトプラテカルプスプラテカルプスプレシオプラテカルプスプリオプラテカルプス)が含まれる。

プリオプラテカルプス亜科は小型から中型のモササウルス科であり、他の亜科のモササウルス科と比較して高速で機敏だった。最初のプリオプラテカルプス亜科はチューロニアンの時期に出現した最古参のモササウルス科の1グループであり、約2400万年後にあたるマーストリヒチアンの終わりまで生息した。研究のさほど進んでいない中期カンパニアンのモササウルス科絶滅事変の影響を強く受けたらしく[4]、マーストリヒチアンにはモササウルス亜科との競争に晒され、数と多様性の減少に繋がった[5]

プリオプラテカルプス亜科の語源はプリオプラテカルプス属(ギリシャ語の pleion 「さらなる」とplate 「櫂」とkarpos 「手根骨」)に由来する。

記載

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Russell (1967) ではプリオプラテカルプス亜科が以下のように定義されている[6]

  • 前上顎骨の歯の前方に存在する吻部の突出が小さいか、あるいは存在しない。
  • 第X - XII脳神経が1つの孔を通って後耳骨側方の壁から離れる。
  • 基後頭骨基蝶形骨に動脈のための深い溝が存在する。
  • 方形骨のあぶみ骨上突起が大きく、末端が鈍く、側面が平行である。
  • 仙椎以前の椎骨が29個以下である。
  • 仙椎以前の一連の長さは胴体長を下回り、後方の尾椎の神経棘は短く、卓越した鰭を形成しない。
  • 血道弓は通常尾椎の椎体に癒合しない。
  • 四肢は滑らかな関節面を持たない。

系統

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前外側から見たプラテカルプス・ティンパニティクス頭骨。イェール大学ピーボディ博物館

ラッセルはプリオプラテカルプス族とプログナトドン族の計2族をプリオプラテカルプス亜科に含め[6]、後者はベルが後にモササウルス亜科へ再分類した[7]

Polcyn and Bell (2005) はさらに包括的な分岐群として Russellosaurina を設立した。これにはティロサウルス亜科とプリオプラテカルプス族、およびテティサウルスラッセロサウルスヤグアラサウルスからなる姉妹群が含まれる[8]

以下のクラドグラムは Simões et al. (2017) に基づく[9]

プリオプラテカルプス亜科

アンゴラサウルス・ボカゲイ

セルマサウルス・ジョンソニ

エクテノサウルス・クリダストイデス

プレシオプラテカルプス・プラニフロンス

ラトプラテカルプス・ウィリストニ

プラテカルプス・ティンパニティクス

プリオプラテカルプス

種と分類

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プリオプラテカルプス族

プリオプラテカルプスの復元図

出典

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  1. ^ Dollo L. 1884. Le mosasaure. Revue des Questions Scientifiques XVI:648-653.
  2. ^ Williston SW. 1897. Range and distribution of the mosasaurs with remarks on synonymy. Kansas University Quarterly 4 (4): 177-185.
  3. ^ Fossilworks: Plioplatecarpinae”. fossilworks.org. 2017年9月11日閲覧。
  4. ^ Stratigraphical distribution of Campanian and Maastrichtian mosasaurs in Sweden - Evidence of an intercontinental marine extinction event?” (英語). ResearchGate. 2017年9月11日閲覧。
  5. ^ Polcyn, Michael J.; Jacobs, Louis L.; Araújo, Ricardo; Schulp, Anne S.; Mateus, Octávio (2014-04-15). “Physical drivers of mosasaur evolution”. Palaeogeography, Palaeoclimatology, Palaeoecology. Physical drivers in the evolution of marine tetrapods 400: 17–27. doi:10.1016/j.palaeo.2013.05.018. http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0031018213002514. 
  6. ^ a b Russell DA. 1967. Systematics and morphology of American mosasaurs. Peabody Museum of Natural History, Yale University, Bulletin 23.
  7. ^ Bell GL. Jr. 1997. A phylogenetic revision of North American and Adriatic Mosasauroidea. pp. 293-332 In: Callaway JM, Nicholls EL, (eds.), Ancient Marine Reptiles, Academic Press, 501 pp.
  8. ^ Polcyn MJ, Bell GL. Jr. 2005. Russellosaurus coheni n. gen., n. sp., a 92 million-year-old mosasaur from Texas (USA), and the definition of the parafamily Russellosaurina. Netherlands Journal of Geosciences 84 (3): 321-333.
  9. ^ Simões, Tiago R.; Vernygora, Oksana; Paparella, Ilaria; Jimenez-Huidobro, Paulina; Caldwell, Michael W. (2017-05-03). “Mosasauroid phylogeny under multiple phylogenetic methods provides new insights on the evolution of aquatic adaptations in the group”. PLOS ONE 12 (5): e0176773. doi:10.1371/journal.pone.0176773. ISSN 1932-6203. PMC 5415187. PMID 28467456. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5415187/.