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Honda SENSING

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ホンダセンシングから転送)
Honda SENSING
採用日 2015年1月
現在 ステップワゴンヴェゼルフリードオデッセイアコードなど

Honda SENSING(ホンダ センシング[1])は、本田技研工業の安全運転支援システムである。

概要

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運転支援システムとして1997年より搭載車種を設定していたHiDS(ホンダ・インテリジェント・ドライバー・サポートシステム)に代わる新たなシステムとして、2014年10月に発表[1]。センサーには精度を従来より向上させたミリ波レーダーを採用するとともに、「車両前方約60mまでの歩行者や対象物体の属性や大きさなどを識別」する単眼カメラを併用する[1]

なお、本システムを搭載する最初の車種は2014年11月に発表された5代目レジェンドになると公表されていたが[1]、発売は2015年1月の一部改良で搭載車種を追加したオデッセイが先行した[2]。また、並列展開されるレーザーレーダー (LIDAR) を用いた「シティブレーキアクティブシステム[3]」を発売当初装備していた車両に関しても、マイナーチェンジに伴って本システムへ順次移行している。

機能

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マルチインフォメーション・ディスプレイ
ACCのステアリングスイッチ
衝突軽減ブレーキ (CMBS)
約5km/h以上で走行中に約5km/h以上の速度差がある前走車や歩行者、約80km/h以下で走行中の対向車や歩行者に対して作動する。ミリ波レーダーおよびカメラで前走車・対向車・歩行者を検知し[4]、衝突の恐れがある場合、前走車・歩行者とのケースではディスプレイ表示や音で運転手に危険を検知させ、対象へ接近した時にはブレーキ操作で警告を行う[4]。さらに対向車線上へ出て対向車へ向かっていくケースでは、車線からはみ出した際のステアリングの振動も加わる。いずれのケースにおいても、緊急時にはブレーキが強く作動して回避行動へ移る[4]
また、車種によってはリアクティブフォースペダル[5]の振動による警告や、CMBSとの連動でシートベルトの強い引き込みを起こして被害などを軽減する目的のE-プリテンショナーが装備される[4]
誤発進抑制機能
前走車や障害物が自車から近い位置にある場合、前方はミリ波レーダー・後方はコーナーセンサーで検知し、大きいアクセル操作が行われた際の発進抑制と表示・警告がなされる。停車時および約10km/h以下で作動する[6]
歩行者事故低減ステアリング
約10km/h - 40km/hで走行中、レーダーとカメラで検知した路側帯・車線の逸脱または歩行者などとの衝突が予測された際に、警告を画面や音で発した後にステアリング制御を行う機能[7]
路外逸脱抑制機能
歩行者事故低減ステアリングと異なりカメラのみで車線の検知を行い、逸脱しそうな場合に警告表示と振動での警告後、ステアリング操作の介入をする機能。逸脱量によってはブレーキ操作も行われる[8]
アダプティブ・クルーズ・コントロール (ACC)
約30km/h - 約100km/hの設定された車速内で、検知された前走車との車間距離と速度差に自動で追従するシステム[9]
レジェンド、アコードシビック、オデッセイ[* 1]ステップワゴン[* 2]クラリティ フューエルセル / クラリティ PHEVCR-Vインサイト、フィット、N-WGNには、低速域追従・停車機能を備えた「渋滞追従機能付ACC」(約0km/h - 約100km/h)を採用する。
車線維持支援システム (LKAS)
カメラで検知された車線の中央を維持するようにステアリング制御を行う機能。逸脱した際は表示や振動で警告を促す[12]
先行車発進お知らせ機能
交差点などで先行車の発進に気づかず停車を続けている場合、表示と警告音で運転者に注意喚起する[13]
標識認識機能
カメラで読み取った道路標識をディスプレイ内へ表示させ、運転者への注意を促す[14]
オートハイビーム
専用のカメラで対向車のヘッドライトや前走車のテールランプを検知。対向車や前走車を検知していない時にはハイビームとなり、検知した場合にはロービームに切り替えることで、ハイビームの照射機会を増やして視界確保に貢献する[15]
先行して搭載されたレジェンドのみ「ハイビームサポートシステム」と呼称していたが[16]、グレイスへの搭載以降は「オートハイビーム」と改称(機能面は同一)。レジェンドも2018年2月のマイナーチェンジで「オートハイビーム」に名称を変更した。11代目シビックはアダプティブドライビングビーム搭載するのは初めてである。
後方誤発進抑制機能
停車時や10km/h以下の低速後退時、リアバンパーに装着されたソナーセンサーで真後ろの近距離にある障害物を検知。ドライバーがアクセルペダルを踏み込んだ場合に急な発進を抑制する[17]
トラフィックジャムアシスト(渋滞運転支援機能)
0km/hから約65km/hまでの速度域で前走車との車間を保ちつつ、走行車線をキープするようアクセル・ブレーキ・ステアリングの操作をアシストして、ドライバーの運転負荷を軽減する[18]

