ペロケトゥス科
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ペロケトゥス科 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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Parietobalaena palmeri の頭蓋骨
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地質時代 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
約1597万年前 - 約724.6万年前 [1] ランギアン初頭 - トートニアン末 (新生代新第三紀中新世中葉 - 後期半ば) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
分類 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Pelocetidae Steeman, 2007 [2] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ペロケトゥス科 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
下位分類(属) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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ペロケトゥス科(ペロケトゥスか、学名:Familia Pelocetidae)は、約1597万年前から約724.6万年前にかけて[1](新生代新第三紀中新世の中葉から後期半ばにかえて)の大西洋・太平洋・南極海(寒冷化以前の南極海)に棲息していた化石クジラ類 (cf.) の1タクソン(分類群)。鯨偶蹄目ヒゲクジラ亜目ナガスクジラ上科に分類される1科である。
化石は、当時の大西洋区域(ヨーロッパ〈ドイツ、オランダ、ベルギー、フランス〉、アメリカ合衆国東海岸〈メリーランド州、バージニア州、フロリダ州[3]〉)、当時の太平洋区域(アメリカ合衆国西海岸〈オレゴン州、カリフォルニア州〉、メキシコ、ペルー、日本)、当時の南極海区域(ニュージーランド南島[4]、オーストラリア南部)から発見されている[5]。
名称
[編集]学名
[編集]学名の言語的由来については情報を確認できない。ただ、cetus は「クジラ」を意味しており、古典ラテン語で「大型の海洋動物(クジラ、サメなど)」を意味する "cētus(日本語音写例: ケートゥス)" から来ている。
和名
[編集]"cetus" (科名としては -cet(us)-idae)の読みについて日本語は表記揺れ・言葉の揺らぎが大きく、また、研究者によっても異なる場合があるため、一つに絞ることができない。古典ラテン語発音準拠であれば「ケトゥス」であるが、古典ラテン語発音準拠形の日本語転訛形「ケトス[注 1]」、ラテン語発音と英語発音のちゃんぽん形「ケタス[6]」、そして、英語発音準拠の「セタス」がある。したがって、これらの揺らぎを反映する形で、本科の和名には右最上段に示した4種類がある。
分類
[編集]上位分類
[編集]- Superfamilia Balaenopteroidea Steeman, 2007 | ナガスクジラ上科
- Familia Balaenopteridae Gray, 1864 | ナガスクジラ科
- Familia Eschrichtiidae Ellerman et Morrison-Scott, 1951 | コククジラ科
- †Familia Pelocetidae Steeman, 2007 | ペロケトゥス科
下位分類
[編集]- †Familia Pelocetidae Steeman, 2007 | ペロケトゥス科
- 産出年代:15.97 - 7.246 Ma(約1597万年前 - 約724.6万年前)[1]。
- 産出年代:15.97 - 11.608 Ma(約1597万年前 - 約1160.8万年前)[7]。
- 化石産出地:アメリカ合衆国西海岸(オレゴン州、カリフォルニア州)[7]。
- 産出年代:13.65 - 11.608 Ma(約1365万年前 - 約1160.8万年前)[8]。
- 化石産出地:アメリカ合衆国東海岸(メリーランド州、バージニア州)[8]。
- Genus Parietobalaena Kellogg, 1924 | パリエトバラエナ属
- Parietobalaena affinis Van Beneden et Gervais, 1868 | パリエトバラエナ・アッフィニス
- Parietobalaena campiniana Bisconti et al., 2013 | パリエトバラエナ・カンピニアナ
- Parietobalaena laxata Van Beneden, 1880 | パリエトバラエナ・ラクサタ
- Parietobalaena palmeri Kellogg, 1924 | パリエトバラエナ・パルメリ
- (?)Parietobalaena securis Kellogg, 1931 | パリエトバラエナ・セクリス
- Parietobalaena yamaokai Otsuka et Ota, 2008 | パリエトバラエナ・ヤマオカイ、ヤマオカクジラ[11][12](山岡クジラ[13])
- Genus Pelocetus Kellogg, 1965 [14] | ペロケトゥス属
- Pelocetus calvertensis Kellogg, 1965 | ペロケトゥス・カルヴェルテンシス
- Pelocetus mirabilis Ginsburg et Janvier, 1971 | ペロケトゥス・ミラビリス
記載者
[編集]- M. E. STEEMAN (Mette Elstrup Steeman)(メッテ・エルストルップ・ステーマン)
- デンマーク人。古生物学者。ユトランド博物館群 (Museum Sønderjylland) の南ユトランド博物館 (Museum of Southern Jutland) 古生物学部に所属[16]。
論文
[編集]記載論文
[編集]- Steeman, M. E. (02 August 2007). “Cladistic analysis and a revised classification of fossil and recent mysticetes”. Zoological Journal of the Linnean Society 150 (4): 875-894. doi:10.1111/j.1096-3642.2007.00313.x .
