コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

ボスポラスカップ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ボスポラスカップ
International Bosphorus Cup
Uluslararası Boğaziçi Koşusu
開催国 トルコの旗トルコ
主催者 トルコジョッキークラブ
競馬場 ヴェリエフェンディ競馬場
第1回施行日 1990年7月22日
2024年の情報
距離 芝2400メートル
格付け 国際G3
賞金 1着賞金5,200,000トルコリラ
賞金総額9,100,000トルコリラ
出走条件 サラブレッド3歳以上
負担重量 3歳56.5kg、4歳以上60kg、牝馬2kg減
出典 [1][2][3]
テンプレートを表示

ボスポラスカップ英語: International Bosphorus Cup / トルコ語: Uluslararası Boğaziçi Koşusu ウルスラルアラス・ボアズィチ・コシュスゥ)は、トルコイスタンブールヴェリエフェンディ競馬場芝コース2400メートルで行われる競馬競走平地競走[1]ボスフォラスカップとカナ表記される場合もある[4]

国際セリ名簿基準書のパートII国[2]であるトルコにおいて外国調教馬に開放された国際競走のひとつで[1]トプカプトロフィー(芝1600m)とともに毎年9月第1週の週末に行われるインターナショナルレーシングフェスティバルの2日目(日曜日)メインレース[4]

概要

[編集]

ボスポラスカップとトプカプトロフィーは、トルコ競馬の代表的な国際競走で[4][5]招待競走ではないが、国際セリ名簿基準書のパートI国からの出走に対しては主催者のトルコジョッキークラブから輸送費補助(1万2000〜1万8000ユーロ)が支給される[1]

トプカプトロフィーが2022年に国際G3に格下げされて以降はトルコにおける唯一の国際G2で、国際G1の存在しない同国において国内最高格の競走であったが[6]2024年に当競走も国際G3に格下げされた[2]

トルコでは国際セリ名簿基準書のパートIに記載された国際重賞に国内限定格付けを付与していないため、格付け表記としては国内でもG2(G3)扱いであるが、ガジ賞(ガジダービー)、トプカプトロフィーに次ぐ国内第3位の高額賞金競走であり[3]、例年、トルコ調教馬ではトップクラスに当たるレーティング110前後の有力馬がこぞって参戦する[7]。他方、2018年以来のトルコリラの急速な通貨価値下落[8]を受けて外国から見ると賞金面の魅力が失われてしまっており、外国調教馬の参戦がほとんど見られなくなっている(2022年までの5年間に1頭)[7]

名称

[編集]

「国際ボスポラスカップ」(International Bosphorus Cup)の英語名称で外国調教馬の登録に開放されている一方[1]、国内ではボスポラス海峡トルコ語名であるボアズィチ(Boğaziçi)を用いて「国際ボアズィチ賞競走」(Uluslararası Boğaziçi Koşusu)と称される[7]

ボスポラス海峡(ボアズィチ)は開催都市のイスタンブールをヨーロッパ大陸アジア大陸に分ける海峡である。ボアズィチ賞という名称の競走は国際競走開始以前から開催されており、1970年代まで遡ることができる[7]

歴史

[編集]

1990年に最初に国際競走として開催されたが、外国調教馬の出走がなかったため、出走を促す目的で1991年に他の国際競走と合わせてインターナショナルレーシングフェスティバルとして開催されるようになった[5][9]

2003年に国際セリ名簿基準書のパートIIに記載されてブラックタイプ競走に昇格。2009年にトルコがパートII国に昇格したのに合わせて記載がパートIに移り、国際G2競走に認定された[1]。ところが、2018年以降のトルコリラ下落による実質賞金の激減により外国馬の参戦がなくなり[7]2024年に国際G3に降格した[2]