採用車種

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車種 採用時期 装備
CMBS[* 3] 誤発進
抑制機能[* 4]
歩行者
事故低減
ステアリング
路外逸脱
抑制機能
ACC[* 5] LKAS 先行車発進
お知らせ機能
標識
認識機能
オート
ハイビーム
後方
誤発進
抑制機能
トラフィック
ジャム
アシスト
オデッセイ 2015年1月22日[2]
(5代目一部改良)
●/渋[* 6] [* 6] [* 7] -
ジェイド 2015年2月12日[19] [* 8] - - -
レジェンド 2015年2月20日[21]
(5代目発売)
リ/E [* 9] - [* 10]
ステップワゴン 2015年4月23日[22]
(5代目発売)
[* 11] ●/渋[* 2] ●(6代目) ●(6代目) ●(6代目)
ヴェゼル 2016年2月25日[23]
(一部改良)
●/渋(2代目) ●(2代目) ●(2代目) -
クラリティ フューエル セル 2016年3月10日[24] - - -
アコード 2016年5月26日[25]
(9代目マイナーチェンジ)
●(10代目) ●(10代目) ●(11代目)
フリード
フリード+
2016年9月16日[26]
(2代目発売)
●/渋(3代目) ●(3代目) ●(3代目) ●(3代目)
フィット
フィットハイブリッド
2017年6月29日[27]
(3代目マイナーチェンジ)
[* 12] ●/渋(4代目) ●(4代目) ●(4代目) ●(4代目)
グレイス 2017年7月7日[28]
(マイナーチェンジ)
- -
シビックハッチバック
シビックセダン
2017年9月29日[29]
(10代目発売)
[* 12] [* 13] ●(11代目)[* 12] ●(11代目)
N-BOX 2017年9月1日[30]
(2代目発売)
-
シャトル 2017年9月14日[31]
(一部改良)
[* 14] - -
N-VAN 2018年7月12日[33] [* 12] [* 12] [* 12] [* 15] [* 12] -
クラリティ PHEV 2018年7月19日[34] - - -
CR-V 2018年8月30日[35]
(5代目発売)
- -
インサイト 2018年12月13日[36]
(3代目発売)
-
N-WGN 2019年8月9日[37]
(2代目発売)
-
N-ONE 2020年11月20日[38]
(2代目発売)
[* 12] [* 13] [* 12] -
e 2020年10月30日[39] -
ZR-V 2023年4月21日[40]
WR-V 2024年3月22日[41] -

過去に搭載されていた車種

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ 2017年11月16日のマイナーチェンジでハイブリッド車のみに採用[10]
  2. ^ a b 2017年9月28日のマイナーチェンジでハイブリッド車のみに採用[11]
  3. ^ 「リ」はリアクティブフォースペダル装備車、「E」はE-プリテンショナー装備車。
  4. ^ 「リ」はリアクティブフォースペダル装備車。
  5. ^ 「渋」は渋滞追従機能付ACC。
  6. ^ a b 2023年12月8日のマイナーチェンジで採用。
  7. ^ 2020年10月6日のマイナーチェンジで採用。
  8. ^ 2018年5月17日のマイナーチェンジで採用[20]
  9. ^ 2018年2月8日のマイナーチェンジで「ハイビームサポートシステム」から名称を変更。
  10. ^ 2018年2月8日のマイナーチェンジで採用[18]
  11. ^ 2017年9月28日のマイナーチェンジで採用[11]
  12. ^ a b c d e f g h i MT車を除く。
  13. ^ a b CVT車のみで、MT車は追従機能を備えないクルーズコントロールとなる。
  14. ^ 2019年5月10日のマイナーチェンジで採用。ただし「G・Honda SENSING」「HYBRID・Honda SENSING」はメーカーオプション設定となる[32]
  15. ^ 「G・Honda SENSING」、「L・Honda SENSING」を除く。

