ペトル・パヴェル
ペトル・パヴェル Petr Pavel | |
任期 | 2023年3月9日 – |
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首相 | ペトル・フィアラ |
出生 | 1961年11月1日(63歳) チェコスロバキア、プラナー |
政党 | チェコスロバキア共産党(1985年-1989年) 無所属(1989年-現在) |
受賞 | レジオン・オブ・メリット レジオンドヌール勲章 |
出身校 | ヴィシュコフ陸軍軍事高等学校 キングス・カレッジ・ロンドン |
配偶者 | ハナ・パヴロヴァー(1986–2001) エヴァ・パヴロヴァー(2004-現在) |
子女 | 3人 |
署名 |
ペトル・パヴェル Petr Pavel | |
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所属組織 | チェコ国軍 |
軍歴 | 1979年 - 2018年 |
最終階級 | 大将 |
除隊後 | チェコ大統領 |
ペトル・パヴェル(Petr Pavel、1961年11月1日-)は、チェコの政治家、元陸軍将軍。2023年3月9日にチェコの大統領に就任した。過去にはチェコ軍の参謀長やNATOの軍事委員長を務めた。2023年チェコ大統領選挙では前首相のアンドレイ・バビシュ候補を破って、大統領に当選[1]。
来歴
[編集]1961年にチェコスロバキアの一部であったプラナで生まれる。当時、パヴェルの父は1989年までターボル軍管区司令部の将校を務めていた[2]。父の影響も受けたパヴェルは1983年にヴィシュコフ陸軍軍事高等学校を卒業後、チェコスロバキア軍空挺部隊の小隊長として従事。チェコスロバキア共産党には1985年から1989年のビロード革命が勃発するまで、所属していた[3][4]。1989年から2年間、ブルノ陸軍士官学校に入学していた。陸軍士官学校卒業後は1991年から1993年まで、パヴェルはチェコスロバキア軍参謀本部の軍事情報部に配属される。
1993年には国際連合保護軍の第1チェコスロバキア大隊に配属され、クロアチア紛争で敵軍であるセルビア軍に包囲されたベンコヴァツに所在するフランス軍駐屯地であるカリン基地からの撤退の一環として、派遣された。戦火を交えながら、55人のフランス兵をOT-64装甲兵員輸送車で救出した[5]。この功績により、チェコからは英雄勲章を、フランスからはレジオンドヌール勲章を授与された[6]。
ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争にも参加後、チェコ軍の軍事外交官に任命された。2002年の不朽の自由作戦にはNATO軍として参加。同年に准将に昇格。2003年イラク攻撃ではアメリカ軍の一員として、イラク共和国軍に対し、大量破壊兵器を使用する可能性があると警告した[7]。2007年から2009年にブリュッセルで開催されたEUの軍事会議ではチェコ代表として出席。2011年には専門家委員会のメンバーであり、国防に関する白書を執筆し、チェコ共和国の国防を改善するための対策を提案した[8][9]
パベルは2012年6月から3年間、チェコ共和国軍の参謀総長に任命された[10]。2014年にはボフスラフ・ソボトカ首相(当時)によって、NATO軍事委員長に推薦され、軍事委員会委員長選挙で当選[11]。委員長就任中はクリミア半島併合を行ったロシアを主要な脅威と警戒していた。2018年の退任直前にはイェンス・ストルテンベルグNATO事務総長に功績を讃えられた[12]。軍事委員会の功績により、アメリカ軍よりレジオン・オブ・メリットを授与される[13]。2018年に軍を退役後、軍事コンサルタントとして活動していた傍[14]、2020年には新型コロナウイルス流行に闘う人への支援計画も行っている[15]。
大統領選挙では前首相のアンドレイ・バビシュ候補を58%対41%で破って、大統領に当選[1]。中国寄りの外交で知られるミロシュ・ゼマンとは対照的に、パヴェルは欧米寄りの外交に転換する可能性が高いとされる[16]。
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ウクライナ支援集会にて(2022年3月)
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ノルウェー国防総省幹部のホーコン・ブルーン=ハンセン(左)との会談(2016年)
論争
[編集]2023年6月、西側に住むすべてのロシア人を大量に監視するよう呼びかけ、論争を巻き起こした。「西側諸国に住むすべてのロシア人は、侵略的な戦争を主導する国の国民であるため、過去よりもはるかに監視されるべきです...。それは単に戦争のコストだ」と述べた[17]。さらに、第二次世界大戦中にフランクリン・ルーズベルト大統領が数十万人の日系アメリカ人を強制収容にしたことを引き合いにして肯定した[18]。強制収容は、後に米国政府が「人種的偏見、戦争ヒステリー、政治的リーダーシップの失敗」の結果であったとして謝罪と賠償を行っている[19]。ジョー・バイデン米大統領も、「アメリカ史上最も恥ずべき時代の一つ 」と評している[20]。
私生活
[編集]無宗教[21]。チェコ語、英語、フランス語、ロシア語が堪能。前妻ハナとの間に2人の息子を、後妻であるエヴァ・パヴェロヴァーとの間に1子を儲ける[22][23]。
脚注
[編集]出典
[編集]- ^ a b “元NATO高官のパベル氏がチェコ大統領選で勝利”. jetro.go.jp. 2023年3月10日閲覧。
- ^ Pšenička, Jiří (2023年1月30日). “Kořeny Petra Pavla: rázný otec v zeleném”. Seznam Zprávy. Seznam Zprávy 1 February 2023閲覧。
- ^ “Historik Blažek o mně lže. KSČ byla chyba, za 33 let jsem ji ale odčinil, říká generál Pavel” (8 September 2022). 2023年3月10日閲覧。
