ボディ体積指数
ボディ体積指数(ボディたいせきしすう、Body Volume Index(ボディ・ボリューム・インデックス)、BVI)は人間の肥満の指標の一つ。ボディマス指数(BMI)に代わるものとして提案されている。BVIは体表面の形状を可視光の全身3次元スキャナーを使って求めた体型と体重から求めた値である。筋肉と脂肪の違いを区別することができ、また、体のどの部位に脂肪がついているのかも判定できる。
BVIの特徴
[編集]従来から使われてきたボディマス指数(BMI)は、体重と身長のみから計算される。一般に、筋肉質であるか脂肪質であるか、あるいは肉が体のどの部位に付いているかで、健康への影響は大きく異なり、2006年と2008年の研究では、BMIは健康リスクの指標として限界があると報告されている[1][2]。
それに対し、BVIは全身の3次元スキャンデータと体重を測り、過去に得られた統計データと比較することで、脂肪と筋肉の付き方を求める[3]。BVIの測定で、胴囲やウエスト・ヒップ比も同時に求まる。ウェストとヒップの値も、自動スキャンの方が手動測定よりも正確で、再現性があるとされる[4]。
開発の経緯
[編集]ボディ容積指数(BVI)の元となる研究は、1997年、イギリスバーミンガムの調査会社、セレクト・リサーチ社により始められた。同社は元々、人間の体型に関する統計データを提供していた。3次元スキャナを使って体型を数値化する検討は、2000年1月から始められた[5]。
BVIの研究は、イギリスで3年間行われた[6][7]ボディ・ベンチマーク研究プロジェクトの一環として続けられた。
予備検討を除く最初の研究は、バーミンガムのハートランド国民医療制度病院で行われ、さらにイギリス国立物理学研究所でも行われた[5]。イギリスのBBCは2007年に、ハートランド病院での検討開始3年目時点の様子を伝えている[8]。
最初の臨床試験はアメリカ合衆国のメイヨー・クリニックで行われた[9]。2008年には減量プログラムの目標の一つにBVIを使う研究が発表されている[10]。
その後、イギリスのアストン大学でも、アドバンテージ・ウェスト・ミッドランズとINDEX(INnovaton Delivers EXpansion)によるバウチャー (Voucher) (特定目的資金援助)計画からの資金提供で研究が行われ、その成果は2010年10月にイギリスのバーミンガムで発表された[5]。
現在、この用途でのBVIの語は、イギリスのセレクト・リサーチ社がヨーロッパで商標登録をしている[11]。
参考文献
[編集]- ^ A. Romero-Corral, V. K. Somers, J. Sierra-Johnson, R. J. Thomas, M. L. Collazo-Clavell, J. Korinek, T. G. Allison, J. A. Batsis, F. H. Sert-Kuniyoshi & F. Lopez-Jimenez(June 2008). "Accuracy of body mass index in diagnosing obesity in the adult general population". International Journal of Obesity 32(6): 959–956. doi:10.1038/ijo.2008.11. PMID 18283284.
- ^ "Association of bodyweight with total mortality and with cardiovascular events in coronary artery disease: a systematic review of cohort studies.". Lancet(2006-08-19;368(9536):666-78). Retrieved on 2008-09-08
- ^ Tahrani, Abd; Kristien Boelaert, Richard Barnes, Suzanne Palin, Annmarie Field, Helen Redmayne, Lisa Aytok, Asad Rahim1 (10 April 2008). “Body volume index: time to replace body mass index?”. Endocrine Abstracts (Society for Endocrinology, British Endocrine Societies) 15: 104 2008年9月7日閲覧。.
- ^ Korenfeld, Y. Ngwa, T. Friedman, L. Romero-Corral, A. Somers, V.Xu, L. Albuquerque, F. Sert-Kuniyoshi,F. Ockay, A. Lopez-Jimenez, F.(March 2009) Validation of a Novel 3D Body Scanner for Obesity Anthropometric Measurements AHA
- ^ a b c アストン大学 Body Volume Index(BVI) measurement launched、2010年10月18日付
- ^ bodyvolume.com Body Benchmark Study
- ^ Barnes, R. Rahim, A(Autumn 2009)"The Body Volume Index: New Imaging Technology for Body measurement." Hospital Imaging & Radiology Europe Autumn 2009 Vol 4. Retrieved on 2010-29-02
- ^ Fat scan shows up 'true' obesity BBC、2007年3月23日付
- ^ Romero-Corral, A. Somers, V. Lopez-Jimenez, F. Korenfeld, Y. Palin, S. Boelaert, K. Boarin, S. Sierra-Johnson, J. Rahim, A.(2008) 3-D Body Scanner, Body Volume Index: A Novel, Reproducible and Automated Anthropometric Tool Associated with Cardiometabolic Biomarkers Obesity A Research Journal 16(1) 266-P
- ^ Kristien Boelaert et al. The impact of 3D body images on motivating weight loss in overweight individuals, Endocrine Abstracts(2008) 15 p.125
- ^ OAMI onlineで検索、登録番号005496781、2007年10月22日登録