出典

[編集]
  1. ^ a b c d 「先進の安全運転支援システム「Honda SENSING(ホンダ センシング)」を発表 〜年内発売の新型「LEGEND(レジェンド)」より搭載〜』(プレスリリース)本田技研工業株式会社、2014年10月24日https://www.honda.co.jp/news/2014/4141024.html 
  2. ^ a b 「ODYSSEY(オデッセイ)」を一部改良し発売 — 「Honda SENSING(ホンダ センシング)」を搭載 —』(プレスリリース)本田技研工業株式会社、2015年1月22日https://www.honda.co.jp/news/2015/4150122-odyssey.html 
  3. ^ シティブレーキアクティブシステム(低速域衝突軽減ブレーキ+誤発進抑制機能)』(プレスリリース)本田技研工業株式会社https://www.honda.co.jp/safety/technology/active/ctba/2019年5月16日閲覧 
  4. ^ a b c d 衝突軽減ブレーキ〈CMBS〉”. 本田技研工業株式会社. 2016年11月27日閲覧。
  5. ^ テクノロジー図鑑|リアクティブフォースペダル”. 本田技研工業株式会社. 2016年11月27日閲覧。
  6. ^ 誤発進抑制機能”. 本田技研工業株式会社. 2016年11月27日閲覧。
  7. ^ 歩行者事故低減ステアリング”. 本田技研工業株式会社. 2016年11月27日閲覧。
  8. ^ 路外逸脱抑制機能”. 本田技研工業株式会社. 2016年11月27日閲覧。
  9. ^ ACC〈アダプティブ・クルーズ・コントロール〉”. 本田技研工業株式会社. 2016年11月27日閲覧。
  10. ^ 「ODYSSEY」をマイナーモデルチェンジして発売』(プレスリリース)本田技研工業株式会社、2017年11月16日https://www.honda.co.jp/news/2017/4171116-odyssey.html 
  11. ^ a b 「STEP WGN」をマイナーモデルチェンジして発売』(プレスリリース)本田技研工業、2017年9月28日https://www.honda.co.jp/news/2017/4170928a-stepwgn.html 
  12. ^ LKAS〈車線維持支援システム〉”. 本田技研工業株式会社. 2016年11月27日閲覧。
  13. ^ 先行車発進お知らせ機能”. 本田技研工業株式会社. 2016年11月27日閲覧。
  14. ^ 標識認識機能”. 本田技研工業株式会社. 2016年11月27日閲覧。
  15. ^ オートハイビーム”. 本田技研工業株式会社. 2019年5月10日閲覧。
  16. ^ Honda LEGEND Press Information - P32 主要装備”. 本田技研工業株式会社 (2014年11月10日). 2019年5月10日閲覧。
  17. ^ 後方誤発進抑制機能”. 本田技研工業株式会社. 2017年11月23日閲覧。
  18. ^ a b 「LEGEND」をマイナーモデルチェンジして発売』(プレスリリース)本田技研工業株式会社、2018年2月8日http://www.honda.co.jp/news/2018/4180208-legend.html 
  19. ^ 6人乗りの新型乗用車「JADE(ジェイド)」を発売』(プレスリリース)本田技研工業株式会社、2015年2月12日https://www.honda.co.jp/news/2015/4150212-jade.html 
  20. ^ 「JADE」をマイナーモデルチェンジして発売』(プレスリリース)本田技研工業株式会社、2018年5月17日https://www.honda.co.jp/news/2018/4180517-jade.html 
  21. ^ 「レジェンド」をフルモデルチェンジし発売 〜3モーターハイブリッドシステム「SPORT HYBRID SH-AWD」を搭載〜』(プレスリリース)本田技研工業株式会社、2014年11月10日https://www.honda.co.jp/news/2014/4141110-legend.html 
  22. ^ 新型「ステップ ワゴン」「ステップ ワゴン スパーダ」を発売 〜新開発の直噴1.5L VTEC TURBOエンジンを搭載〜』(プレスリリース)本田技研工業株式会社、2015年4月23日https://www.honda.co.jp/news/2015/4150423-stepwgn.html 
  23. ^ 「VEZEL(ヴェゼル)」を一部変更し発売 〜Honda SENSING(ホンダ センシング)と新タイプ「RS(アールエス)」を設定〜』(プレスリリース)本田技研工業株式会社、2016年2月25日https://www.honda.co.jp/news/2016/4160225-vezel.html 
