ボグリボース
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IUPAC命名法による物質名 | |
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臨床データ | |
Drugs.com |
国別販売名(英語) International Drug Names |
識別 | |
CAS番号 | 83480-29-9 |
ATCコード | A10BF03 (WHO) |
PubChem | CID: 444020 |
DrugBank | DB04878 |
ChemSpider | 392046 |
UNII | S77P977AG8 |
KEGG | D01665 |
ChEMBL | CHEMBL476960 |
化学的データ | |
化学式 | C10H21NO7 |
分子量 | 267.28 g/mol |
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ボグリボース(Voglibose)は、糖尿病患者の食後の血糖値レベルを下げるために用いられるα-グルコシダーゼ阻害剤である。ボグリボースは、腸でのグルコースの吸収を遅らせるので、結果的に大血管合併症のリスクを下げる。商品名はベイスン。武田薬品工業が開発した。
効能・効果
[編集]- 糖尿病の食後過血糖の改善[1]
- 耐糖能異常における2型糖尿病の発症抑制(錠0.2のみ)
作用機序
[編集]食後高血糖症は、主に食事後の追加インスリン分泌が不充分であるために起こる。ボグリボースは、腸で二糖類を単糖に分解するα-グリコシダーゼを競合拮抗的に阻害するため、グルコースの生成、吸収を遅らせ、食後にグルコース血中濃度が急上昇するのを防ぐ。その結果、糖毒性が予防され、糖尿病合併症を防ぐことに繋がる。
体内動態
[編集]腸内のみで作用し、通常の用量では血中に現れない。
血中に移行した場合は、乳汁ならびに胎児(妊婦の場合)に移行する。
副作用
[編集]添付文書に重大な副作用として記載されているものは、低血糖(0.1~5%)、腸閉塞、劇症肝炎、重篤な肝機能障害、黄疸(いずれも0.1%未満)、高アンモニア血症増悪(重篤な肝硬変例に投与した場合)、意識障害である。(頻度未記載は頻度不明)
そのほか、5%以上に下痢、放屁、腹部膨満が発現するが、服用を継続すると徐々に改善する。
α-グリコシダーゼ阻害剤には、アカルボース、ミグリトール、ボグリボースの3つの薬品があり、ボグリボースが最も新しい。副作用の面では、ボグリボースはアカルボースとミグリトールに優っている。
出典
[編集]- ^ “ベイスン錠0.2/ベイスン錠0.3” (2016年10月). 2016年11月6日閲覧。
外部リンク
[編集]- ベイスン錠0.2/ベイスン錠0.3 - 武田テバ薬品株式会社・武田薬品工業株式会社、2020年1月改訂、同年11月17日閲覧