ホシアサガオ
ホシアサガオ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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ホシアサガオの花
(沖縄県竹富町小浜島にて撮影) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
分類(APG IV) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Ipomoea triloba L. (1753)[1] | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ホシアサガオ(星朝顔) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
little bell, little-bell morning glory, three-lobe morning glory |
ホシアサガオ(星朝顔、学名: Ipomoea triloba)はヒルガオ科サツマイモ属の一年生草本。帰化植物。
特徴
[編集]一年草[2]。茎は蔓となってよく分岐し、他の物に巻き付いて長さ数メートル (m) になる[2]。葉は互生し、卵円形から心臓形で先が急に尖るものが多く、全縁または3裂し、葉形は変異が多い[2]。
花期は夏から秋にかけて。葉腋に葉柄より長い花柄を出し、直径1.2 - 1.5センチメートル (cm) ほどの淡紅色で中心部が濃紅色の漏斗型の花を10個以上まとめてつける[2]。花柄は一般に基部の葉よりも長く、無毛で稜があり、イボ状の突起が散生する[2]。花は上から見ると五角形から星形をしている[2]。
果実はやや縦長の球形[3][4][5][6][7][8][9]、横径は5 - 7ミリメートル (mm) である[2]。種子は径3.2 mmで黒色をしており、肥厚せず側面はほぼ半月形である[2]。
本種とよく似たマメアサガオ(Ipomoea lacunosa)は、花の中心部が濃紅色にならないことと花柄にイボ状の突起が密生する点などが本種と異なり、識別可能。ホシアサガオでは、花柄のイボ突起がまばらで種子が肥厚しないのがよい区別点となる[2]。
分布と生育環境
[編集]南米原産とされ[2]、北米、オーストラリア、東南アジアなどに広く帰化。日本では関東地方以南の道端や畑地周辺などに発生・繁殖する[3][6][9][10][11]。戦前からミクロネシアなど熱帯から亜熱帯に生育することが知られ、1944年に花の形態にちなみ津山尚[2]によって和名がつけられた[12][8][13]。日本へは戦後、1951年以前の米国統治下の沖縄へ初めて帰化したと考えられている。明治期から戦前にかけて採集された栽培由来を含む標本と近年見られる個体では葉形が異なり、その由来が異なる可能性があるとされる[14]。
強害雑草・外来種問題
[編集]大豆畑などにおいて強害雑草とされ、マメアサガオなどとともに帰化アサガオ類として問題視され、防除技術について研究が進められている[7][15]。また、環境省の生態系被害防止外来種リストにおいて、その他の総合対策外来種に指定されている。我が国における野外での定着段階は「分布拡大期~まん延期」にあるとされ、生態系等への被害のおそれがあるため、防除(野外での取り除き、分布拡大の防止等)、遺棄・導入・逸出防止等のための普及啓発など総合的な対策が必要とされている[16]。
ギャラリー
[編集]脚注
[編集]- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Ipomoea triloba L. ホシアサガオ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2024年8月31日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k 長田武正 1976, p. 157.
- ^ a b 清水ら (2001), p. 250
- ^ 伊江村教育委員会 (2002), p. 186
- ^ 畜産技術協会 (2006), p. 16
- ^ a b 神奈川県植物誌調査会 (2018), p. 1352
- ^ a b 森 (2020), p. 534
- ^ a b 淺井 (2020), p. 190–191
- ^ a b 林 & 名嘉 (2022), p. 55
- ^ 原 (2019), p. 101
- ^ 田畑 (2023), p. 191
- ^ 津山 (1944)
- ^ 池原 (1979), p. 139
- ^ 早川ら (2019)
- ^ 農業・食品産業技術総合研究機構 (2012)
- ^ 環境省 (2015)
参考文献
[編集]- 長田武正『原色日本帰化植物図鑑』保育社、1976年6月1日。ISBN 4-586-30053-1。
- 環境省『我が国の生態系等に被害を及ぼすおそれのある外来種リスト 掲載種の付加情報〈植物〉』(PDF)(レポート)環境省、2015年 。2024年2月8日閲覧。
- 淺井, 康広『エイリアン植物記』ウッズプレス、横浜市、2020年。ISBN 9784907029067。
- 原, 千代子『琉球弧・花めぐり』南方新社、鹿児島市、2019年。ISBN 9784861244025。
- 清水, 矩宏 ほか『日本帰化植物写真図鑑』全国農村教育協会、東京都台東区、2001年。ISBN 4881370855。
- 林, 将之、名嘉, 初美『沖縄の身近な植物図鑑』ボーダーインク、那覇、2022年。ISBN 9784899824350。
- 農業・食品産業技術総合研究機構『帰化アサガオ類蔓延防止技術マニュアル 大豆畑における帰化アサガオ類の防除技術Ver.1〉』(PDF)(レポート)農業・食品産業技術総合研究機構中央農業総合研究センター、2012年 。2024年2月8日閲覧。
- 梶田, 結衣、米倉, 浩司、遠山, 弘法、赤井, 賢成、天野, 正晴、阿部, 篤志、山本, 武能、設樂, 拓人 ほか「沖縄県西表島における外来植物目録」『大阪市立自然史博物館研究報告』第76号、大阪市立自然史博物館、2022年、125–141頁、ISSN 0078-6675。
- 池原, 直樹『沖縄植物野外活用図鑑』 3巻《帰化植物》、新星図書出版、那覇、1979年。
- 津山, 尚「ほしあさがほ(星朝顔)新和名」『植物研究雑誌』第20巻第4号、1944年、226–229頁、ISSN 2436-6730。
- 伊江村教育委員会『伊江島の植物図鑑』伊江村教育委員会、沖縄県伊江村、2002年。
- 森, 昭彦『帰化&外来植物見分け方マニュアル950種』秀和システム、東京都江東区、2020年。ISBN 9784899824350。
- 神奈川県植物誌調査会 編『神奈川県植物誌:2018』(PDF)(電子版)神奈川県植物誌調査会、2018年。ISBN 9784991053726 。
- 畜産技術協会『写真で見る外来雑草』(社)畜産技術協会、東京都文京区、2006年。ISBN 4881370561。
- 田畑, 満大『奄美群島植物目録』南方新社、鹿児島市、2023年。ISBN 9784861245008。
- 早川, 宗志ほか「ホシアサガオ,マメアサガオ,マルバアメリカアサガオ(ヒルガオ科)の日本への初帰化年代」『雑草研究』第64巻第1号、2019年、5–8頁、ISSN 0372-798X。
外部リンク
[編集]- ホシアサガオ(星朝顔) 松江の花図鑑
- ホシアサガオ(星朝顔) 野の花賛花
- ホシアサガオ 宮崎と周辺の植物
- 凄く良くわかる!!「ホシアサガオ」と「マメアサガオ」の見分け方 こころんグリーンのお花畑