  24. ^ 新型燃料電池自動車「CLARITY FUEL CELL」を発売 〜ゼロエミッションビークルで世界トップクラスの一充填走行距離約750kmを実現〜』(プレスリリース)本田技研工業株式会社、2016年3月10日https://www.honda.co.jp/news/2016/4160310.html 
  25. ^ 新型セダン「ACCORD(アコード)」を発売』(プレスリリース)本田技研工業株式会社、2016年5月26日https://www.honda.co.jp/news/2016/4160526-accord.html 
  26. ^ 新型コンパクトミニバン「FREED(フリード)/FREED+(フリードプラス)」を発売』(プレスリリース)本田技研工業、2016年9月16日https://www.honda.co.jp/news/2016/4160916-freed.html 
  27. ^ 「FIT」をマイナーモデルチェンジして発売 ~デザインを一新し、Honda SENSINGを採用~』(プレスリリース)本田技研工業、2017年6月29日https://www.honda.co.jp/news/2017/4170629-fit.html 
  28. ^ コンパクトセダン「GRACE」の改良モデルを発売』(プレスリリース)本田技研工業、2017年7月6日https://www.honda.co.jp/news/2017/4170706-grace.html 
  29. ^ 新型「CIVIC」を発売』(プレスリリース)本田技研工業、2017年7月27日https://www.honda.co.jp/news/2017/4170727-civic.html 
  30. ^ 新型「N-BOX」を発売』(プレスリリース)本田技研工業、2017年8月31日https://www.honda.co.jp/news/2017/4170831-n-box.html 
  31. ^ 「SHUTTLE」を一部改良し発売~Honda SENSINGを全タイプに標準装備~』(プレスリリース)本田技研工業株式会社、2017年9月14日https://www.honda.co.jp/news/2017/4170914-shuttle.html 
  32. ^ 「SHUTTLE」をマイナーモデルチェンジし発売』(プレスリリース)本田技研工業株式会社、2019年5月10日https://www.honda.co.jp/news/2019/4190510-shuttle.html 
  33. ^ 新型「N-VAN」を発売』(プレスリリース)本田技研工業株式会社、2018年7月12日http://www.honda.co.jp/news/2018/4180712-n-van.html 
  34. ^ 新型プラグインハイブリッドモデル「CLARITY PHEV」を発売』(プレスリリース)本田技研工業、2016年9月16日https://www.honda.co.jp/news/2018/4180719-clarity-phev.html 
  35. ^ 新型「CR-V」を発売』(プレスリリース)本田技研工業株式会社、2018年8月30日https://www.honda.co.jp/news/2018/4180830-cr-v.html 
  36. ^ 新型「INSIGHT」を発売』(プレスリリース)本田技研工業株式会社、2018年12月13日https://www.honda.co.jp/news/2018/4181213-insight.html 
  37. ^ 新型「N-WGN/N-WGN Custom」を発売』(プレスリリース)本田技研工業、2019年7月18日https://www.honda.co.jp/news/2019/4190718-n-wgn.html 
  38. ^ 新型「N-ONE」を発売』(プレスリリース)本田技研工業、2020年11月19日https://global.honda/jp/news/2020/4201119-n-one.html 
  39. ^ 新型電気自動車「Honda e」を発売』(プレスリリース)本田技研工業、2020年8月27日https://global.honda/jp/news/2020/4200827-honda-e.html 
  40. ^ 新型SUV「ZR-V」を2023年4月に発売』(プレスリリース)本田技研工業、2022年11月17日https://global.honda/jp/news/2022/4221117-zr-v.html 
  41. ^ 新型SUV「WR-V」を発売』(プレスリリース)本田技研工業、2023年12月21日https://global.honda/jp/news/2023/4231221-wr-v.html 


関連項目

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外部リンク

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