- ^ Pánik, Jan; Laštůvka, Vojtěch. “Členství v KSČ nechci zlehčovat, ale 33 let jsem sloužil demokracii, říká Petr Pavel”. Forum 24. Forum 24 2023年3月10日閲覧。
- ^ “Čeští vojáci v 90. letech v bývalé Jugoslávii obstáli, prozrazuje nová studie” (チェコ語). Military History Institute Prague. 6 April 2020閲覧。
- ^ “UNPROFOR – mírová mise, 1992 – 1995, země bývalé Jugoslávie, 2250 příslušníků Zahraniční mise AČR” (チェコ語). mise.army.cz. 2023年3月10日閲覧。
- ^ “Český generál: Chemický rozkaz může přijít” (チェコ語). iDNES.cz (25 March 2003). 2023年3月10日閲覧。
- ^ Bílá kniha o obraně. Prague: Ministry of defense. (2011) 2023年3月10日閲覧。
- ^ “Diskutujme víc o armádě, vyzývají tvůrci Bílé knihy veřejnost” (チェコ語). mocr.army.cz. 2023年3月10日閲覧。
- ^ Gazdík, Jan. “Přemýšlivý generál, skvělý diplomat i drzý chlápek. Petr Pavel dnes odchází do civilu”. Aktuálně.cz. Economia 28 January 2023閲覧。
- ^ Lazarová, Daniela (22 September 2014). “Czech Army's chief of staff to head NATO's military committee”. Radio Prague 4 October 2014閲覧。
- ^ Drtinová, Daniela. “Pavel: Ruská kampaň v ČR vytváří dojem, že Rusko není hrozba. Je ale nebezpečnější než Islámský stát”. Aktuálně.cz. Economia 2023年3月10日閲覧。
- ^ ČTK. “"Skvěle vedl vojáky NATO". Generál Petr Pavel dostal nejvyšší americké vojenské vyznamenání”. Aktuálně.cz. Economia 2023年3月10日閲覧。
- ^ “Generál Petr Pavel odchází do po čtyřech dekádách do vojenského důchodu. Do politiky se nechystá” (チェコ語) 2023年3月10日閲覧。
- ^ “Generál Pavel založil iniciativu, která pomůže lidem v boji s koronavirem” (チェコ語). iDNES.cz. (6 April 2020) 2023年3月10日閲覧。
- ^ “チェコ大統領に元NATO軍事委員長 脱「親中国」鮮明に”. 産経新聞. 2023年3月10日閲覧。
- ^ https://www.rferl.org/a/czech-president-ukraine-support-nato-summit/32460184.html
- ^ https://meduza.io/en/news/2023/06/15/czech-president-petr-pavel-calls-for-surveillance-of-russian-immigrants-abroad-cites-wwii-era-internment-of-japanese-americans-as-precedent
- ^ https://unherd.com/thepost/czech-president-calls-for-mass-surveillance-of-russian-nationals/
- ^ https://www.politico.eu/article/petr-pavel-russia-czech-republic-surveillance/
- ^ “Babiš na Primu donesl Jezulátko. Nikdy jsem nepředstíral, že jsem věřící, řekl Pavel” (チェコ語). Hospodářské noviny (HN.cz) (26 December 2022). 2023年3月10日閲覧。
- ^ “Petr Pavel: Život generála, který může být prezidentem ČR” (チェコ語). Reflex.cz. 7 April 2020閲覧。
- ^ “Nová první dáma Česka Eva Pavlová: Podplukovnice v záloze, inspirací pro ni je Olga Havlová” (チェコ語). iRozhlas. 2023年3月10日閲覧。
公職 | ||
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現職 |
軍職 | ||
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