年表

[編集]
  • 1990年 - 7月下旬に国際競走として初開催。外国馬の出走なし[5]
  • 1991年 - インターナショナルレーシングフェスティバルとしての開催が始まる[5][9]
  • 1994年 - アッバスがトルコ調教馬として1991年以来初勝利(外国馬の出走なし)[5][7]
  • 1996年 - 9月上旬に日程変更。ボールドパイロットがトルコ調教馬として外国馬を初めて破る[7]
  • 2000年 - 1着賞金を12万ドルに増額[6]
  • 2002年 - 1着賞金を15万ドルに増額[6][10]
  • 2003年 - 国際セリ名簿基準書のパートIIに昇格[1][6]
  • 2007年 - 1着賞金を40万ドルに増額[6][10]
  • 2009年 - 国際セリ名簿基準書のパートIに昇格、国際G2となる[1][6]
  • 2010年 - 賞金をユーロ建てに変更し、1着賞金を18万ユーロに実質減額[6][10]
  • 2018年 - 前年にイスタンブール市内で鼻疽が発生し検疫上の問題で外国調教馬の出走が見込めなくなったことを理由として1着賞金を25万トルコリラに減額[11]
  • 2019年 - 賞金をトルコリラ建てに固定、毎年変動となる[6][10]
  • 2020年 - 新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) 流行のため開催時期を10月25日に延期[7]
  • 2024年 - 国際G3に降格[2]

歴代優勝馬

[編集]
施行日 調教国・優勝馬 性齢 タイム 優勝騎手 管理調教師 馬主
1990年7月22日 トルコの旗 Golden Prince 牡4 2:29.80 E. Cankılıç T.S. Kapani R. Mert
1991年7月28日 イギリスの旗 Marakiz 牡3 2:28.73 J. Reid H. Al Maktoum
1992年7月25日 イギリスの旗 Captain Horatius 牡3 2:27.00 J. Reid D. Hunnisett
1993年7月20日 イギリスの旗 Shrewd Idea 牡3 2:31.14 J. Reid S. Manana
1994年7月24日 トルコの旗 Abbas 牡6 2:29.34 M. Çılgın M. Mollaoğlu M. Yücetürk
1995年7月30日 トルコの旗 Binba Star 牡5 2:29.77 M. Çılgın K. Ezgi F. Atan
1996年9月15日 トルコの旗 Bold Pilot 牡3 2:30.06 H. Karataş Y. Kara Ö. Atman
1997年9月14日 イギリスの旗 Strategic Choice 牡6 2:27.26 R. Quinn P. Cole M. Arbib
1998年9月13日 トルコの旗 Trapper 牡4 2:29.97 S. Akdı M. Tansı T. Aydın
1999年9月11日 トルコの旗 Trapper 牡5 2:31.27 S. Akdı M. Tansı T. Aydın
2000年9月9日 ドイツの旗 Caitano 牡6 2:30.45 A. Starke A. Schutz G.A. Tanaka
2001年9月8日 ドイツの旗 Kings Boy 牡4 2:28.15 N. Richter A. Wöhler Stall Kings Brothers
2002年9月11日 トルコの旗 Grand Ekinoks 牡4 2:29.06 H. Karataş L. Özdeniz V.R. Ekinci
2003年9月13日 トルコの旗 Grand Ekinoks 牡5 2:29.80 S. Akdı A. Arıcı V.R. Ekinci
2004年9月11日 ドイツの旗 Senex 牡4 2:26.47 W. Mongil H.A. Blume Stall Meerbusch
2005年9月10日 ドイツの旗 Senex 牡5 2:30.68 A.Suborics H.A. Blume Stall Meerbusch
2006年9月10日 トルコの旗 Champs To Champs 牡4 2:30.09 S. Kaya A. Dutal M. Cavcav
2007年9月9日 ドイツの旗 Bussoni 牡7 2:31.28 A.Suborics H.A. Blume Stall Kaiserberg
2008年9月7日 トルコの旗 Inspector 牡4 2:27.35 H. Karataş Ü. Bekmezci H. Doğan
2009年9月3日 イギリスの旗 Halicarnassus 牡5 2:31.59 A. Munro M. Channon Doric Racing
2010年9月5日 イギリスの旗 Indian Days 牡5 2:29.07 A. Munro J. Given D.J. Fish
2011年9月4日 イギリスの旗 Indian Days 牡6 2:26.44 A. Munro J. Given D.J. Fish
2012年9月2日 トルコの旗 Mitico 牡4 2:33.37 S. Kaya Z. Güneli N. Demirkol
2013年9月8日 イギリスの旗 Lost in the Moment 牡6 2:28.87 M. Barzalona S. Bin Suroor Godolphin
2014年9月7日 イギリスの旗 Pethers Moon 牡4 2:36.09 R. Hughes R. Hannon J. Manley
2015年9月6日 イギリスの旗 Connecticut 牡4 2:29.45 A. Kirby L. Cumani Sheikh M.O. Al Maktoum
2016年9月4日 イギリスの旗 Move Up 牡3 2:32.46 M. Barzalona S. Bin Suroor Godolphin
2017年9月3日 イギリスの旗 Secret Number 7 2:32.41 G. Mosse S. Bin Suroor Godolphin
2018年9月2日 トルコの旗 Finesse 牡4 2:28.91 S. Kaya Y. Demirkıran E. Kalabak
2019年9月8日 トルコの旗 Finesse 牡5 2:29.54 S. Kaya Ü. Yayla Salih Kaya
2020年10月25日 トルコの旗 Mister Görkmen 牡5 2:27.33 A. Çelik M. Öcal H. Yıldız
2021年9月5日 トルコの旗 Zafer Ateşi 牡7 2:29.71 Ö. Yıldırım Y. Demirkıran B. Akbulut
2022年9月4日 トルコの旗 Maximus Boy 牡3 2:30.72 A. Çelik T. Taşar A. Türkoğlu
2023年9月3日 トルコの旗 Go Hero 牡4 2:29.04 H. Karataş B. Turgul A. Güzelocak
2024年9月8日 トルコの旗 Borrego 牡3 2:35.99 G. Kocakaya C. Turan H. Doğan
出典 Tüm İsimli Koşular” (トルコ語). TJK. 2024年9月9日閲覧。

