ホームテレホン
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ホームテレホンとは、二世帯住宅・店舗併用住宅向けの内線電話装置である。ダイヤルイン・i・ナンバーなどによる店舗用・家庭用・ファクシミリの選択呼出し、インターホン接続機能などがある。
ホームテレホンの構成
[編集]ホームテレホンには、外線・内線・インターホン接続を制御する機能が、主装置内蔵電話機に実装されているものと、別筐体の主装置に実装されているものとがある。主装置機能には商用電源が必要である。
専用ボタン電話機のボタン選択で内線通話・外線通話を切り替える。また、一般回線用の端末を接続する場合は外部アダプターが必要である。
導入方法など
[編集]標準電話機とは、配線が異なるため工事が必要である。また、接続数別の装置となっており、能力を超える場合はシステム・配線の交換が必要である。
2回線の工事となるため、電気通信設備工事担任者のAI第二種以上もしくは総合種による工事・監督が必要である。
ホームテレホンの歴史
[編集]1980年代までの一般家庭では、電話回線が1回線のみで、複数の電話機を設置する場合でも親子電話(回線1本に2台の電話機がぶら下がっている)がほとんどであった。1990年代には、インターネット接続などの需要で、ISDNなどによる複数回線の利用のためのホームテレホン導入も見られるようになった。
2000年代に入り、各社が撤退した。NTTもホームテレホンBXが2011年8月販売を終了し、日本での新規の販売はなくなった[1]。2チャネルVoIPアダプタ内蔵の多機能無線IPルーターに、インターホン接続機能を持ったコードレス電話・スマートフォンのアプリケーションなどを接続する形態での置き換えが可能である。
年 | 商標 | メーカ | 制御方式 | 外線電話回線 | 内線電話回線 | 内線端末 | 備考 | ||||||||
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アナログ | ISDN | 光IP電話 | 有線 | 無線 | 有線 | 無線 | |||||||||
パルス | トーン | 標準電話機 | 専用ボタン電話機 | IP電話機 | PHS DECT | 無線IP電話機 | |||||||||
1972年 | ホームテレホンF | 日本電信電話公社 | 機械式継電器 | ○ | ○ | - | - | 多芯配線 | - | - | ○ | - | - | - | 内線通話・秘話・通話中表示機能などを実装 |
1978年 | ホームテレホンD | 布線論理電子化 | ○ | ○ | - | - | 多芯配線 | - | - | ○ | - | - | - | インターホン接続機能などを実装 | |
1985年 | ハウディ・ホームテレホン | NTT | 蓄積プログラム方式 | ○ | ○ | 外付で機能が限られる | ホームバスシステム・アナログ音声多芯配線 | - | - | マイクロプロセッサ内蔵 | - | - | - | セキュリティ機能などを実装。ホームバスシステム機器を接続可能。 | |
1998年 | レカム・マルチメディアホームシステム | 蓄積プログラム・時分割スイッチ交換方式 | ○ | ○ | ○ | 外付けアダプタ | デジタルバス配線 | シングルゾーンコードレス電話 | アダプタ | - | ○ | - | |||
2000年代 | ホームテレホン | ○ | ○ | ○ | デジタルスター配線 | - | ○ | - | ビジネスフォンと端末の共通化 | ||||||
2010年代 | VoIP多機能無線ルーター | SIP・IPルーティング | - | - | - | 直接収容 | IP回線による遠隔地の端末の直接接続も可能 | 無線LAN | ○ | - | ○ | - | ○ | ソフトフォン・スマートフォンアプリケーションによる内線接続も可能 |