ボナー=エバート質量
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星形成 |
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星形成中の天体 |
理論上のコンセプト |
天体物理学においてボナー=エバート質量(ボナー=エバートしつりょう、英: Bonnor–Ebert mass)とは、一定圧力の媒質中に埋め込まれた等温のガス球が、静水圧平衡の状態を維持できる質量の最大値のことである。ボナー=エバート質量より大きな質量をもつガス雲は、圧力より重力が打ち勝って必ず重力収縮し、小さくて高密度な天体となる。[1][2]星間ガス雲の収縮は原始星形成の最初のステップであるため、ボナー=エバート質量は星形成の分野において重要な量のひとつである。[3]
ある一定の圧力 の媒質に埋め込まれたガス雲において、ボナー=エバート質量 は
で与えられる。[4]ここで、 は重力定数、 は等温ガス(断熱因子 )中の音速であり、 は平均分子量を表す。 はガス雲の質量密度分布プロファイルを反映した無次元定数で、一様密度分布の場合は 、中心が高密度な分布の場合は などとなる。[5]
参考文献
[編集]- ^ Ebert, Rolf (1955). “Über die Verdichtung von H I-Gebieten”. Zeitschrift für Astrophysik 37: 217. Bibcode: 1955ZA.....37..217E.
- ^ Bonnor, William Bowen (1956). “Boyle's Law and gravitational instability”. Monthly Notices of the Royal Astronomical Society 116: 351. Bibcode: 1956MNRAS.116..351B. doi:10.1093/mnras/116.3.351.
- ^ Carroll, Bradley W.; Ostlie, Dale A. (2007). An Introduction to Modern Astrophysics. Addison-Wesley. pp. 413–414
- ^ Draine, Bruce (2011). Physics of the Interstellar and Intergalactic Medium. Oxfordshire United Kingdom: Princeton University Press. p. 457. ISBN 978-0-691-12214-4
- ^ Draine, Bruce (2011). Physics of the Interstellar and Intergalactic Medium. Oxfordshire United Kingdom: Princeton University Press. p. 456. ISBN 978-0-691-12214-4