脚注

[編集]
  1. ^ a b c d e f g h International Races in Turkey 2024” (英語). TJK. 2024年7月14日閲覧。
  2. ^ a b c d e 2024 International Cataloguing Standards Book” (英語). IFHA. 2024年7月14日閲覧。
  3. ^ a b Yıllık Yarış Programı” (トルコ語). TJK. 2024年7月14日閲覧。
  4. ^ a b c トルコ国際競馬フェスティバルで欧州馬が席巻(トルコ)”. 公益財団法人ジャパン・スタッドブック・インターナショナル (2013年10月3日). 2023年7月9日閲覧。
  5. ^ a b c d e Sadettin Atığ (2019年9月5日). “Enternasyonal Koşularımız” (トルコ語). At Dünyası. 2023年7月9日閲覧。
  6. ^ a b c d e f g h The Blue Book - Previous Years” (英語). IFHA. 2023年7月9日閲覧。
  7. ^ a b c d e f g h Tüm İsimli Koşular” (トルコ語). TJK. 2023年7月9日閲覧。
  8. ^ 金子真夕 (2018年8月15日). “トルコ:トルコリラの続落とその背景”. 公益財団法人中東調査会. 2023年7月9日閲覧。
  9. ^ a b Reşat Yurday Köstem (2020年8月7日). “Rüzgar Gibi Geçenler – 11 / Gerçek Değerini Bilemediğimiz Şampiyon…” (トルコ語). Yarış Dergisi. 2023年7月9日閲覧。
  10. ^ a b c d Uluslararası Koşular” (トルコ語). TJK. 2023年7月9日閲覧。
  11. ^ Uluslararası Yarışlar hakkında” (トルコ語). TJK (2018年8月6日). 2023年7月13日閲覧。

外部リンク

[編集]