ヘプタクロル
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ヘプタクロル | |
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1,4,5,6,7,8,8-Heptachloro-3a,4,7,7a-tetrahydro-1H-4,7-methanoindene | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 76-44-8 |
PubChem | 3589 |
ChemSpider | 3463 |
UNII | 7GLS9ACN3L |
KEGG | C14185 |
ChEBI | |
ChEMBL | CHEMBL194400 |
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特性 | |
化学式 | C10H5Cl7 |
モル質量 | 373.32 g/mol |
外観 | 白から褐色の固体 |
匂い | 樟脳のような |
密度 | 1.58 g/cm3 |
融点 |
95 ~ 96℃ |
沸点 |
135 ~ 145℃ (at 1-1.5 mmHg) |
水への溶解度 | 0.0006% (20°C)[1] |
蒸気圧 | 0.0003 mmHg (25°C)[1] |
危険性 | |
許容曝露限界 | TWA 0.5 mg/m3 [皮膚][1] |
最低致死濃度 LCLo | 150 mg/m3 (ネコ, 4時間) 200 mg/m3 (哺乳類, 4時間)[2] |
半数致死量 LD50 | 116 mg/kg (経口, モルモット) 40 mg/kg (経口, ラット) 100 mg/kg (経口, ラット) 68 mg/kg (経口, マウス) 100 mg/kg (経口, ハムスター)[2] |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
ヘプタクロル (heptachlor) は殺虫剤の一種である。
特性
[編集]接触毒および食毒として作用する。外見は白色の粉末で、純度の低いものは黄褐色を呈する。類縁化合物としてクロルデン (chlordane) が挙げられる。日本では1957年に農薬として登録されたが、1972年に取り消されている。
特に土壌病害虫やシロアリに対して、またマラリアを媒介するハマダラカ属のカへの対策、そして植物防疫剤(農薬)として使用された。
ヒトに対しては肝臓への障害と中枢神経の過剰刺激を引き起こす。発癌性も疑われている。ヘプタクロルは非常に安定した構造を持つため、自然の環境下では何十年間も分解されずに残る。土壌中の半減期は2年以下である。
経緯
[編集]1962年、レイチェル・カーソンの著書『沈黙の春』がその安全性に疑義を唱えた[3]。アメリカ合衆国環境保護庁はヘプタクロル製品の販売を禁止し、実質的にあらゆる用途から閉め出した。
2001年に採択されたストックホルム条約において、12種類の残留性有機汚染物質の製造・販売・使用の禁止が決定されたが、そのなかにはヘプタクロルも含まれている[4]。
参考文献
[編集]Carson, Rachel 著、青木築一 訳(英語)『沈黙の春』新潮文庫、1974年(原著1962年)。ISBN 0395683297。
脚注
[編集]- ^ a b c d NIOSH Pocket Guide to Chemical Hazards 0311
- ^ a b “Heptachlor”. Immediately Dangerous to Life or Health Concentrations (IDLH). National Institute for Occupational Safety and Health (NIOSH) (4 December 2014). 27 March 2015閲覧。
- ^ Carson 1962.
- ^ “POPs条約”. 経済産業省. 2024年10月31日閲覧。
外部リンク
[編集]- 化学物質の環境リスク評価_ヘプタクロル〈環境省〉
- ASTDR ToxFAQs for Heptachlor
- CDC - NIOSH Pocket Guide to Chemical Hazards
- ヘプタクロル in the Pesticide Properties DataBase (PPDB)