コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

ペニー・ウォン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ペニー・ウォン
Penny Wong
生年月日 (1968-11-05) 1968年11月5日(55歳)
出生地 マレーシアの旗 マレーシア サバ州コタキナバル
出身校 アデレード大学
南オーストラリア大学
所属政党 労働党
サイン

オーストラリアの旗 オーストラリア 外務大臣
内閣 アルバニージー内閣
在任期間 2022年5月23日 - 現職
元首 アンソニー・アルバニージー

オーストラリアの旗 オーストラリア 財務・規制緩和担当大臣
内閣 ギラード内閣
ラッド内閣
在任期間 2010年9月14日 - 2013年9月18日
首相 ジュリア・ギラード
ケビン・ラッド
テンプレートを表示

ペニー・ウォン(Penelope "Penny" Ying-Yen Wong、1968年11月5日 - )は、オーストラリア政治家。女性として、同性愛者としてオーストラリア政界で多くの「初」記録を打ち立てた。漢名は黄 英賢(こう えいけん、ピンイン:Huáng Yīngxián、粤拼:wong4 ying1 yin4)。

経歴

[編集]

1968年マレーシアサバ州コタキナバルに生まれる。父親は中国系(広東系、客家系をルーツに持つ)のマレーシア人、母親はオーストラリア人。両親は1976年までに離婚し、ペニーは母親と弟とともにオーストラリアのアデレードに移った。アデレード大学法学部を卒業後は労働組合で働き、2001年オーストラリア労働党から上院議員選挙に立候補して当選。政界入りを果たした[1]

労働党の国会議員として

[編集]

2007年の選挙で労働党が勝利すると気候変動と水の大臣に就任。2010年には財務および規制緩和担当大臣となった。2013年の総選挙で労働党が敗北すると、シャドー・キャビネットの外務大臣を務めた。 労働党上院のリーダーとして強い影響力を有しており、2022年にオーストラリアを訪問した日本の林芳正外務大臣も時間を割いて懇談している[2]

2022年5月の総選挙では台湾問題を取り上げる自由党のピーター・ダットン国防相に対して、日本を引き合いに出しながら「口数を減らして行動することが必要だ」と対中国問題について抑制的な立場を示した[3]

外務大臣就任

[編集]
米国のウェンディ・ルース・シャーマン国務副長官と(2022年8月8日)

同月、労働党は勝利し、ペニーはアンソニー・アルバニージが組閣した内閣の外務大臣に就任。就任直後の3日後の5月24日には、東京で開かれた日米豪印戦略対話(クアッド)に出席する首相に同行した[4]。 さらに5月27日にはフィジー太平洋諸島フォーラム事務局を訪問。「オーストラリアはいかなる条件も付けず、持続不可能な財政負担を与えないパートナー」と借金漬け外交を暗に批判し、3日後に同地で開催される中国主導の中国・太平洋島嶼国外相会議を牽制した[5]

2022年7月、20カ国・地域(G20)外相会合のためにインドネシアバリ島を訪問。同地において同月8日には中国の王毅国務委員兼外相と豪中の外相級としては3年ぶりの会談を実施。通商関係の問題を議論した[6]

私生活

[編集]

同性愛者として知られており、性的少数者の権利の保護に力を入れている。閣僚であった2011年にはパートナーの女性が妊娠したことを発表。「わたしたちに子どもを一緒に育てる機会を与えてくれた」生物学上の父親の男性に感謝を表明した。当時の豪州では同性婚が禁止されていたため、政治的な波紋も呼んだ。首相のギラードも祝福を述べたが同性婚反対の立場は崩さなかった[7]

脚注

[編集]
  1. ^ ペニー・ウォンはマレーシア生まれのオーストラリアの政治家”. celeb-true. 2022年6月9日閲覧。
  2. ^ 林外務大臣とウォン豪州労働党上院リーダー・影の外務大臣との懇談”. 外務省ホームページ (2022年2月11日). 2022年6月9日閲覧。
  3. ^ 「日本が手本を示してくれている」=オーストラリアの“影の外相”が対中政策に言及―中国メディア”. レコード・チャイナ (2022年5月20日). 2022年6月9日閲覧。
  4. ^ アルバニージー氏が豪首相就任、クアッド首脳会合出席へ”. ロイター (2022年5月23日). 2022年6月9日閲覧。
  5. ^ 中国外相の不意をついた中国系豪女性外相の「フィジー訪問挑発」”. 中央日報 (2022年6月1日). 2022年6月9日閲覧。
  6. ^ 中豪外相が会談、通商問題を議論”. 日本経済新聞 (2022年7月9日). 2022年7月9日閲覧。
  7. ^ 豪閣僚、同性パートナーの妊娠を発表 同性婚の是非めぐる議論再燃”. AFP (2011年8月10日). 2022年6月9日閲覧。

外部リンク

[編集]