ベインキャピタル
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ベインキャピタル(Bain Capital LLC)は、米国・マサチューセッツ州ボストンに本社を置く、独立系プライベート・エクイティ・ファンド。1984年にベイン・アンド・カンパニーのシニアパートナーらによって設立された(ただし、ベイン・アンド・カンパニーとの法的関係・資本関係は存在しない)。ミット・ロムニー前マサチューセッツ州知事・前米国大統領共和党候補(2008年・2012年)はこのときの創業者の一人である。全世界で約12兆円の資金を運用し、これまでに1,030社の企業買収・投資を実行。2006年に日本オフィス開設、2023年現在50名以上の投資プロフェッショナルが所属。日本で活動するPEファンドでは最大規模。2023年に大阪オフィスを開設した[1]。
主な投資先
[編集]日本
[編集]- 2007年1月20日 - サンテレホン株式会社(現在は日東工業の完全子会社)を日本産業パートナーズとベインキャピタル・ジャパンが50%ずつ出資するJIP-Iによる株式公開買付実施[2]。
- 2008年6月20日 - ディーアンドエムホールディングスの公開買付を発表[3]。 日本コロムビアAV機器部門(DENON(デノン))+日本マランツ(フィリップスAV機器部門(マランツ)の日本法人)[4]
- 2009年11月13日 - ベルシステム24を約1000億円で買収することで調整していることが明らかに[5][6]。
- 2010年1月25日 - ドミノ・ピザ ジャパンを運営するヒガ・インダストリーズ(ヒガ・アーネスト・マツオ社長)の買収を発表。買収金額は60億円。2013年8月、オーストラリアやヨーロッパでドミノピザを展開する「ドミノ・ピザ・エンタープライズ(DPE)に75%の株式を売却[7]。
- 2011年10月21日 - すかいらーくを野村ホールディングスの子会社などから全株式を、約1600億円で買収することを発表[8]。2014年10月には株式上場[9]。
- 2012年6月22日 - ジュピターショップチャンネルの株式50%を住友商事株式会社より取得する株式売買契約の調印を発表。[10]
- 2013年12月11日 - マクロミルの買収発表。株式公開買付を実施、買い付け総額は約513億円[11]。
- 2015年2月13日 - 大江戸温泉物語を運営する大江戸温泉ホールディングスを約500億円での買収を発表[12][13]。
- 2015年2月23日 - 雪国まいたけの買収発表。株式公開買付を実施、買い付け総額は最大で約95億円[14][15]。
- 2017年9月20日 - キオクシア(旧東芝メモリ)の全株式について約2兆円で、ベイン・キャピタルが主導する企業連合により組成される買収目的会社への売却決議を東芝が発表[16]。
- 2017年10月2日 - アサツー ディ・ケイ(現ADKホールディングス)の買収を発表。株式公開買付実施、買い付け総額は最大で約1517億円[17][18]。
- 2019年8月1日 - ワークスアプリケーションズの人事システムなどヒューマンリソース事業を新設会社分割し買収。新設会社名は、ワークスヒューマンインテリジェンス。買収金額は非公開だが約1000億円とみられている[19][20]。
- 2020年1月23日 - 昭和飛行機工業の株式65.5%を三井E&Sホールディングスより約455億円で取得することを発表[21]。その後株式公開買付実施で完全子会社化。
- キリン堂ホールディングス
- イグニス
- hey
- エニトグループ(マッチングアプリ運営)
- 株式会社リンクウェル - 医療系IT。2021年11月、出資[22]。
- 株式会社プロテリアル(旧日立金属) - 2022年、ファンド連合で買収[23]。
- 日本セーフティー
- エンバーポイント
- エビデント - オリンパスの科学事業。2023年4月買収[24]。
- ストリートホールディングス - 2022年6月
- ネットマーケティング社(現株式会社All Ads) - 2022年8月、上場していた当社を135億円で買収、株式非公開化を行う[25]。
- マッシュグループ - 2022年12月、株式を2000億円分買い取る形で買収[26][27]。