- 記載された科:Pelocetidae Steeman, 2007
他の研究論文
[編集]- 木村敏之、長谷川善和、大澤仁、上田隆人、山岡隆信「広島県庄原市の中新統備北層群より産出したヒゲクジラ類化石」『群馬県立自然史博物館研究報告』第14巻、群馬県立自然史博物館、2010年、29-36頁。
- Tsai, Cheng-Hsiu; Fordyce, R. Ewan (18 April 2018). “A new archaic baleen whale Toipahautea waitaki (early Late Oligocene, New Zealand) and the origins of crown Mysticeti”. Royal Society Online Science (The Royal Society). doi:10.1098/rsos.172453.
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b c Fossilworks, 科のページには "Age range: 20.43 to 13.65 Ma" とあるが、個々の属での記述と食い違うため、この数値は採用しない。2021年5月24日閲覧時。
- ^ a b Steeman, 2007.
- ^ a b GBIF, Florida の Parietobalaena palmeri.
- ^ a b Tsai et Fordyce, 2018.
- ^ Fossilworks.
- ^ 木村ら (2010), p. 34.
- ^ a b c Fossilworks: Cophocetus.
- ^ a b c Fossilworks: Halicetus.
- ^ Fossilworks: Parietobalaena.
- ^ Fossilworks: Parietobalaena, 一文に係る.
- ^ “庄原産クジラ、世界で未発見の3新種が報告される”. 庄原化石集談会. 2021年5月21日閲覧。
- ^ “比和町地学分館オープン!”. IKI STYLE. 有限会社 IKIコーポレーション (2012年7月21日). 2021年5月24日閲覧。
- ^ 清水則雄(広島大学総合博物館 学芸職員) (2008年). “県北の化石産地を巡る”. 東広島市自然研究会. 2021年5月24日閲覧。 “バスの中でお話いただいた庄原の地層(備北群層)の中からみつかった千数百万年前のたくさんなクジラの化石、それもその中の一つは現に目の前にいらっしやる山岡さんの名前が付けられたヤマオカクジラなど、それまでのクジラとは異なる新種のクジラだったとのこと。”
- ^ a b Fossilworks: Pelocetus.
- ^ Fossilworks: Pelocetus, 一文に係る.
- ^ Gol'din, Pavel; Steeman, Mette Elstrup (02 September 2015). “From Problem Taxa to Problem Solver: A New Miocene Family, Tranatocetidae, Brings Perspective on Baleen Whale Evolution”. PLOS ONE. doi:10.1371/journal.pone.0135500. "Affiliation: Department of Natural History and Palaeontology, The Museum of Southern Jutland, Lergravsvej 2, 6510, Gram, Denmark"
関連項目
[編集]- 2007年の古生物学 - 本科が記載された年における古生物学上の事象。
- 本科が生存した地質年代 - ランギアン、サーラバリアン、トートニアン。
- 本科の棲息が確認された水域 - 大西洋、太平洋、まだ寒冷化していない南極海。
- 絶滅した動物一覧
外部リンク
[編集]- “Family Pelocetidae Steeman 2007 (whale)”. Fossilworks. John Alroy. 2021年5月21日閲覧。
- “†Cophocetus Packard and Kellogg 1934 (whale)”. 2021年5月21日閲覧。
- “†Halicetus Kellogg 1969 (whale)”. 2021年5月21日閲覧。
- “†Parietobalaena Kellogg 1924 (whale)”. 2021年5月21日閲覧。
- “†Pelocetus Kellogg 1965 (whale)”. 2021年5月21日閲覧。
- “Pelocetidae”. 地球規模生物多様性情報機構 (GBIF). 2021年5月21日閲覧。
- “Pelocetidae”. Mindat.org. Hudson Institute of Mineralogy. 2021年5月21日閲覧。