- インパクトホールディングス - 2023年1月、MBO[28]。
- IDAJ - 2023年5月、200億円で買収[29]。
- システム情報 - 2023年9月、MBO[30]。
- 株式会社アウトソーシング(2024年3月、経営陣とMBO[31])
- T&K TOKA(2024年3月、TOBにより買収[32]。)
- スノーピーク(2024年4月、MBO[33]。)
海外
[編集]- バスキン・ロビンス(サーティワン・アイスクリーム)
- ワーナー・ミュージック・グループ(ワーナー・ブラザース・レコード+エレクトラ・レコード+アトランティック・レコード)
- AMCシアターズ(映画館チェーン。JPモルガン系の投資ファンド、カーライル・グループ、アポロ・マネジメント等との共同買収)
- トイザらス
- NXPセミコンダクターズ(もともとはフィリップスの半導体部門の一部。コールバーグ・クラビス・ロバーツ、エイパックス・パートナーズ、シルバーレイク・パートナーズと共に買収)
- ヴァージン・オーストラリア
過去の投資先
[編集]- 日本風力開発 - 2015年3月23日 、買収発表。株式公開買付を実施、買い付け総額は最大約97億円。日本風力開発社長の塚脇正幸氏とベインキャピタルが設立した会社によるTOB実施[34]。2023年12月、インフロニア・ホールディングスに売却[35]。
- ニチイ学館 - 2020年7月31日、買収を発表。株式公開買付実施、取得総額は約1100億円[36]。2024年6月、日本生命保険に売却[37]。
関連項目
[編集]- 杉本勇次 ベインキャピタル日本代表 マネージングディレクター
- 堀新太郎 ベインキャピタルジャパン元会長、マッキンゼー・アンド・カンパニー パートナー、UCC上島珈琲株式会社取締役副社長、ベイン&カンパニー元日本代表
ベインキャピタル出身の人物
[編集]- 坂本篤彦 ブラックストーン・グループ・ジャパン シニアマネージングディレクター プライベート・エクイティ日本代表
- 岡本哲士 アポロ・マネージメント・ジャパン 日本代表
- 山口聡一 日本企業成長投資 共同創業者・パートナー
脚注
[編集]- ^ “米投資ファンドが大阪に初進出へ 「国際金融都市」誘致第一号:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル (2023年1月5日). 2023年12月1日閲覧。
- ^ 「UPDATE1: サンテレホンが株式を非公開化、JIP─IによるTOBに賛同」『Reuters』2007年1月21日。2022年11月3日閲覧。
- ^ “米ベインキャピタル、TOBでD&Mホールディングスの全株式を取得へ”. PHILE WEB. 2022年11月3日閲覧。
- ^ リップルウッド・ホールディングスより買収。
- ^ “ベインキャピタル、伊藤忠にベルシステム24の49.9%を譲渡”. M&A Times. (2014年7月29日) 2015年2月27日閲覧。
- ^ 「ベインキャピタル、ベル24買収で最終調整=関係筋」『Reuters』2009年11月13日。2022年11月3日閲覧。
- ^ “ドミノ・ピザジャパンを売却 米ファンド、豪FCに”. 日本経済新聞. (2013年3月13日) 2015年2月27日閲覧。
- ^ 「米ベインがすかいらーくを買収、野村などから1600億円で」『Reuters』2011年10月21日。2022年11月3日閲覧。
- ^ “すかいらーく、8年ぶり再上場 外食2位規模”. 共同通信. (2014年10月9日) 2015年2月27日閲覧。
- ^ “当社子会社の株式の譲渡に関するお知らせ”. 住友商事株式会社. (2012年6月22日) 2015年2月27日閲覧。
- ^ “米ベイン系、マクロミルを513億円で買収 筆頭のヤフーも賛同”. 日本経済新聞 (2013年12月11日). 2022年11月3日閲覧。
- ^ “米ファンド、大江戸温泉を買収へ 負債含め5百億円で”. 共同通信. (2015年2月13日) 2015年2月27日閲覧。
- ^ “ベインキャピタル、大江戸温泉HD買収 訪日客に狙い”. 日本経済新聞 (2015年2月13日). 2022年11月3日閲覧。
- ^ “雪国まいたけ子会社化へ 米ファンド、TOB実施”. 共同通信. (2015年2月23日) 2015年2月27日閲覧。
- ^ “米ベインキャピタル、雪国まいたけにTOB 最大95億円”. 日本経済新聞 (2015年2月23日). 2022年11月3日閲覧。
- ^ 「東芝半導体子会社売却、ベインなど企業連合との契約決議発表」『Reuters』2017年9月20日。2022年11月3日閲覧。
- ^ “ベインキャピタルによる当社株券等に対する公開買付けに関する意見表明のお知らせ”. アサツー ディ・ケイ. (2017年10月2日) 2017年10月3日閲覧。
- ^ “米ベイン、アサツーDKをTOBで買収へ-総額は最大1517億円”. Bloomberg.com. 2022年11月3日閲覧。
- ^ “ベインキャピタルの担当者が語る「ワークスアプリケーションズのHR事業買収経緯と成長戦略”. MARR Online (2019年10月15日). 2023年3月22日閲覧。
- ^ “ワークスアプリ、首の皮一枚から大逆転、HR事業売却へ”. 日経ビジネス (2019年6月24日). 2023年3月22日閲覧。
- ^ “三井E&S、昭和飛行機を455億円でベインに売却”. 日本経済新聞 (2020年1月23日). 2022年11月3日閲覧。
- ^ “米ベイン、医療ITのリンクウェルに出資 新興投資加速”. 日本経済新聞 (2021年11月24日). 2023年12月1日閲覧。
- ^ “旧日立金属のプロテリアル 新社長が壊すタコツボ組織”. 日本経済新聞 (2023年2月2日). 2023年12月1日閲覧。
- ^ “【ベインキャピタル担当者が明かす】エビデント(旧オリンパス科学事業)買収の経緯と今後の成長戦略”. マールオンライン. 2023年12月30日閲覧。
- ^ “135億で事業売却 エンジェル投資家に転身した上場企業 創業者の挑戦 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)”. forbesjapan.com. 2023年12月1日閲覧。
- ^ RIVER, CREEK & (2022年11月15日). “マッシュがベインキャピタルに2000億円で株式売却 「3〜5年後の上場目指す」”. WWDJAPAN. 2023年12月1日閲覧。
- ^ “室内着「ジェラートピケ」運営のマッシュ、米ベインが2000億円で買収へ”. 読売新聞オンライン (2022年11月16日). 2023年12月1日閲覧。
- ^ “インパクトホールディングス<6067>、MBOで株式を非公開化 | M&A Online - M&Aをもっと身近に。”. maonline.jp. 2023年12月1日閲覧。
- ^ “ベイン、システムインテグレーターのIDAJ買収 200億円”. 日本経済新聞 (2023年5月16日). 2023年12月1日閲覧。
- ^ 「システム情報がMBOで非公開化へ、1株930円で買い付け」『Reuters』2023年9月27日。2023年12月1日閲覧。
- ^ “アウトソーシング<2427>のMBO成立、株式非公開化へ | M&A Online - M&Aをもっと身近に。”. maonline.jp. 2024年6月6日閲覧。
- ^ 内田慎一「ベインキャピタル、T&KTOKAへのTOBを23日開始」『Reuters』2024年1月22日。2024年6月6日閲覧。
- ^ 花実, 五十君 (2024年4月13日). “スノーピーク、MBOが成立 上場廃止へ”. WWDJAPAN. 2024年6月6日閲覧。
- ^ “日本風力開発、TOB発表 米ファンドと社長ら実施”. 日本経済新聞. (2015年3月23日) 2015年3月25日閲覧。
- ^ “インフロH、日本風力開発を2000億円で買収-米ベインから株取得”. Bloomberg.com (2023年12月12日). 2024年6月6日閲覧。
- ^ “米ベインによるニチイ学館TOBが成立、82%超が応募”. Bloomberg.com. 2022年11月3日閲覧。
- ^ “日本生命保険、ニチイホールディングスの株式取得完了 ベイン系から”. 日本経済新聞 (2024年6月3日). 2024年6月6日閲覧。